大阪大学 経営企画オフィス URA部門

メールマガジン

URA MAIL MAGAZINE

URA MAIL MAGAGINE vol.6

「あの話の、その後。」特集

2014年3月 発行

今年度もあと数日で終わりですね。今回は、年度末にちなみ、過去にURAメルマガで紹介した話題の"その後"を、コツコツと追跡してみました。

■INDEX

┣【1】「資金を配って終わり」にしない学内公募
┃   ~大阪大学未来研究イニシアティブ・グループ支援事業報告会が開催されました。
┣【2】日本版URAのスキルとは。その育成プログラムとは。
┃   参加報告:「スキル標準の作成/研修・教育プログラムの作成合同シンポジウム」
┣【3】欧州で活発化する、人文・社会科学研究の評価に関する議論
┃   ~Achieving Impact 2014 参加報告:欧州規模の研究戦略Horizon2020から考える研究の「インパクト」
┣【4】URA関係イベント情報
┃   ●INORMS 2014(URAネットワークの世界会議)
┃   ●二頁だけの読書会vol.2『カナダ・イヌイトの民族誌:日常的実践のダイナミクス』
┣【5】大阪大学ホットトピック
┃   ●国際共同研究促進プログラムを選定(平成26年度開始プログラム)
┃   ●大阪大学未来戦略機構シンポジウム「Opt Osaka 2014 in Tokyo-大阪大学の光科学100-」を開催しました
┃   ●(明日、東京にて!)大阪大学未来戦略機構シンポジウム「アカデミア基盤研究から未来創薬へ」開催
┃   ●最新の研究の成果リリース
┗【6】次号のお知らせ





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【1】「資金を配って終わり」にしない学内公募
~大阪大学未来研究イニシアティブ・グループ支援事業報告会が開催されました。
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今年度、「研究大学強化促進事業」の一環として実施された「未来研究イニシアティブ・グループ支援事業」は、大阪大学ならではの基礎研究の推進や、社会的課題解決に向けた研究にイニシアティブを発揮するため、学内の研究者コミュニティ育成や新たな研究分野の創出を目指す学内公募事業で、本学の未来戦略を推進していく方策の一つにも位置付けられています。2013年9月に11グループが選定され、3年間の予定で研究プロジェクト拠点事務経費、シンポジウム開催経費などの支援が行われつつあります。


●未来研究イニシアティブ・グループ支援選定グループ一覧(2013~2015年度)

 代表者氏名 所属・職 グループ名 参考Webサイト
 田中 仁法学研究科・教授21世紀課題群と中国・大阪大学中国文化フォーラム
 深瀬 浩一理学研究科・教授インテリジェント生体制御分子の創製と新規医薬、医療診断への展開・深瀬研究室
 豊田 岐聡理学研究科附属基礎理学プロジェクト研究センター・副センター長MULTUMで切り拓くオンサイトマススペクトロメトリー・MULTUMで切り拓くオンサイトマススペクトロメトリー
 藤原 康文工学研究科・教授グリーンナノマテリアル"ものづくり"イニシアティブ・藤原研究室
 芦田 昌明基礎工学研究科・教授20オクターブ分光による多階層物質ダイナミクス研究拠点・20オクターブ分光による多階層物質ダイナミクス研究拠点
 吉田 博基礎工学研究科・教授計算機ナノマテリアルデザイン新元素戦略・吉田研究室
 三宅 淳基礎工学研究科・教授メコン川流域ベトナム南部における地域適合型の包括的な環境再生ソリューションモデルの形成(発展途上国の環境問題を総合的に支援するための技術統合グループの形成を目指して)・三宅研究室
 夛田 博一基礎工学研究科・教授分子技術イニシアティブ・夛田研究室
 井元 信之基礎工学研究科・教授量子インターフェース研究企画グループ・量子インターフェース研究企画グループ
・井元研究室
 吉田 陽一産業科学研究所附属産業科学ナノテクノロジーセンター・センター長大阪大学ナノサイエンス・ナノテクノロジーアライアンス・大阪大学ナノサイエンス・ナノテクノロジーアライアンス委員会
 大屋 幸輔金融・保険教育研究センター・センター長リスク解析・資本市場研究グループ・大阪大学 金融・保険教育研究センター



事業開始から約半年を迎えた3月7日に、吹田キャンパスで、大阪大学未来研究イニシアティブ・グループ支援事業 平成25年度事業報告会が開催されました。

11の事業選定グループの持ち時間は10分間ずつ。限られた時間の中で、これまでの活動状況および今後の計画について報告を行い、会場からの質問に答えるという流れです。 日本・中国・台湾の大学間交流に基づき、大阪大学に現代中国研究の「対話型」研究プラットフォームを構築することをめざして、国際セミナーやワークショップの開催およびブックレット刊行・Web公開を行っている「21世紀課題群と中国」(発表者:法学研究科 田中仁教授)、若手を中心に、研究者や資金・情報が集まるハブ拠点の形成を目指して、複数の大学の拠点訪問調査やマネジメント勉強会を行っている「分子技術イニシアティブ」(発表者:基礎工学研究科 大戸達彦助教)、物理学・数学・情報工学など、量子情報科学関連の一線の研究者が阪大に集結している状態を活かしながら、分野融合に向けたディスカッションの場を精力的に設けている「量子インターフェース研究企画グループ」(発表者:基礎工学研究科 井元信之教授)など、グループごとに多彩な方法で活動していることが明らかになりました。

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約70名の参加者でにぎわう報告会会場

開会挨拶で、この報告会を、選定グループ同士がお互い情報交換し、新しい共同研究の種を見つける機会にしてほしいと語った相本三郎理事(基盤研究担当)は、採択グループが決定した時点では、どんな展開になるのか予測がつかない部分もあったものの、実際に各グループからの報告を聞いてみると、思った以上に大阪大学として特色ある活動が繰り広げられている手応えを感じたとのこと。今後は、執行部も各グループの活動に積極的に関与することで、より具体的な支援策を考えていきたいと語りました。

執行部の継続的なフォローアップのもと、この事業が今後どのように大阪大学ならではの学術・研究の発展のための活動につながっていくのか、引き続き本メルマガでも注目していきます!



(川人よし恵/大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室 URAチーム)


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【2】日本版URAのスキルとは。その育成プログラムとは。
~参加報告:「スキル標準の作成/研修・教育プログラムの作成合同シンポジウム」
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2011年度に開始された文部科学省「リサーチ・アドミニストレーター(URA)を育成・確保するシステムの整備」事業(以下:URAシステム整備事業)の一環として「スキル標準の作成」と「研修・教育プログラムの作成」が行なわれており、今年度が最終年度となっています。この事業の成果を振り返り、今後の展開を議論するという主旨で、事業を実施している東京大学と早稲田大学の主催で「スキル標準の作成/研修・教育プログラムの作成合同シンポジウム」が東京大学弥生講堂一条ホールで3月10日に開催されました。
【参考】文部科学省 URAシステム整備事業Webサイト



シンポジウムでは、文部科学省 科学技術・学術政策局 産業連携・地域支援課 大学技術移転推進室の横井 理夫室長より講演があり、URAシステム整備事業の説明と併せて全国の大学におけるURAと産学官連携コーディネーターの状況調査のまとめの説明、続いてイノベーション促進人材としてのURAに対する期待、最後に大学での研究活動における利益相反管理の重要性のお話で締めくくられました。


uraskill_sympo01.JPG (写真提供:早稲田大学)

次に「スキル標準の作成」を実施している東京大学、「研修・教育プログラムの作成」を実施している早稲田大学から、これまでの経過の報告が以下のようにありました。
●「スキル標準の作成」ではURAの業務に必要な能力を(1)研究戦略支援業務:3機能、(2)プレ・アワード業務:5機能、(3)ポスト・アワード業務:5機能、(4)関連専門業務:9機能、の4つの業務項目で合計22の機能に分類して、その内容のイメージと初級、中級、上級に求められるレベルに整理したフレームワークを作成し、その到達レベルを知るツールとして用いるスキルカードも作成した。
●「研修・教育プログラムの作成」ではURAの業務遂行能力向上に資する研修・教育プログラムとして、主に初級を対象として「入門」2科目、「共通」2群10科目、「専門」3群10科目の3カテゴリー合計22科目の講義テキストとその活用ガイドを完成させた。また中級以上ではケース演習の試行を行った。
どちらも我国ではリサーチ・アドミニストレーターがあまり認知されていなかった時にスタートし、海外の先行的な事例の調査や国内の他分野での事例等を参考にしながら、国内の有識者や経験者の意見を集めて整理し、大変難しい作業の末にそれぞれの成果をまとめられたというご報告でした。



最後に「URAシステム整備とスキル標準/研修・教育プログラムの活用」と題してパネルディスカッションが行なわれ、これからの研究機関としてのURA定着に向けた取り組みや、URA個人のスキル向上やキャリアパスなどとの係わりについて意見交換が行なわれました。



スキル標準と研修・教育プログラムの内容は公開される予定ですが、一言で言えばURAとして活動するために必要な能力の標準の整理と、それを修得するための教育プログラム策定が完成したということです。 これらの成果はURA個人の能力向上やキャリア形成に役立つだけでなく、大学や研究機関のアドミニストレーション体制の整備や活動評価にも有用なものと考えられます。次の段階はこれを活用することを大学、研究機関とURAが工夫することになります。
また今後URAの活動やその成果が積み上げられると、或る時期にはそれに基づいてスキル標準と教育プログラムも見直しを行い、より良いものにして行く努力も必要だという意見もありました。
このような呼びかけがこのシンポジウムの結論であったと感じました。



(宮田知幸/大阪大学 大型教育研究プロジェクト支援室 URAチーム)

uraskill_sympo02.JPG (写真提供:早稲田大学)


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【3】欧州で活発化する、人文・社会科学研究の評価に関する議論
~Achieving Impact 2014 参加報告:欧州規模の研究戦略Horizon2020から考える研究の「インパクト」
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2013年10月に配信された本メールマガジンの創刊号で、人文・社会科学研究を取り巻く状況に関する欧州初の全体会議Horizons for Social Sciences and Humanitiesが開催されたことを紹介した。その後継とも言える国際会議Achieving Impact 2014が、2014年2月26日から27日にかけてアテネの国立古代ギリシャ文明研究基金で催された。欧州を中心に人文・社会科学研究の国際ネットワーク形成を図るプロジェクトNET4SOCIETY(※1)が主催し、Horizon 2020(※2)における人文・社会科学研究のインパクト を全体テーマとする会議である。


 ◎Achieving Impact 2014の概要はこちら

今回の参加者は、EU諸国を中心に、主に人文・社会科学系の研究者や研究支援担当者300名以上。この会議において「インパクト」という言葉は、共通テーマとしては広く曖昧な意味で用いられ、実際の講演や討論では、各々の文脈に応じて具体的で明確な意味で用いられていた。

1日目は、EU諸国の研究組織等の関係者が、それぞれの組織等の研究戦略において人文・社会科学研究がどう位置付けられているかを紹介しながら、具体例に基づいて研究の「インパクト」について意見が交わされた。基本的には、Horizon2020の3つの基本軸①科学としての卓越性、②産業における先導的役割、③社会的課題 に沿って議論されていた。どの観点を強調してインパクトを考えるかは、個別の研究分野と扱う論点によって大きく異なる。例えば、各研究分野の主要誌での被引用数からジャーナル別の「インパクト・ファクター」を測る場合もあれば、ビジネスに応用された結果の経済効果で測ることもある。
筆者が参加した1日目午後のセッションでは、創造性と文化への人文・社会科学の寄与が共通課題として掲げられ、主に人文学の観点から議論が行われた。経済的効果ではもちろんのこと、どのような基準であれ、人文学のインパクトを図るのは概して難しいという認識は参加者に共有されていた。
そこで、人文学の特性に適った評価の方法が提案され、その是非が議論された。一例として、理工系における技術移転と同様の発想で人文学のインパクトを考えるのではなく、公共的価値への寄与という観点から人文学を評価できるのではないか、という問題提起をめぐって意見交換が行われた。「公共的価値」として、例えば環境保護や民主主義に関する論点が取り上げられていた。


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2日目は、午前に欧州委員会よりHorizon 2020 の方針に関する一般的な説明が行われた後、「包摂的社会と若者」「イノベーティブな社会」「リフレクティブな社会」という3つのセッションに分かれ、「インパクト」について具体例を出しながら議論を行った。筆者が参加した1つ目のセッションでは、若者の雇用や社会的包摂の問題を扱う研究プロジェクトの資金獲得戦略から研究成果まで、研究の各段階で「インパクト」をどのように定義し、それを研究戦略にどう結び付けるかについて、約30名の参加者が話し合った。
ネットワーキングのため、参加登録の際に、ウェブ上で他の参加者との個人単位のミーティング予約ができるシステムがあり、2日目の午後は、実際のミーティング時間に充てられた。この会議の参加者の大半はネットワーキングを目的としており、講演やシンポジウムよりもこのようなミーティングやコーヒーブレイクの機会を最も重視していたようだった。
一般に、Horizon 2020に関連した会議は、欧州委員会主導の(人文・社会科学系を含む)科学技術政策がどのように展開しているのかを知るのに大変有用だと思われる。一方、今回は、人文・社会科学研究において想定されるインパクトを個別の文脈に応じてどう定義し、研究の企画と遂行のための戦略を、その「インパクト」の最大化という観点からどうすべきか議論された。本会議で得られた情報は、今後URAとして大阪大学の研究活動の国際展開を支援していく上で役立てていくつもりである。



(磯 直樹/大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室 URAチーム)


(※1)NET4SOCIETY
2008年に始まった、人文・社会科学研究コミュニティのネットワーク形成支援や外部資金に関する情報提供等を行うプロジェクト。


(※2)Horizon 2020
2014年に始まった、今後7年間の欧州連合の研究とイノベーションへの投資計画。欧州連合の中期成長戦略Europe2020を上位計画とし、イノベーションを強く意識したプログラム構成を取っている。予算総額は770億ユーロ。




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【4】URA関係イベント情報
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INORMS 2014(URAネットワークの世界会議)
2014年4月10日(木)~13日(日)、ワシントンD.C.
要事前申込、有料



二頁だけの読書会vol.2『カナダ・イヌイトの民族誌:日常的実践のダイナミクス』
本のとある見開き二頁をきっかけに、ゲストの研究について語り合う対話プログラム。
2014年4月21日(月)、大阪梅田
要事前申込(4月2日受付開始)、無料



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【5】大阪大学ホットトピック
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国際共同研究促進プログラムを選定(平成26年度開始プログラム)


大阪大学未来戦略機構シンポジウム「Opt Osaka 2014 in Tokyo-大阪大学の光科学100-」を開催しました


(明日、東京にて!)大阪大学未来戦略機構シンポジウム「アカデミア基盤研究から未来創薬へ」開催
2014年3月27日、学士会館


●最新の研究の成果リリース
糖尿病の新しい治療法開発に光
―DPP-4を標的としたワクチンを設計 マウスで治療効果を確認 2014年3月18日

困難をついに実現?! フッ素樹脂と金属膜を強力に接着させる技術を開発
 省エネかつ処理スピードの速い高周波用プリント配線板材料への応用に期待 2014年3月12日

大阪大学とアストラゼネカ
 臨床開発を中止した薬剤の新規適応可能性を検討する産学連携 2014年3月12日

どんな環境でも再生が途切れにくいモバイル端末での映像配信を実現!!
―次世代モバイルビデオ オンデマンド配信に期待 2014年3月12日

白亜紀末の生物大量絶滅は、隕石衝突による酸性雨と海洋酸性化が原因
―世界初!!宇宙速度での衝突蒸発実験に成功 2014年3月10日

電気信号により制御される水素イオンチャネルの形を原子レベルで解明
―創薬研究から分子デバイスへの応用まで、大きな波及効果に期待 2014年3月3日

関節リウマチ等の自己免疫疾患の新たな発症機構を発見
―自己免疫疾患の診断薬・治療薬開発へ繋がる新たな分子機構 2014年2月25日



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【6】次号のお知らせ(予告なく変更する可能性があります)
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研究開発への投資のしくみや研究支援体制などについて、アメリカを例に考えます。



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2017年4月10日(月) 更新(担当:URA 川人 )