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二頁だけの読書会vol.4「現代スペインの劇作家 アントニオ・ブエロ・バリェホ 独裁政権下の劇作と抵抗 『ラス・メニーナス』などにみる、観客を取り込む戦略的舞台演出と、隠された抵抗

本のとある見開き二頁をきっかけに、大阪大学の研究成果を参加者のみなさんと分かち合い、学び合うプログラムです。

大阪大学の研究者が参加者の方々とのコミュニケーションを通じて、研究上の発想を柔軟にしたり新たな研究アイデアを生み出すことを期待し、文部科学省「研究大学強化促進事業」の一環として実施するものです。

ゲスト:岡本淳子(大阪大学大学院言語文化研究科 講師)


スペイン内戦(1936-39)に共和国軍兵士として参加したアントニオ・ブエロ・バリェホは、内戦終結後に逮捕され、死刑判決を受けます。その後、恩赦による減刑で約7年後に出所した彼が発表した作品には国家権力や暴力、抑圧と抵抗が描かれていて、観客や読者の心を揺さぶります。検閲の厳しいフランコ政権下で、そのような作品の上演がなぜ許可されたのか。今回は、検閲官たちを見事に欺いたブエロ・バリェホの巧みな劇作法、そして暗示される権力と抵抗を、いくつかの作品を用いて具体的に紹介します。最後に、ブエロ・バリェホ作品においては抑圧者と被抑圧者あるいは勝者と敗者という固定した二項対立が存在しないことをお話しします。


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二頁だけの読書会vol.4チラシ(PDF)


日時:2015年3月14日(土)13時~15時(開場12時30分)

会場:りそな銀行梅田支店以西地区セミナールーム
(大阪市北区角田町8-1 梅田阪急ビルオフィスタワー24階)

参加費:無料

定員:先着順30名(要事前申込、定員になり次第受付〆切)

事前申込方法:2月23日(月)21時より、本ページから先着順で申込を受け付けます。


⇒満席となりましたので、受付を終了しました。多数のお申し込みありがとうございます。お申込みいただいた方の参加の可否については、後ほどメールでご連絡差し上げます。





主催:大阪大学 大型教育研究プロジェクト支援室

共催:大阪大学出版会、株式会社りそな銀行

協力:大阪大学クリエイティブユニット、大阪大学21世紀懐徳堂


問合せ先:大阪大学 大型教育研究プロジェクト支援室

info-ura@lserp.osaka-u.ac.jp




◎本の紹介


『現代スペインの劇作家 アントニオ・ブエロ・バリェホ 独裁政権下の劇作と抵抗』
岡本淳子、大阪大学出版会、2014


(本の概要)
スペイン内戦後の独裁政権下、常に政府に抗議する姿勢を持ち続けていた作家アントニオ・ブエロ・バリェホ(1916-2000)の演劇作品は、言論の自由を統制する検閲を通り、反政府の姿勢をとる作家の攻撃対象となるほどにフランコ政府から認められ、数多くの賞を授与された。彼の国家批判的な姿勢および作品と、独裁社会による受容という矛盾はいかにして共存したのか。時にカムフラージュとしての役目も担う彼の巧みな劇作法を、画家ベラスケスが登場する『ラス・メニーナス』など魅力ある数々の作品を対象に、舞台イメージを伝えつつ、分析し、論証していく。スペイン現代演劇の第一人者、ブエロ・バリェホを解説した本邦初の専門書。



関連図書(上記以外)



佐竹謙一『現代スペイン演劇選集 フランコの時代にみる新しいスペイン演劇の試み』水声社、1994(アントニオ・ブエロ・バリェホ『燃ゆる暗闇にて』収録)
J.ソペーニャ『スペイン フランコの四〇年』講談社、1977
田尻陽一監修『現代スペイン演劇選集I』カモミール社、2014(現代スペイン演劇選集IIおよびIIIは近日刊行予定)
野々山真輝帆編訳『スペイン内戦と文学 亡命・検閲の試練に耐えて』彩流社、1982(アントニオ・ブエロ・バリェホ『ある階段の物語』収録)

2018年3月24日(土) 更新
ページ担当者:URA川人