大阪大学 経営企画オフィス URA部門

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URA MAIL MAGAZINE

URA MAIL MAGAGINE vol.24

「永遠のホットイシュー?!スキルアップとキャリアパス」特集

2015年9月 発行

今月は、URAという新しい職種のスキルアップやキャリアパスについての話題等をお届けします。

■INDEX
  1. 新室長挨拶(八木康史/大型教育研究プロジェクト支援室長、研究担当理事・副学長)
  2. リサーチ・アドミニストレーター協議会第1回年次大会レポート
    ―116機関から419名が参加、テーマは"リサーチ・アドミニストレーターのレベルアップから組織の研究力強化へ"
  3. アムステルダム大学でのJob Shadowing
    ~「みること」からはじまる学びと新しい関係性~
  4. 研究者から大阪大学理学研究科URAへ
  5. ロイター社がThe World's Most Innovative Universities を発表
    大阪大学は世界で18位、日本で1位
  6. URA関連イベント情報
    ●若手研究者のための英語論文執筆スキルアップセミナー
    ●研究・技術計画学会 第30回年次学術大会
    ●SRA International Annual Meeting 2015
  7. 大阪大学ホットトピック
    ○坂口志文特別教授が「トムソン・ロイター引用栄誉賞」を受賞
    ○ロイター「革新的な大学ランキング」で、阪大が国内第1位
    ○平成26事業年度(第11期)財務諸表の公表について
    ○阪大ニューズレター2015秋号を発行しました
    ●「『大阪大学特別教授』による講演会」第3回(石黒浩・基礎工学研究科 教授)のご案内(10月5日)
    ●第8回男女共同参画シンポジウム 待ったなし!202030(にいまるにいまるさんまる) ―女性研究者数値目標―(10月15日)
    ○最新の研究の成果リリース
  8. 次号のお知らせ


【1】 新室長挨拶
URAシステムの高度化を通じた本学の更なる研究支援体制充実および研究推進基盤強化に向けて
(八木康史/大型教育研究プロジェクト支援室長、研究担当理事・副学長)

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2015年8月26日に大型教育研究プロジェクト支援室長に就任いたしました八木でございます。

国際的規模で繰り広げられている知の拠点づくりの大競争を背景に、国内的には国立大学改革の推進と各大学の機能強化が求められる等、日本の国立大学は変革の真っ只中にあります。こうした状況に対応し、自ら新しい局面を切り拓く牽引力のひとつとして、日本の諸大学においてリサーチ・アドミニストレーター(URA)という専門職の配置・育成が進められてきました。URAには、研究戦略推進や研究企画・研究開発マネジメントの強化等を支えることが期待されています。

大阪大学においては、執行部直属の組織として大型教育研究プロジェクト支援室を設置し、多様なバックグラウンドと専門知識・技能を有するURA13名を配置しております。

同室URAは、これまで、文部科学省「リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備(リサーチ・アドミニストレーションシステムの整備)」事業および「研究大学強化促進事業」を、本学において推進してまいりました。具体的には、政策動向・公募情報の収集・分析および学内への情報提供、外部資金獲得のための申請書作成支援および模擬面接・ヒアリング、研究活動の国際化のための英語論文投稿支援や国際シンポジウム開催支援、大学としての研究力分析など、多岐に渡る業務を、本部事務機構の関係部署や部局と連携しながら実施しております。また、実務での協働やセミナー等の機会を通じて、こうした業務を担う部局等の人材育成に協力するとともに、学内外の有機的なネットワークに基づくURA活動の展開を心がけております。

URAをどう活用するかは、大学の競争力向上の鍵のひとつです。大阪大学においては、今後も大型教育研究プロジェクト支援室を中心にURAを育成・確保し、教員及び事務職員と協働で研究支援体制の更なる充実および研究推進基盤の強化に努めてまいります。学内外のみなさまのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

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【2】リサーチ・アドミニストレーター協議会第1回年次大会レポート
―116機関から419名が参加、テーマは"リサーチ・アドミニストレーターのレベルアップから組織の研究力強化へ"

9月1日、2日の二日間に渡って信州大学長野(工学)キャンパスでリサーチ・アドミニストレーター協議会(以下、"RA協議会")の第1回年次大会が開催され、多くのリサーチ・アドミニストレーターおよびリサーチ・アドミニストレーション関係者が集まり、情報交換や議論を行いました。

RA協議会は、大学、高等専門学校、大学共同利用機関、独立行政法人、地方独立行政法人、特殊法人その他公的な研究機関(以下「大学等」という。)が取り組んでいるリサーチ・アドミニストレーションの組織等の定着・展開に向けて、2015年3月に設立された全国的なネットワークです。ここではリサーチ・アドミニストレーション人材の育成・能力向上、課題の共有・解決のための検討等について情報交換を行うことを通じ、我が国の大学等の研究力強化に貢献し、学術及び科学技術の振興並びにイノベーションに寄与することを目的としています。

この大会は、これまでに構築されてきたリサーチ・アドミニストレーションシステムの更なる強化・発展と、培われてきたリサーチ・アドミニストレーターのスキルアップを通じて、組織の研究力強化を図るべく、"リサーチ・アドミニストレーターのレベルアップから組織の研究力強化へ"をテーマに開催されました。
RA協議会が設立されて初めての年次大会開催だったので参加者数の予想が難しく、会場の提供と大会運営をされた信州大学では対応が大変であったと思いますが、結果的には116機関から419名の一般参加があり、講演者やスタッフなどを含めると500名を上回り、これまでの同じ趣旨の催しとほぼ同じ規模となりました。

大会では、関係省庁とファンディング機関の講演、大学執行部特別セッション、組織会員企画による14セッションと2つの演習、協賛企業企画の8セッション、それに1つの協議会共催セッションで活発な議論が行われました。

関係省庁の講演のうち、文部科学省科学技術・学術政策局の川上伸昭局長からの講演では、大学等においてリサーチ・アドミニストレーターの重要性・必要性の認識が高まり、雇用形態・キャリアパス等の整備が進められて配置人数が増えつつあること、そして業務が多様化しているので役割と能力についての整理と、組織を超えた情報交換のためのネットワークの構築が今後求められるというお話がありました。
大学執行部特別セッションでは「大学経営におけるURAの活用」という表題でリサーチ・アドミニストレーターの役割や組織整備について6つの大学の状況についての講演と議論が行なわれました。

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写真:大阪大学が企画した2つのセッション。左から「人文社会系の研究力ってどうはかるの?」、「これからの大学運営-URAは何ができるのか-

組織会員企画のセッションでは、組織会員となっている大学、研究機関がセッション企画・運営を担当し、担当機関によって様々な工夫が行われて、いろんな面からの意見が交わされていたように思えました。
リサーチ・アドミニストレーションの内容は多様で、リサーチ・アドミニストレーターにも様々なタイプの人材の育成が必要なので、このように議論や交流が多様化することはリサーチ・アドミニストレーターのコミュニティーを活性化し、それぞれの機関の研究を充実させることになると期待されます。

また参加者の応募による21件の口頭発表、37件のポスター発表のセッションもあり、リサーチ・アドミニストレーター業務の事例や新たな取組みの報告や意見交換が行われました。予稿集を読み直すと、これらの発表の内容が豊富であることが判ります。発表者の経験やスキルによって様々ですが、それぞれが直接関わっている課題を取り上げ、中には深い内容のものや、多くのリサーチ・アドミニストレーターに共有できるものなどがあり、参加者がお互いに刺激になったり、参考になる有効な意見交換ができたであろうと思われます。

リサーチ・アドミニストレーターの全国ネットワーク組織設立をめざして活動を開始してから2年経ち、協議会の設立と初めての年次大会開催までこぎつけました。この活動に多くの賛同と期待があることがこの大会の参加者から感じられました。

クロージングセッションでは、次回の年次大会が来年の同じ時期に福井で開催されることが紹介されました。この機運が次回にも続いて欲しいと思います。

RA協議会については下記URLでご覧ください。
年次大会の資料も掲載されています。
http://www.rman.jp


(宮田知幸/大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室URAチーム)

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【3】アムステルダム大学でのJob Shadowing
~「みること」からはじまる学びと新しい関係性~

Job Shadowingとは何か、ご存知でしょうか?「職業教育やキャリア教育の一種で、現場で働いている人に影のように寄り添い、その仕事内容や職場の様子を観察すること」[1][2]です。その歴史として、1980年代以降のアメリカでの失業率上昇を背景に、1990年代のクリントン政権で、学校から職場へ移行するツールの1つとして生まれました[2]。日本では、自治体のキャリアセンター[2]や高校生の職業教育[2][3]として、導入が進められています。Job Shadowingをする人をホスト、Job Shadowingをされる人をゲストと呼びます[1]。ゲスト側が職場での実際の業務観察により、具体的な仕事の様子が学べることに加えて、ホスト側は、外部からの素朴な目が職場の潜在的な課題を振り返る機会になり得ると、実践例より示されています。欧州での研修プログラムでは、「Job Shadowing」の文字を説明無く目にすることがあり、一般的な研修の方法の1つになっているようです。

アムステルダム大学でのJob Shadowingは、研究支援業務を行うOlga Gritsaiさん(Advisor Research Funding, Grant Support UvA-HvA)を対象に行ってきました。まずは、Olgaさんの業務の概要を説明してもらい、Olgaさんのオフィスで1時間程度のJob Shadowing。そして、観察した内容に関して振り返りを行いました。Olgaさんは社会科学分野で博士号を取得後、研究とマネジメントを50%ずつ行う職務で研究プロジェクトに携わり、5~6年前から現在のポジションにつかれています。本部と部局の両方において研究支援業務を行っておられます。今回のJob Shadowingの際には、Olgaさんはメール処理やPPTファイル作成をされていました。メール処理の中にはGrantの情報検索結果による情報提供が含まれ、PPTファイルは若手研究者対象のキャリアアップ支援ワークショップでの講演内容でした。1~2行で返事をするメールが何通もあること、母国語であるオランダ語も使うけれど英語のメールが多いこと、Grantの情報を丁寧に調べて情報提供し、その内容をきちんとリストに記録していることなどを見せて頂きました。

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図1:Job Shadowingの様子(左からOlgaさん、筆者)

大阪大学の国際化に向けて、研究支援業務の高度化のための研修プログラムは、現在発展途上です。既にある程度、研究支援業務が確立されている欧州の大学等において、研究支援業務に携わる人たちが具体的にどのような業務を行っているのかを、インタビューで尋ねるに留まらず、Job Shadowingで目にすることにより得られたもの。言葉で伝えにくいものを伝えるためのJob Shadowingのよさを言葉で説明することは容易ではありませんが、今回の場合は、まず、仕事の相手や内容を含む具体的なターゲットとその方法を知ることができました。Job Shadowingの前に口頭でOlgaさんより説明いただいた仕事の概要に加えて、何をどの程度の時間をかけて行っているのかを具体的に垣間見ることができました。Job Shadowingを行って他の人の作業を丁寧に見つめることにより、日常に流れがちな自身の作業を振り返り、ホストが注力しているポイントがどのように自身のポイントと異なり、どの程度重なるのかに注意が向きます。自身の視野の外にあるものの存在がたちあらわれ、ゲストにとってのホストの位置づけを再確認することにより、ゲストとホストの新しい関係性の構築につながるのではないか、と期待できます。

Job Shadowing実施に向けた課題として、まずは相手との実施前の関係性が挙げられます。いきなり、「仕事の現場を観察させてほしい」と言われても、承諾しがたい場合もあることが想定されます。今回のJob Shadowingのきっかけは、1年前に実施したオランダの研究支援業務調査に遡ります。その際に訪問したアムステルダム大学にJob Shadowingを申し入れたところ、趣旨を理解していただき、実現することができました。そして、実際に実施する際に、ゲストの注意をどのようにホストに向けるのかが重要です。「仕事を見ていてください」といっても、何をみていいのかわからない、もしくは目にはいってこない場合は、1時間があっという間に過ぎてしまって何も見ることができなかった、もしくは退屈になって眠ってしまった、ということになりかねません。事前にどのようなことを見たいのか、何のためにJob Shadowingをするのか、業務の概要として確認したいことは何か、また、Job Shadowingの最中にはどのように記録を行うのか、など、目的に応じて丁寧な準備が必要となります。

複数の準備と目的設定、そしてホスト側との関係性の構築、Job Shadowingを実施するためには丁寧な事前調整が必要となりますが、その準備に見合う研修の機会となり得ます。国外の相手によらず、国内、そして大阪大学の学内でも、ぜひ1度、Job Shadowingを体験してみませんか?これまでに見えなかった業務のポイントが見えてくるかもしれません。

また、一方通行ではない関係性の構築に向けて、前述のアムステルダム大学のOlgaさんに大阪大学に来ていただいて、今度はゲスト側としてJob Shadowingを行うことも検討中です。我こそは、と思われる方は、アムステルダム大学から訪問される際のホスト側としてご相談ください。さらに、アムステルダム大学の訪問時に留まらず、「業務の高度化に向けてこのような相手のゲスト側となって、Job Shadowingしてみたい」、「新しい関係性の構築のために、このような内容でJob Shadowingしたい」などのご意見・ご要望をいただけましたら、検討していきたいと考えております。

ご連絡をお待ちしております。


(伊藤京子/大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室 URAチーム)


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図2:Job Shadowing終了後の記念写真(右から筆者、Olgaさん、筆者の同僚URAの川人、Olgaさんの同僚のBea Krennさん)


[1] Human Resources, Organization Development Training & Diversity, Manchester Metropolitan University: Job Shadowing Guidelines,
http://www2.mmu.ac.uk/media/mmuacuk/content/documents/human-resources/a-z/guidance-procedures-and-handbooks/Job_Shadowing_Guidelines.pdf (2015年9月9日確認)
[2] 沖縄県グッジョブおきなわ推進事業局サイト:「ジョブシャドウイングとは?」,
http://goodjoboki.com/jobshadowing.html(2015年9月9日確認)
[3] 埼玉県:埼玉県ジョブシャドウイング事業,
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0811/job-shadowing.html(2015年9月9日確認)

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【4】 研究者から大阪大学理学研究科URAへ

大阪大学大学院理学研究科では平成27年度より企画推進本部を設置し、URA(University Research Administrator)業務を行う教員を初めて配置して、研究支援や広報企画の体制強化に取り組み始めました。本稿では、今年6月より理学研究科のURA業務担当第一号となった筆者が、理学研究科での支援体制の現状と展望を紹介しつつ、研究者からURAへ転向してからの3か月半を振り返ります。

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理学研究科の執行部・庶務係・企画推進本部のメンバーと(2015年7月時点、前から2列目左端が筆者)

大阪大学理学研究科・企画推進本部の取り組み

大阪大学大学院理学研究科は、数学、物理学、化学、生物科学、高分子科学、宇宙地球科学の6専攻からなります。URA業務を行う専任教員は筆者だけですが、研究科長の指示の下に執行部、広報企画部、研究企画推進部、国際交流部の教員や事務職員と活動しています。これまでに行ってきたのは、広報、研究支援、産学連携、国際交流に関わる業務です。

特に力を入れている広報・アウトリーチ活動では、理学研究科の公式ホームページや今年4月より開始した公式ツイッター(@Science_OU)を充実させています。これらに加え、プレスリリースやシンポジウムなどによる研究活動の広報や、受験生、企業を対象とした活動にも積極的に取り組んでいます。受験生向けには、オープンキャンパスや高校生のための実習・出張講義だけでなく、学習塾や予備校での広報にも活動の幅を広げています。

産学連携事業の推進活動では、科学機器展示会への参加や企業訪問を通して市場のニーズを調査し、本研究科に求められているものは何かを探りながら企画を練っています。

これまで、広報・アウトリーチ活動や産学連携などに関わる業務は、教員や事務職員に大きな負担がかかっていました。URAの活動と企画推進本部の機能は、業務の一元化と簡素化によって全体の負担を軽減し、研究科全体で効率的にこれらの活動に取り組むことを目指しています。同時に、業績やセミナーの情報など、これまでは専攻ごとに管理されていて研究科内での共有が難しかったものに関して、合理的な情報収集・共有を実現し、専攻をこえた研究科全体の活性化につなげます。これらの施策は、研究・教育活動に費やす時間の確保や人材の育成・獲得に重要で、研究科の運営上非常に有益です。

研究者からURAへの転向

筆者は、名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻にて博士の学位を取得後、米国オハイオ州立大学とノースカロライナ大学でのポスドク研究員4年、群馬大学生体調節研究所での助教4年半を経て、現職に就きました。

URA業務については、研究員時代から興味を持っており、そのきっかけを作ってくださったのは留学中に出会った二人のURAでした。一人は、博士号を取得後すぐにURAになり、アメリカで産学連携事業のコーディネイターをされていました。もう一人は、学位取得後に研究員を経てURAになり、現在も博士の人材育成や就職支援を担当されている方で、就職活動中に大変お世話になりました。お二人の経歴や活動内容などについてお話を伺う中で、博士のキャリアとして研究者以外にも道があるのだということを知りました。当時は、自分の手で研究を進めたいという思いが非常に強かったため、研究者としてのキャリアを選択しました。しかし、日本の大学で助教職に就き、大学運営の厳しさや研究者が研究以外の仕事に時間を奪われている現実、若い研究者や学生の多くが抱えている進路に対する不安を知り、改めて「研究支援」の重要性を感じました。研究を続けたい思いもありましたが、それと同時に研究支援の仕事への強い興味があり、URAへの転向を決意しました。

大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室での研修

筆者は赴任後、研究科長から理学研究科における企画推進本部とURAの位置づけ、期待される活動内容について説明を受けました。しかし、URAは当研究科にとって初めての試みであり、筆者にとっても未経験の職務です。そのため、大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室(以下、大プロ室)で一週間の研修を受け、大阪大学におけるURAの位置づけや活動内容について教えていただきました。

大プロ室の活動内容については、当メールマガジンやホームページで解説されていますのでここでは割愛させていただきますが、研修では、研究力分析の意義や活用法、外部資金獲得のための支援、学振DC申請支援、国際的研究活動支援、広報企画運営等についてレクチャーを受けました。また、科研費・競争的資金等の説明会準備や模擬ヒアリングに参加し、実際の業務の一部を経験させていただきました。研究力分析に関しては、Web of ScienceやScopusなどの学術文献データベースを用いた部局レベルでの分析や評価の方法など、理学研究科での活動に直結するノウハウも教えていただきました。広報活動については、学内の協力機関ネットワークから最近の国内外でのトレンドに至るまで幅広く情報をいただき、今後の理学研究科での活動方針に対してもご意見をいただきました。

現在は、部局URAとして理学研究科で研究支援を行っていますが、研究科だけでなく大学全体の運営や研究力の強化のため、本部や他部局との連携も重要視しています。そのため、隔週で行われるURAミーティングに参加して、大プロ室や他部局の方々と情報を共有し、意見交換を行っています。

今後に向けて

最後に、日本の大学運営や研究力の向上のため、URAに何が期待されているかについて考えます。大学は、経営面だけを考えれば「不要なもの」を切り捨てることもやむを得ないかもしれません。しかし、「不要なもの」とは何でしょうか。たとえば、すぐに社会に還元されるわけではない、ゴールの見えづらい「基礎研究」はどうでしょうか。研究の発展や人材育成のためには基礎を重視した多様性のある研究や教育も維持していかなければならないと、筆者は考えています。とはいえ、現状維持では厳しい現実は変わりません。URAには、経営者と研究者の両方の立場で、大学の運営と研究の発展をバランスよく考える能力が求められているのではないでしょうか。

筆者は、これまでに得た研究者としての知識と経験を活かし、研究者の研究に対する思いを大切にしながら、より効果的な研究者支援を行っていくつもりです。そのため、今後は学内だけでなく他大学・研究機関のURAの方々とも積極的に情報共有・意見交換をしながら、大学運営について学んでいきたいと思っています。また、これらの活動を通じて、研究科全体の研究力アップ、活性化に寄与し、日本の科学の発展に貢献できれば本望です。


(坂口愛沙/大阪大学大学院理学研究科 企画推進本部 助教)


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写真:左から大阪大学理学研究科公式ホームページ新規医療イノベーションのためシンポジウム 2015 ポスター(2015年10月21日開催予定)

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【5】ロイター社がThe World's Most Innovative Universities を発表
大阪大学は世界で18位、日本で1位

2015年9月15日(日本時間では9月16日)にロイター社が、The World's Most Innovative Universities として100大学(システム)を発表しました。これは、論文に加えて、特に特許を重視した10の指標を用いて、世界経済に影響を与えている大学をランク付けしたものです。特許に関しては、グローバルな特許や他者からの引用を、総数で比較するだけでなく、その比率も考慮しています。また論文に関しては、産業界からの引用や産業界との共著を考慮しています。

その100大学の中で、大阪大学は世界で18位、日本で1位にランクされています。世界大学ランキングはいくつもあり、それらの中で、大阪大学にとって、このランキングの18位が最も高いものです。大阪大学がこれまで産学連携の研究に力を注いできたことや、使われる可能性の高い特許を厳選してグローバルに出願し、それが産業界の参考にもなってきたことが反映されたと考えられます。ランキングのように数値化すると大学の多くの側面の情報が欠けてしまいますが、ランキングごとの順位の違いは、各大学の特徴を表していると言えるのではないでしょうか。

100大学の内、50大学がアメリカの大学です。日本の大学は、京都大学が22位、東京大学が24位、東北大学が39位、東京工業大学が51位など全部で9大学入っています。他に多い国は韓国とフランスが8大学、ドイツが6大学、イギリスが5大学などです。

アメリカの大学の場合、たとえばカリフォルニア大学にはバークレイ、ロサンゼルス、サンディエゴ、サンタバーバラなど10校ありますが、全部をまとめてカリフォルニア大学システムとして扱っています。これは、特許が各校からではなく、カリフォルニア大学全体で出願されているため、各校ごとの定量化ができないためです。他に、ミシガン大学システム、テキサス大学システムなどが上位に入っており、これらを校別に定量化することができれば、アメリカの大学の割合はもっと大きくなるかも知れません。

評価指標は、以下の10項目です。対象となる特許と論文は2008年から2013年に登録や掲載をされたものです。それらの引用に関しては、2015年7月までのデータを用いています。

1.Patent Volume (重み1)
 世界知的所有権機関(World Intellectual Property Organization、WIPO)に登録されている特許数
2.Patent Success(重み1)
 登録数と出願数の比
3.Global Patents(重み1)
 米欧日の特許局(庁)からカバー範囲を調べられた特許の割合
4.Patent Citations(重み1)
 他の特許に引用された総回数
5.Patent Citation Impact(重み0.5)
 1特許当りの他の特許に引用された回数
6.Percent of Patents Cited(重み0.5)
 単特許に1回以上引用された特許の割合
7.Patent to Article Citation Impact(重み1)
 1学術雑誌論文当りの特許に引用された回数
8.Industry Article Citation Impact(重み1)
 1論文当りの産業界からの論文に引用された回数
9.Percent of Industry Collaborative Articles(重み1)
 産業界との共著論文の割合
10.Total Web of Science Core Collection Papers(重み1)
 学術雑誌論文の総数

これらの指標の値を計算するためのデータベースとしては、トムソン・ロイター社のInCites, Web of Science Core Collection, Derwent Innovations Index, Derwent World Patents Index, Patents Citation Indexが使われているとのことです。


(正城敏博/大阪大学産学連携本部 総合企画推進部長 兼 知的財産部長・教授、
池田雅夫/大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室 シニア・リサーチ・マネージャー)

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【6】URA関連イベント情報

●若手研究者のための英語論文執筆スキルアップセミナー

http://www.ura.osaka-u.ac.jp/researchdissemination/ws.html

2015年10月7日(水)14:00~16:10
大阪大学吹田キャンパス コンベンションセンター3F MOホール
対象は大阪大学の教職員・学生対象(文理問わず)
無料、要事前申込(10/2〆切)
★日本人研究者にとって効果的な英語論文執筆のポイントを伝授


●研究・技術計画学会 第30回年次学術大会

http://jssprm.jp/wp/?p=1424

2015年10月10日(土)・11日(日)
早稲田大学・西早稲田キャンパス
参加費有料


●SRA International Annual Meeting 2015

http://www.sraannualmeeting.org/events/2015-sra-international-annual-meeting/event-summary-f3189ad393a043cca343e41570505f1b.aspx

2015年10月17日~21日
ラスベガス(米国)
要事前申込、有料

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【7】大阪大学ホットトピック

坂口志文特別教授が「トムソン・ロイター引用栄誉賞」を受賞

ロイター「革新的な大学ランキング」で、阪大が国内第1位

平成26事業年度(第11期)財務諸表の公表について

阪大ニューズレター2015秋号を発行しました

「『大阪大学特別教授』による講演会」第3回(石黒浩・基礎工学研究科 教授)のご案内(10月5日)

第8回男女共同参画シンポジウム 待ったなし!202030(にいまるにいまるさんまる) ―女性研究者数値目標―(10月15日)

○最新の研究の成果リリース

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【8】次号のお知らせ(予告なく変更する可能性があります)

年度後半への区切りの時期にふさわしい話題をお届けします。


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2017年7月 6日(木) 更新(担当: 川人 )