大阪大学 経営企画オフィス URA部門

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URA MAIL MAGAZINE

URA MAIL MAGAGINE vol.46

「産学連携」から「産学共創」へ

2017年7月 発行

手前味噌で恐縮ですが、大阪大学の産学連携に関する取り組みは、
国内の大学の中で先進的だと言われています。

更に一歩先、「産学共創」への挑戦について、
大阪大学産学共創本部キックオフシンポジウムへの参加報告により紹介します。


■INDEX
  1. 「産学連携」から「産学共創」へ~「大阪大学産学共創本部キックオフシンポジウム」参加報告~
  2. 二頁だけの読書会vol.9「性を管理する帝国-なぜ近代公娼制度は長く存続したのか-」を開催します(9月9日@大阪梅田)
  3. 大阪大学ホットトピック
     ○吉森保教授に大阪大学栄誉教授の称号を付与しました
     ○平成29年度海外への研究者派遣プログラム/海外からの研究者受入れプログラム(第2回)を選定
     ○産学共創本部キックオフシンポジウムを開催しました
     ●【受付中!!】「大阪大学の集い in 名古屋」を9月23日(土・祝)に初開催!!
     ○最新の研究の成果リリース
  4. 次号のお知らせ


【1】「産学連携」から「産学共創」へ~「大阪大学産学共創本部キックオフシンポジウム」参加報告~

これまでの大阪大学の産学連携の取り組み

 大阪大学では、「地域に生き世界に伸びる」をモットーとして、2008年4月に設置された産学連携本部(旧産学連携推進本部)が中心となり、国内外の産業界との連携を推進してきました。
 大阪大学の産学連携については、「Industry on Campus」*1構想のもと、2006年より全国に先駆けて「共同研究講座・部門」や「協働研究所」*2を設置しており、設置数は年々増加しています(2017年7月現在のこれらの総設置数はそれぞれ51と21)。また、医師主導治験臨床データ移転規程の制定等、各種の先進的取り組みも先陣を切って進めてきています。さらに、2014年12月には大阪大学の100%子会社である大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社 (OUVC) を設立し、大阪大学で蓄積されている研究成果としての知財の事業化を通じた新たな社会的価値の創出に貢献しています。


7月4日に開催された「大阪大学産学共創本部キックオフシンポジウム」

 大阪大学産学連携本部は、2017年4月に「産学共創本部」へと組織改編を行いました。筆者は、7月4日に大阪市中央公会堂で開催された「大阪大学産学共創本部キックオフシンポジウム」に参加してきました。
 シンポジウムは2部構成となっており、<第1部 共創に向けたビジョン>の前半では、産学共創本部本部長および産学共創本部に設置されている4部門の部門長(イノベーション共創部門長、テクノロジー・トランスファー部門長、共創人材育成部門長、出資事業推進部門長)からのビジョン説明がありました。また、第1部の後半では、本シンポジウムの協賛団体・企業の代表として西村勇哉氏(NPO法人ミラツク 代表理事)、深野弘行氏(一般社団法人関西経済同友会 常任幹事)、野路國夫氏(株式会社小松製作所 取締役会長)の各氏より、自社の産学連携の取り組みや産学共創本部への期待などが述べられました。そして、<第2部 共創に向けた提案>では、複数の共創テーマの提案および参加の呼びかけがありました。


大阪大学の「産学共創」とは--産学共創本部イノベーション共創部門が進めている取り組みから

 大阪大学では、現在「産学共創」を推進しています。産学共創とは、これまでの産学連携でよく見られる企業ニーズと大学シーズのマッチングに加えて、市民・国・自治体等も一体となって社会課題(共創テーマ)を設定し、最適な「知」「資金」「人財」を組み合わせた探索チームを結成して、総合力でその課題の克服を目指す取り組みです。従来は「研究者」対「企業の一部門」で設定された課題の下での産学連携活動が中心でしたが、これからは、「組織」対「組織」の連携によって課題探求や基礎研究の段階からの共創を進めようとしています。
 上記「産学共創」の推進のために、産学共創本部ではイノベーション共創部門が中心となり、以下の3ステージからなる未来社会共創プラットフォームでの共創テーマ提案を募っています。

○ステージⅠ「未来共創思考サロン」:ファシリテーター(有識者)を中心に、ネット目安箱なども利用しながら未来社会のあるべき姿を議論し、あわせてイノベーティブ人財の輩出も目指します。
○ステージⅡ「共創テーマ探索チーム」:イノベーティブ人材がファシリテーターとなり、調査・試作等の探索活動を実施するとともに、イノベーション共創部門は資金の支援を含む企画運営支援を行います。
○ステージⅢ「共創テーマ研究ユニット」:オープンイノベーションチームで、クローズ戦略もとりながら共創テーマ研究を推進し、社会実装支援を行います。

 シンポジウムの第2部では、現在ステージⅠ~Ⅲに提案されている10の提案の代表の方々によるプレゼンテーションがありました。特徴として、教員でない学外の方々による発表が多く、従来の大学主催のシンポジウムのように堅苦しくなく大変活気があったと感じました。
 例えば、「へんてこりんぐProject」では、"へんてこりんな人"(変なことを一生懸命やっている人、変なことを始めようと画策している人)に「新規事業につなげる力(参謀力)」や「様々な人とつながるオープンイノベーション力」を付けてもらうといった尖った人財のプロデュースを検討しているとのことです。元大手オフィス機器メーカー勤務で現在新規事業のアドバイザーをされている発表者からは、へんてこりんな人を見つけ出しサポートする人を募集しているとの呼びかけありました。また、現在日本駐在中の米国の大学の国際連携ファシリテーターの方からは、「ニューメキシコの商業都市(アルバカーキ)に未来型コミュニティを共創する」についての発表がありました。その発表において、大きな規模で「ネットゼロエネルギー」のしくみづくりを目差す取り組みや、低価格でエネルギーを最適にコントロールする「エコモードハウス」普及化に向けたテーマへの参加を呼びかけていました。アルバカーキでは、イノベーションに集う若者が集まりやすい環境づくりを行なっているとのことで、NPOを立ち上げて大学・国・企業から資金を集め、起業家を育成する寮を設立しているといった話もありました。

 当日は共同研究講座や協働研究所からの50ものポスター発表を同時に実施していたこともあり、参加者は約550名、そのうち半数程度が企業関係者とのことで、大変盛況なシンポジウムでした。産学共創本部の新たな取り組みである未来社会共創プラットフォームでの共創テーマ創出は、大阪大学における産学共創のさらなる推進と同時に、大阪大学の独自性を打ち出せる事例に発展することが期待されます。

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満員のシンポジウム会場(第二部の様子)


URAとしての共創イノベーションへの貢献に向けた私見

 一方、大阪大学として新たな「共創イノベーション」を生み出すためには、大学と学外のステークホルダーとの連携だけではなく、学内においても各部署などが適切な連携を進めてサポートを行っていくことも重要だと、筆者は考えています。例えば、産学共創を推進していくには、研究等に係る資金の獲得も重要になります。経営企画オフィスURA部門ではすでに、科学技術振興機構 (JST)、新エネルギー・産業総合開発機構 (NEDO)等の競争的研究資金の獲得支援について、イノベーション共創部門と連携しながら進めています。筆者は、このような具体的な事例を積み重ねていくことにより、共創イノベーションの創出に貢献できればと考えています。

(大屋知子/大阪大学経営企画オフィス URA部門)

[註]
*1 「Industry on Campus」:企業側の「人・資金・研究課題」を大阪大学内に誘致することにより、従来の共同研究をより発展させる取り組みです。具体的な事例として、後述の「共同研究講座・部門」「協働研究所」が挙げられます。
*2 「共同研究講座・部門」「協働研究所」:共同研究講座・部門は、大阪大学内に設ける独立した研究組織で、従来の共同研究制度や寄附講座制度とは異なる効果をねらった制度であり、協働研究所は、企業の研究組織を大阪大学内に誘致し、多面的な産学協働活動を展開する拠点です。


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【2】大阪大学 二頁だけの読書会vol.9を開催します
「性を管理する帝国-なぜ近代公娼制度は長く存続したのか-」

本の"とある見開き二頁"をきっかけに、大阪大学の研究成果を参加者のみなさんと分かち合い、学び合うプログラムです。

■日時:2017年9月9日(土)14時~16時(開場13時30分)
■場所:りそな銀行梅田支店 プライベートサロン Reラグゼ セミナールーム
■ゲスト:林 葉子(大阪大学大学院文学研究科 招へい研究員)
■取り上げる本:林 葉子『性を管理する帝国-公娼制度下の「衛生」問題と廃娼運動』 大阪大学出版会、2017年

■概要:
日本では終戦まで廃されることのなかった巨大な暴力装置、近代公娼制度。明治期からの富国強兵政策のもとで、近世の公娼制度を再編する形で整備されたこの性売買管理のシステムをめぐっては、再編当初からその非人道性が指摘され、国内外で賛否両論の大論争が巻き起こっていました。当時の人々は、公娼制度や遊廓での性売買について、どのように捉えていたのでしょうか?その制度のもとで、女性たちはどのように生きていたのでしょうか?廃娼運動が次第に勢力を増していく中でも公娼制度が維持されることになった理由について、史料を紹介しながら参加者の皆様と一緒に考えます。


■定員・申込方法:先着順30名(要事前申込。8/4(金)21時より以下のウェブページから申込受付開始、定員になり次第受付〆切)
http://www.ura.osaka-u.ac.jp/ssh/2pages09.html

■参加費:無料
■主 催:大阪大学経営企画オフィス URA部門
 共 催:大阪大学出版会、株式会社りそな銀行
 協 力:大阪大学クリエイティブユニット、大阪大学21世紀懐徳堂
■問合せ先
  経営企画オフィスURA部門(担当:川人)
  メール:info-ura@lserp.osaka-u.ac.jp

申込方法等、詳しくはこちらをご覧ください。

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【3】大阪大学ホットトピック

吉森保教授に大阪大学栄誉教授の称号を付与しました

平成29年度海外への研究者派遣プログラム/海外からの研究者受入れプログラム(第2回)を選定

産学共創本部キックオフシンポジウムを開催しました

【受付中!!】「大阪大学の集い in 名古屋」を9月23日(土・祝)に初開催!!


○最新の研究の成果リリース

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【4】次号のお知らせ(予告なく変更する可能性があります)

最近の科研費の動向や大阪大学の科研費申請支援制度(日/英)を紹介する、科研費特集号を予定しています。

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【企画・編集・配信】
大阪大学経営企画オフィスURA部門(旧 大型教育研究プロジェクト支援室) 川人・岩崎

◎配信停止やご意見・ご感想はこちらまで


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〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-1 大阪大学産学共創(旧 産連本部)B棟(2階)
http://www.ura.osaka-u.ac.jp/
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2017年10月 9日(月) 更新(担当:川人 )