大阪大学 経営企画オフィス URA部門

大学のこれからを考える

Policy Seminar

第1回学術政策セミナー
研究経営人財の育成にむけて

2016年5月16日(月)【講演録公開】
開催日時
  • 第1回学術政策セミナー
  • 2015年7月10日 14:30-17:00
  • 大阪大学テクノアライアンス棟1F アライアンスホール
開催概要

平成27年度第1回学術政策セミナーは、「研究経営人財の育成にむけて」というテーマで企画しました。研究経営を各大学で実行していくために、教員、職員、第3の職種と言われるURAは、どのようなマインドで働き、また成長していく必要があるのかを、お招きした講師の皆様の講演を踏まえて議論しました。

講演「法人化を迎えた時に考えたこと、今、大学の職員の皆さんに期待すること」

藤吉尚之氏

文部科学省大臣官房人事課人事企画官

プロフィール:平成6年科学技術庁入庁。平成12年より文部省生涯学習局にて教育の情報化を担当。平成14年度から3年間、九州大学事務局総務課長として、法人化、大学統合、キャンパス移転等に取り組む。平成17年から内閣府総合科学技術会議事務局、文科省研究開発局を経て、在仏日本大使館勤務。帰国後、量子放射線研究推進室長を経て、平成23年9月より大臣秘書官。その後、子ども安全対策室、原子力損害賠償対策室を経て、平成26年4月より現職。

国の厳しい財政事情

私は平成14年から17年までの3年間、九州大学に行っておりました。法人化前の2年間と、法人化後の1年間を事務局総務課長として、まさに法人化の担当として最前線で取り組んできました。本日は、そのときに考えていたこと、現在の人事に携わる立場から国立大学の現状を見て感じていることをお話したいと思います。

皆さんも重々ご承知だと思いますが、国の財政状況は本当に厳しいと実感しています。昨年度の一般会計予算は税収55兆円、国債41兆円です。それらを使って支出が96兆円、そのうち、過去借りてきた国債の返済費が23兆円もあります。

国債返済費23兆円を除く支出の内訳については、社会保障費が圧倒的に大きく、31兆円、公共事業が6兆円、文教科学費が5.4兆円となっています。国だけで債務の累積が780兆円。人口が1億2,000万人と仮定して、子どもから高齢者の方まで一人当たり650万円の借金があります。

社会保障費については、毎年1兆円の伸びです。このままこの伸びが続くと言われています。そうすると、ほかの経費がこれまで以上に伸びることは考えられないと思います。文教科学予算はこれまで、国費の中では比較的優遇されており、この予算はあまり減らされずにきました。

このグラフは科学技術関係経費のトレンドを表していますが、平成3年度以降非常に順調に伸びています。科学技術基本計画というのは、10年先を見越して、5年ごとに取るべき施策をまとめています。その第1期の基本計画が始まったころからも伸びており、現在、第4期の基本計画の最終年度ですが、基本的には右肩上がりになっています。ただ、社会保障費が毎年1兆円伸びていることを考えると、このトレンドがずっと続くという保証は何もないということです。

  藤吉氏講演資料1

年度当たりの科学技術関係経費は、大体3兆円の前半から3兆6,000億円あたりで推移してきています。そのうち文科省が約6割強を占めています。日本の特徴は、政府が出している科学技術関係経費が民間よりも少ないという点で、政府:民間が1:4程度の比率です。政府が3.6兆円ですから、日本全体は、その5倍、つまり18兆円ぐらいになっています。

次のグラフは平成12(2000)年度を100とした場合の、各国の科学技術関係予算の推移を示しています。中国は800に増えていますが、日本はほとんど変わっていません。政府負担研究費の対GDP比についても、日本は低空飛行を続けている状態です。研究費の政府負担割合も日本の場合は非常に少なく2割程度ですので、政府の科学技術関係経費の投資が減っても問題ないのではと思われるかもしれません。ですが、そうなると呼び水がなくなって、民間サイドの投資も冷え込んでしまう、といった負の効果が生じる可能性が出てきます。つまり科学技術関係経費に関しては、政府関係等予算もある程度ないと、国全体の科学技術に対する投資が減ってきてしまう、そういう構造になっているわけです。

  藤吉氏講演資料2
国立大学法人への国からの支出

国立大学法人への国からの運営費交付金は、法人化した平成16年は1兆2,400億円弱、25年度1兆800億弱ですから、10年間で1,000億円以上減少しています。ただし、国からの補助金等については、平成16年が約1,200億円、25年度が約4,000億円で、合計するとむしろ増加していることがわかります。運営費交付金はまさに基盤となるお金なので、これが減らされるとよくないといった議論がありますが、政府全体の財政状況が厳しい中でどうするのかを考えなくてはいけないと思っています。

国立の総合大学は安泰なのか

一般によく取り上げられるTimes Higher EducationのWorld University Rankings 2014-15では、日本の大学の最高位が東京大学の23位、大阪大学が157位となっています。海外のランキングというのは、その指標についていろいろ問題があると言われており、ある意味で事実だとは思いますが、そう言っていても仕方がないと思います。今後、卓越した成果を創出していく、海外の大学と伍していくべきというのが政府全体の方針だと思いますので、こうした状況を踏まえどのように行動するかが重要になります。

昔はなかった職業、将来残る仕事?

少し話題を変えましょう。ニューヨーク市立大学教授のキャシー・デビットソン氏は、「子供たちの65%は、大学卒業後、今は存在していない職業に就く」と言っています。オックスフォード大学准教授のマイケル・A・オズボーン氏は、「今後10~20年程度で、約47%の仕事が自動化される可能性が高い」と予測し 、経済学者のジョン・メイナード・ケインズ氏は、「2030年までには、週15時間程度働けば済むようになる」つまり、1日3時間ぐらい働けば済むようになる、と予測しています。ということは、今の仕事が10年後、20年後に本当にそのまま安泰なのかというのは、誰もわからない、ということです。これは学者の考えであって、実際にそうなるとは限りません。しかしながら、国立大学も文部科学省も変わっていかなければならないということを暗示しているのではないでしょうか。時代に則した進化が必要ではないか、ということだと思います。

法人化で求められたこと

国立大学の法人化で何が変わったのでしょうか。例えば私がいた九州大学では、パンフレットを作成して法人化による変化を広くアピールしています。

法人化の際に求められていたことを、振り返ってみますと、よく挙げられるのは次のようなキーワードでした。

  • 「トップマネジメントの実現」
  • 「学外者の参画・登用」
  • 「目標・計画の設定」
  • 「民間的発想の経営手法の導入」
  • 「地域連携」
  • 「産学連携」
  • 「情報発信」
  • 「学生への支援」
  • 「評価の徹底」

これらは大学に対する批判だったのでしょうか、それとも期待だったのでしょうか。大学は、法人化後、さまざまな要望や要請を受けていると思います。それは、大学に対する期待が根底にあるからでしょう。ただ、それが仮に裏切られた、期待程の成果が出なかったという場合には、批判になってしまいます。法人化から10年経った現在でも、さまざまな場所で、大学に対して同様の期待、あるいは批判が表明されています。もし、当時求められていたことがかなり実現、あるいは改正されているのであれば、今の時点でそれほど、大学改革への厳しい意見をいただくことはなかったのではないか、と考えています。

確かに、法人化前から大学に対しての要請もしくは期待がありました。これは一例ですが、医科大学のない県を解消しましょうという目標が掲げられて、医科大学が新たにできたり、教員養成の必要性から新教育大学ができたり、新しいニーズへの対応として大学院大学ができたり、あるいは、高度専門職が必要だということで、ロースクールをはじめとする専門職大学院ができました。つまりは、いろんな大学への期待に対して、きちんと大学側が応えてきているわけです。国立大学の数にしても、昭和24年の69大学から、法人化の直前は99大学まであったのですが、法人化前に統合、再編が進んだ結果、現時点で86大学になっています。ただ、また新たなニーズ、あるいは期待が出てきた場合には、さらに再編や統合があるかもしれません。すなわち、現状のままでいいということではないと思っています。

高まる大学改革への期待

先月の6月30日に、いわゆる骨太の方針(「経済財政運営と改革の基本方針」)が決定されていますが、そこではイノベーション創出の基盤になる大学について、「機能強化の方向性に応じた三つの重点支援の枠組みの新設を通じた、メリハリある配分、ガバナンス確立と、マネジメント改革等を強力に推進する。また、大学改革と競争的研究費改革を一体的に推進する」という方針を掲げています。

同じ日に決定された「日本再興戦略」でも「革新的な技術シーズの創出を担う大学の自己改革の取り組みを促進することにより、イノベーション・ナショナルシステムの実装を重点的に推進し、世界一イノベーティブな国の実現を目指す」という方針を掲げています。こうしたことからも、大学に対する期待は非常に大きいと言えます。こういった期待を受け止めて、それに応えていくことがとても大事なのだと思います。

また、「国立大学経営力戦略」ですが、一つ目の目標は「大学等の将来ビジョンに基づく機能強化」です。最近の大学改革は機能強化というのをキーワードにしています。二つ目は「自己改革、新陳代謝の推進」で、意欲、能力のある教員が高いパフォーマンスを発揮するための環境整備ですとか、経営を担う「人財」、経営を支える「人財」の育成確保が目標とされています。これらはまさに、リサーチ・アドミニストレーター(URA)のことだと思いますが、こういった方々の育成確保も重要だと言われています。

藤吉氏講演資料3

科学技術分野の5カ年計画、第5期科学技術基本計画に向けての検討に関する中間まとめの中でも、イノベーションシステムを支える人材、URAの育成確保が重要だと述べています。この中で、URAは、将来的に大学、公的研究機関等の管理運営等を担っていく高度専門「人財」として定義されています。そこが非常に重要な点です。

将来的には、URAのミッションは競争的資金獲得支援のみならず、大学や公的研究機関の管理運営を担っていくことにも拡大するでしょう。こうした人材の育成・確保のためには、大学や公的研究機関におけるURAの社会的地位の確立、適切な評価の下での明確なキャリアパスの確立、業務内容に応じた育成プログラムの充実等が、重要な課題となると考えています。

皆さんへの期待

阪大をはじめとする総合大学には、たくさん研究者がいて、いろいろな研究が行われています。研究の結果、膨大な研究内容やデータが蓄積されています。最近はやりの言葉で言うと、ビッグデータです。皆さんへの一つ目の期待は、これらビッグデータの活用です。バックキャスト思考で、20年後、30年後、将来にはこうあるべきだ、というような社会の姿やニーズから現在を振り返り、その実現のために必要な技術、シーズは何なのかを考えること。研究者の、膨大な研究内容やデータをサーチして組み合わせることによって、これらを提示できるのではないかと考えています。

二つ目は、プレアワード、ポストアワードというのは重要ではあるものの、それだけでいいのか、というURAの皆さんへの問いかけです。URAはややもすると裏方に見えてしまう、あるいは、裏方になってしまう可能性もあるのですが、URA自身が裏方(URA方)から表方へ、自ら価値を創造する、自分が大学の将来を担っていくというような気概こそが重要ではないでしょうか。

三つ目については、11年前の法人化から絶えず大学改革だとか、大学の自立・変革だとかを要求され続け、皆さんは大学改革に追われる日々を送られているのではないかと思います。しかし、やはり何事も人から言われてやるのではなく、自分が率先して行って、人から感謝されるほうがいいはずです。大学改革に追われる生活から、法人化のプラスの面を考え、その未来に必要なものを先取りし、自ら周囲を改革していく存在になるべく行動する、周囲から求められる、あの人がほしい、あの人についていきたい、感謝したい、そういった存在になっていただきたいと考えています。

図表は藤吉氏講演スライドより抜粋


事例紹介

文部科学省の研修生として学んだこと、考えたこと
小林加奈氏

大阪大学研究推進部産学連携課産学連携企画係

プロフィール:大阪大学外国語学部卒業。2009年大阪大学採用後、国際部学生交流推進課、人間科学研究科庶務係、工学研究科総務課人事係を経て、文部科学省行政実務研修生として、科学技術・学術政策局 産業連携・地域支援課 大学技術移転推進室へ配属。リサーチ・アドミニストレーター(URA)を育成・確保するシステムの整備に係る事業、産学官連携コーディネーター活動ネットワークに係る事業等に従事。2015年4月より現職。

文科省の行政実務研修生とは

この研修生制度は、文科省における行政の実務を実際に経験することにより、大学職員の視野拡大と、人材育成に寄与するための研修です。基本的には1年間の研修期間で、複数の部署を経験しますが、私の場合は、科学技術・学術政策局 産業連携・地域支援課 大学技術移転室(以下:移転室)に1年間いました。

研修に行った動機を4点挙げます。まずは、「視野の拡大」と「経験値の蓄積」です。私のような一番下の事務職員は、日々の業務ですとか、目の前の業務で精一杯になってしまい、大学全体の方針や大学全体のことを考える機会はあっても、その大元の文科省や、国の施策を意識するということはあまりないように思います。ですのでぜひ文科省に行って、いろいろな経験をしてみたいと思ったからです。

そして「人脈の形成」です。文科省の研修では、文科省の方や、他大学から来られた研修生の方々と一緒に働いて、今後、大学職員として働くうえで、重要な人脈を形成できればと考えました。

4点目が一番大きな動機だったのですが、「新しい環境での挑戦」がありました。私は約5年事務職員としての経歴がありましたので、その節目でぜひ今までの経験を活かして新しい環境でトライしたいという強い想いを持ちました。新しい環境で産学官連携の業務に初めて携わる、といった面でも大きな挑戦となり、とてもいい経験になったと感じています。

研修を受けて

実際に文科省に行ってみると、行く前に描いていた文科省のイメージとのギャップに驚きました。行く前には、文科省は多くの情報が集まり、多くの情報を発信する場所であるというイメージでした。ここまでは予想どおりでしたが、予想を上回る情報量と、業務量でしたので、文科省では、情報を迅速かつ的確に処理する必要があるわけです。たくさんの情報の中から、自分にとって必要な情報か、どれが重要な情報かという選択をする能力が求められます。これは事務職員として大学で働くうえでも、とても重用なものだと感じています。

次に覆されたのは、文科省はトップダウンで各大学に施策方針を指示する、というイメージです。実際には、文科省は施策や方針を決める際に、必ずと言っていいほど、有識者や大学の関係者からの意見を参考にします。政策や方針などを決める局面において、大学側がいかに現状を伝えるのか、提案・提言するかということが、とても重要なのだと学びました。このことから、大阪大学は、独自の観点から発言することで存在感を増すことができるのではないかと思います。

もうひとつは、文科省は限られた人材だけで構成されているというイメージです。これも実際はまったく異なっており、プロパーの職員だけでなく、さまざまな機関の人員で構成されていました。私が研修を受けた産業連携地域支援課、産地課というところも、職員の約3分の1以上が、私と同様の国立大からの研修生、私立大学の職員の方、地方公共団体の方々などで構成されていました。さまざまなバックグラウンドを持った方が同じ部署にいる、よりイノベーションが起きやすい職場環境だったのではないかと思います。

小林氏講演資料1

そして、文科省での経験を経て、私の中で変化がありました。それまで、日々のルーティンワークに追われることが多かったのですが、研修後は、日々の業務においても大学の方針や、国の方針を意識できるようになりました。これは、研修で幅広い視野を身につけたからではないかと思います。また、文科省での研修で得た新たな人脈との情報交換を行えることで、以前より高いモチベーションで業務に取り組めるようになったと感じています。さらに、実は大阪大学についてよく知らなかったのだということに気付けたのも、大きな変化です。研修期間中、大阪大学について聞かれる機会が度々あり、研究や研究者について、組織や運営など、自分で思っていた以上に阪大のことを知らず、恥ずかしい思いをしました。知識不足を痛感したことが大阪大学についての知識を深めるきっかけになり、その結果、大阪大学への愛も深まったと感じています。

最後に、文科省での業務を通じてたくさんの人脈ができたこと、幅広い視野を持てたことは私の研修における一番の成果だと思っています。研修が終わったからそれで終わりというのではなく、その成果を持って今後の大学業務に活かしていく、これからがスタートだという気持ちで頑張っていきたいと思っています。

大学職員として

文科省の産学官連携に関わる部署で研修を受け、そして現在、大学で産学官連携に関わる部署に所属している立場で、今後どういったことが大切かということをまとめたものが下の図になります。

まず事務職員として、日々の事務業務のエキスパートになることが大切だと思っています。次に、大学職員として、「産」「官」「学」の関係を常に意識することが重要だと思っています。大学職員がイノベーションを起こすためには、ニーズの変化へ対応する柔軟性が必要です。そしてやはり、人と人とのつながりも大切です。産学官連携業務で、大学発の技術を社会還元すること、社会実装することは、研究者との共同作業です。研究者から信頼ある大学職員であるのは当然のことながら、同時に、産や官からも信頼がある大学職員になる必要があると感じています。そうなることで、大学の発展・成長に貢献できればと願っています。

小林氏講演資料2

最後に、文科省での業務を通じてたくさんの人脈ができたこと、幅広い視野を持てたことは私の研修における一番の成果だと思っています。研修が終わったからそれで終わりというのではなく、その成果を持って今後の大学業務に活かしていく、これからがスタートだという気持ちで頑張っていきたいと思っています。


図表は小林氏講演スライドより抜粋



事例紹介の補足として―私が考えていたこと、考えていること―
山下洋氏

文部科学省科学技術・学術政策局産業連携・地域支援課 大学技術移転推進室長

プロフィール:平成6年 文部省入省。平成10年より内閣内政審議室で、国旗・国歌法の制定、教育改革国民会議等を担当。平成13年より文科省生涯学習政策局にて教育改革や理科離れ対策等を担当。平成15年より名古屋大学総務課長、企画課長として、法人化、組織運営、計画評価、法務、業務改善等を担当。平成18年より内閣府総合科学技術会議事務局、文科省ナノテクノロジー・材料開発推進室長、地域・学校支援推進室長、内閣府行政刷新会議事務局、内閣官房行革事務局企画官等を経て、平成26年9月より現職。

問題意識

法人化前、名古屋大学の総務課長だったときに、私が何を考えていたのかというのを振り返ってみました。経営基盤を支える事務職員の採用育成システムを、企画課長として、人事課に協力させてもらうかたちで、採用から研修までを一緒に考えました。優秀な事務職員をたくさん増やしていくためには、今までの採用の仕方、人事の見方について、かなり問題意識を持ったわけです。最終的に、事務職員をどう変えていくのかを考えたときに、次のような結論を得ました。やはり、管理というよりもマネジメント意識、企画力、プランニングする力などの、自分で判断する力、また、スピード感。こういう能力や感覚を変えていかなければならないと、強く思いました。

次に文科省の大学技術移転推進室長として、URAという人たちの担当になりました。九州大学では法人化の当時は競争的資金の獲得などは教員と事務職員が一緒に考えていたはずです。それらは事務職員がやったほうがよい業務だと思います。しかし、実際には第3の職種としてURAという人たちが必要になってきました。

「事務組織」の見直しについて

URAの人たちが研究戦略という枠を越えて、大学の経営をサポートしていき、研究支援を行う人材ではなく、運営を任される「人財」として活躍していく。ドクターの資格を持って大学の運営を行う、という方向に大学が変わっていくとなったときに、事務職員はどういう存在になるのでしょうか。

事務職員でも極めて高い能力と意欲を持った人は、第3の職種にかなり近づいていくでしょう。それぞれの分野のスペシャリストが第3の職種であると捉えると、専門性を持った事務職員も、URAもIRも第3の職種といえるでしょう。第3の職種の人たちが大学の中に入ってきたときに、望ましい事務職員の存在とは、どういったものなのでしょうか。

「専門的職員」の設置について

各大学の皆さんがURAという存在をどのように考え、どのように大学というシステムに組み込んでいくのか、自分たちで考えるべきだろうというのが、私の考え方です。そのために、研究経営改革について考えようというのが、今の私の仕事です。

私は現在、「競争力強化に向けた大学知的資産マネジメント検討委員会」を動かし、研究経営システムの確立を目指しています。研究経営システムとは、簡単に言うと大学の人、モノ、金をマネジメントして最も成果を出すための仕組みです。大学の制度の構成、内部の構成はどうすればいいのか、といったことを検討しているところです。もちろん、その中には人、モノ、金、それぞれ考えるべき点はあると思います。例えば、コーディネーター、URA等マネジメント人材の一体的なシステム強化や、イノベーション・エコシステムを機能させるための、多様なステークホルダーの大学への関与の在り方といったことなど、様々です。

  山下氏講演資料1

もうすぐ、第1次提言というのを出します。現時点では、3つの柱立てを考えています。一つ目は、「全学的な知的資産マネジメントの必要性」です。これは大学の経営者を育てましょう、ということです。意識的に大学の経営者を育てる必要があるのではないかと思います。これは、URAというレベルではなく、もっと大学の上層部を育成しないといけないのではないか、という問題意識です。

二つ目は、「新たな産学連携の在り方」です。今、各企業と日本の大学の産学連携1件当たりは、ものすごく小さな規模です。もっと言うと、大学の研究者対企業の研究者の、おつき合いの共同研究だと言われています。もっと深いレベルでの産学連携の仕組みを考えるべきではないかというのが二つ目のポイントです。

三つ目は「イノベーション実現のための財源の多様化」です。簡単にいうと、お金がないという大学の中で、共同研究における間接経費の取り扱いというのを真剣に考えましょうということです。今、企業の間接経費負担は1割から2割ですが、現状を突破するためにしっかりと産業界と議論して、間接経費の必要性を理解してもらわないといけません。あとは、民間企業から大学への寄付の扱い。例えば、テクノアライアンス棟、これは国費でつくられたはずです。こういうものを民間企業からの寄付でつくれたらいいですよね、そのために税制改正できないかを提言しているところです。

山下氏講演資料2

文科省の中央教育審議会大学分科会でも、今日のテーマに合致した議論を行っています。ぜひ一度、チェックしてみてください。専門的職員や事務職員、大学を支えるスタッフをどう変えていけば、大学の運営がよりうまくいくのかという問題意識が議論されています。

図表は山下氏講演スライドより抜粋




全体討論

池田(池田雅夫:副学長・大型教育研究プロジェクト支援室 統括マネージャー):進行役の大阪大学の池田雅夫と申します。よろしくお願いいたします。まずは、討論に加わってもらいました本学事務職員の花岡さんから、ひと言お願いいたします。

花岡(花岡宏亮:大阪大学研究推進部研究推進課専門職員(URA支援等事務担当)):私は国立大学法人化の6カ月前の平成15年10月採用です。国立大学法人化で、大学が公務員体質から非公務員体質に変わる、そんな国立大学という環境で何か改革が行われるのではないか、そういう改革の中で何か面白い仕事がしたいと思い、大阪大学を選びました。
私は、平成24年4月から平成26年3月末まで人事交流の一環で大学事務職員から文科省職員に転籍をして、文科省職員として業務したのですが、文科省では若手職員が大きな仕事を任されて、何でも上の人に判断を仰ぐのではなく、できることは自らで意思決定を行っていました。個々の文科省職員の意思決定力に度肝を抜かれたことを思い出します。あと、私の印象ですが、文部科学省の方が、業務が簡素化されているように思いました。
法人化した当時と現在とを比較すると、明らかに大学の風土は変わりましたが、大学をめぐる周辺環境がそれを上回るスピードで変わっていると感じます。大学事務職員はそこを意識しないといけないと思います。具体的には、様々な技術革新で、国民の視野も広がっていて、事務職員は改革しているつもりでも、物足りないと評価されるかもしれません。また、本格的なグローバル化の時代を迎え、国内だけで頑張っても評価されにくい時代にもなってきています。そういう大学をめぐる環境も見据えながら、改革のあり方を考えていかないといけないと感じています。
以上のことを踏まえて考えると、大学をマネジメントする、大学の研究者を支援する専門的な知識や経験を有する人材が必要になってきていると思います。今の事務職員では能力的に不足している部分があるかもしれません。そこを補うためにURAがいると思っているのですが、URAに頼るだけではなくて、事務職員自身の専門性を高めていくことが必要と思います。
今後、生き残れるのはどんな大学かと考えると、それは事務職員など、大学が有する人材をうまく活かせる大学が、生き残る大学ではないかと思います。法人化の時点から比較すると、事務職員の意識や活動が変わってきてはいますが、さらに変化を促進していくような仕組みが必要になっていると感じます。例えば、事務職員の中には休職して大学院で勉強される方もおられます。そのような意欲ある事務職員の活動を後押しする仕組みが必要になってくると思います。

池田:12年前の法人化のとき、私は工学研究科の教員として、法人化に向けて一生懸命、いろんな規則の改正案をつくっていました。法人化によって、いろいろなことが格段に効率的になって、大学がもっと世の中の役に立つんだと思いながら、膨大な量の作業を一生懸命こなしました。今日お二人のお話の中には、法人化したらもっとよくなるはずが、実際はそうはならなかったという気持ちが暗に示されているのではないかと思います。私もまったく同じ気持ちで、結局のところこの12年間、あまり変わっていないのではないのでしょうか。
最初の質問は小林さんに対してです。研修中、具体的にどんな業務をされましたか。

小林:実際に携わったのは、移転室でのURAの育成や確保に関する、補助事業の業務です。移転室では、阪大も含めた全国の各大学に、URAの定着にかかる補助金を出す業務を行っていました。それと、各地にいる産学官連携コーディネーターのネットワークを強化・促進するといったネットワークづくりに関する業務などを経験しました。

池田:それからもう一点、プレゼンの中でのイノベーションが起きやすいというお話について、具体的にどんな事例があるかというご質問があります。

小林:文科省では地方公共団体や大学、さまざまなバックグラウンドの方が集まっていました。知識、実績もさまざまな訳で、施策として何をするかといった議論をするとやはり、より斬新で、独創的な意見が出てきた、と考えています。

山下:多様な人材、多様な人が集まって議論するほうが、同質な人たちが集まって議論するよりもイノベーションが起きやすいという、エビデンスデータがあります。単一の、例えば、文科省プロパーだけの組織よりも、イノベーションが起きやすいのではないかと、小林さんは思ったということですね。

池田:大阪大学も、イノベーションを起こすための取り組みとして、一つは「知の統合」ということを言っています。知の統合プラットフォームをつくって、そこで、教育も研究もやっていく。それによってよりイノベーションが起きやすくなるのではないか。特に文系、理系が一緒にやっていくことで、今後の世の中の役に立つことが生み出されるのではないかと考えております。
次に、藤吉さんに対するご質問です。法人化は結局、何のための法人化だったのでしょうか。当初の意図は実現達成されたのでしょうか、というご質問です。

藤吉:法人化の意図というのは、大学への期待を実現するための仕組みをつくるということだったと思います。実際にそれが実現されているかどうかについてはわかりかねますが、外形的に考えると、これほど多くの場所で、大学への多くの期待、あるいは批判かもしれませんが、そういうものがあるということは、当時の法人化の理想または目的が、あまり達成されていないのではないかとは思います。

花岡:民間企業では業績が悪化した場合には、社員全員が一丸となって改善に取り組むわけですが、大学では事務職員の果たしている役割が多様で、かつ必ずしも短期的に結果が出ないこともあり、危機意識は生まれても、なかなか組織的な活動に結びつかないところがあります。
このため、大学には、目指すべき姿を提示することが必要だと思っていて、そこにマネジメントの重要性があると思っています。まずは、そのマネジメントを専門的にできる「人財」をきちんと育成していくことが喫緊の課題と思います。

池田:本当は法人化のときに、国立大学は大きく変われるはずだったのですけれど、やはり中途半端でしたよね。無駄を減らしてより社会の役に立つようにと期待したけれども、結局この12年間、ほとんど変わってない部分が多い。もちろん、大きく変わった部分もあるわけですが。今のような議論について批判的な考えをお持ちの方、自分はこんなふうに考えている、といったご意見があれば、フロアの方からもお願いします。法人化の当時をご存じない方もいらっしゃるので、少しわかりにくい議論かもしれませんけども。


参加者A:最近NISTEP(文部科学省科学技術・学術政策研究所)のセミナーで、大学発ベンチャーの分析がされていますが、そこでベンチャーの経営には大学側の人員が関わらないほうがいい、というような結果が出てしまいました。また企業を経験された派遣さんが大学に来ると、企業との違いに皆さん一様にびっくりします。そういう意味ではやはり、法人化はあまり大学を変えなかったのかなという印象を受けました。


参加者B:私は事務職員として昨年度に入職し、ちょうど1年たったところです。その私から見た率直な印象を申しますと、12年前の法人化にまだこだわっているのか、と感じております。変わったことが多々ある中で、それに目を向けずに過去を見るのは、何か意味があることなのでしょうか。

山下:私たちが法人化を通り過ぎて、こんなふうに変わるだろうと考えていたようには、あまり変わっていない気がします。それはわれわれが当時、本当はもっと大きな変化を想定していたからだと思っています。そのことが、今、産業競争力会議など、教育の世界ではないところから大学改革に対して要望が突きつけられ、それに大学側が動かされているという現在の状況を招いた原因ではないかという気がしています。

花岡:事務職員に関して言うと、法人化前はみんな当たり前のように、遅くまで仕事をしていました。今は17時15分になったら帰りますが、大学の労務管理を一つ取り上げてみるだけでも、大学にマネジメントが浸透してきていると感じます。
また、法人化前までの事務職員は国家公務員として与えられた仕事をこなすという考え方で仕事をしていたと思いますが、法人化後は、大学の構成員として、自分たちで大学を良くしていこうと考えられる立場になれたと思っています。法人化したとき、若手職員の勉強会がたくさん開かれましたが、その当時は秘密組織か何かのようにこそこそ話し合っていました。今ではこういったセミナーまで開けて、堂々とこういう議論ができています。やはり当時と現在では事務職員の周りの環境にも大きな変化があると思います。

池田:結局のところ、変わらなかったのは、やはり教員ですか。

相本(相本三郎:大阪大学理事・副学長(基盤研究・リスク管理担当)):先ほどからいろいろ話を聞かせていただいて、事務系の方がこれだけ真剣に、なんとかしないといけないとか、こうしたらどうだろう、という提案をされています。教員系、特に教授の方々の、意識の変化があまり見られないのではないでしょうか。
だから、この学術政策セミナーはものすごく意味があると思うんですね。こういうのを各大学が開催する、また参加する、というのが非常に重要ではないでしょうか。日本の社会において大学が果たす役割が非常に期待されていて、なんとか変われよと言われている気がします。


池田:次は、URAという職種ができたときの事務職員の方々の役割や、事務職員が教員が行っている業務を担うことになるのか、教員の反応はどうなのかとかいうご質問です。まず一つ、URAという職種ができたときの事務職員の役割は、先ほどからのお話にもあるとおりです。人によって感覚が違いますが、私は、URAが増えることはあまりないだろうと思っています。それよりも、事務職員の働き方がもっとURA的になってくるのではないかと考えています。

花岡:専門性などが原因で、事務職員だけでは教員が満足する結果を出せないような課題については、URAの力を借りて実現していくことが必要だと思います。次に事務職員は、URAがつくった新しい方法や仕組みを、事務職員がきちんと消化して業務として実践していくことが、今後必要になってくると思います。
事務職員がURAの方法などを業務に取り込めたら、URAの役割がなくなってしまうのかというと、そうではなくて、より高いレベルの課題がまた出てきているはずで、それをまたURAと事務職員が連携して切り開いていくことが求められていると思います。こうやって、URAと事務職員が共にレベルアップを繰り返していけば、大学はより良いプレゼンスが発揮できるのではないでしょうか。

池田:大阪大学の事務職員では、以前はこういう問い合わせがきましたと仕事を持ってくるだけの方がおられましたが、最近は、こう答えようと思いますけどもいいでしょうかというようところまで持ってくる方が増えています。そういう意味で、随分事務職員も変わってきたと私は思っています。
本来、教員が取り組むべき研究に時間を割いていないから、研究力が落ちているというのは事実であり、問題だと思います。特に、研究がよくできる人ほど、管理的な仕事が回ってきます。これについてのご意見はありますでしょうか。


参加者C:国立大学所属のURAです。私は昨年2月に民間の企業から大学に来ましたので、まだ大学のことは、あまりよくわからないのですが、やはり基本的な部分で引っ掛かるのが人事処遇面です。大学事務職員も、優秀な方が増えているという話ではありますけれど、優秀でどんどん頑張ってやる人は、早くプロモーションがあるし、給料も上がる、といったものがないことが疑問です。一生懸命やってもやらなくても、それほど変わらないのであれば、やる気が出ないのではないでしょうか。私が在籍していた民間企業では、それはもう、極めて激烈な処遇でしたが、大学でそういうことは難しいのでしょうか。

参加者D:大学の中でも、特に若手の職員から、本当に評価が反映されているのかという声もあります。個人的には、現段階では非常に難しいのではないかなと思います。一応、評価制度は採り入れられてはいますが、やはりまだ過渡期ではないかと思っております。

藤吉:大学はともかく、公務員の世界では今、評価に基づきプロモーションを変えています。私もしっかり皆の働きを見て、誰を昇進させるか、させないかを決めていますので、大学でもできると思います。

山下:本当に事務職員の資質を高めていくために、それぞれの職員を評価してきちんと昇進させることも、育成のためにどういうシステムをつくるかということも経営の一環です。各大学がきちんと考えないと事務職員も育たないですし、大学の経営もうまく回っていかないのではないかというのが、私の実感です。


参加者E:私立大学のURAです。評価についてひと言、発言させていただきます。私がURAになったのはつい最近の話です。それまでは独立法人の研究員で、その後大阪大学へ移りました。独立法人では、研究に対する評価の厳しさをとても強く感じていました。その独立法人から阪大に移ったときには、なんて生ぬるいんだと思いました。阪大では、教員たちは自分たち自身を厳しい眼で評価できないのだと思います。そういった教員が執行部を運営している状態ですから、事務職員に対して厳しくできるはずがない。運営している教員側が、国立大学で安泰だというような体質を見直さない限り、事務側が変わることはできないのではないでしょうか。そういう生ぬるい環境で、甘い部分を引締めていくというのは、なかなか長い道のりになるのでは、というのが私の感想です。

参加者F:私は大阪大学の事務職員です。今日のお話を伺って思ったのが、今いらっしゃるURAの皆さんはいろいろな経験、ノウハウを持った方々ばかりです。われわれ事務職員は、URAからノウハウを吸収して能力を身に着け、取って変わっていかないといけない。さらに欲を言えば、その事務能力が高まった段階で、今の執行部の皆さんから、あなたたちが幹部になってくださいといわれる存在になるように、われわれ事務職員側も下から突き上げないといけないのだと思いました。


池田:ありがとうございました。それでは、そろそろ、終わりの時間が近づいてまいりました。現在のURAの雇用は研究者をしていた人が多いことについて、そのような経歴の人でよいのかというご質問があります。
大阪大学のURAについては、研究者経験のない人もかなりの割合でいますし、そういう意味では、多様性に富んだところだと思っています。やはりお互い切磋琢磨するうえでも、さまざまなことを学ぶという意味でも、多様性が必要だと思いますから、いろいろな経歴、ノウハウ、スキルを持った方に集まっていただいています。研究者をしていた人ばかりでURAの組織ができてしまうのはよくないと思います。特に大学経験、それから企業の経験、研究者以外の経験、そういう方々がたくさん集まって、お互いに知らない世界を見て、そして、切磋琢磨し、スキルアップして。スキルアップだけではなくて、発想が大きくないといけないと思います。
それから、先ほどのURAがガバナンスにもっと関与するようにとか、いろんなアイデアを出すようにという話は、裏返して言えば、新しい人材が必要だということではないでしょうか。いままでの教員タイプ、事務職員タイプではできなかったことを、たまたまいるURAという存在に任せればいいのではないか、と思われている気がします。いままでのシステムでは、教員や事務職員から、ガバナンスに関して有能な人材が新しく出てくる可能性がないので、教員システム、事務職員システムから変える必要があるのかもしれません。それが変われば、ニーズに合致した人材が出てきて、URAに対して期待する必要がなくなってくるかもしれない。すべての職種に対して、期待をすべきなのだと思いますけれども。


参加者G:地方国立大学の所属です。4月までは事務職員で、5月からURAになりました。今日の話を聞いて思ったことは、うちの大学は教育職と事務職しかありません。2つの職種において、事務職が教育をしても構わないわけですよね。事務を主体とした教育職とか、研究もするけれど、事務もできるとか。わざわざ、教育、研究、事務だとか、第3の職種だとか、分けなくてもいいのではないかと。それを、満遍なく、全体的にこなすような存在があってもいいのではないかと、ふと思いました。

池田:私も最後の辺りは、教員でありながら事務をやっていましたから、よくわかります。

参加者H:大阪大学の職員です。前半のほうの話の、法人化されてどう変わったのかという話や、後半の事務職員も含めてもっと切磋琢磨して、という話と関係するのですが、NTTは30年前に電電公社から、ある意味で民営化されましたよね。民営化して何か変わったかというと、何も変わらないですよね。ではどうして変わったかというと、競争にさらされて変わった。もっと効率的に仕事しないとつぶれてしまうよとなり、初めて変わった。そういう側面から考えると、阪大に限らず、大学は誰と競争しているのか、というのが非常に不明確だと思います。競争していかないと、単に法人化されただけでは変わらないのではないかと思います。

参加者I:私はつい先日まで、研究者でした。教員の意識が変わっていないと仰ったことが少し気になりました。教員と一括りに見ないでほしいと思います。若手、法人化後に教員になった人たちは、厳しい競争にさらされていて、研究費を獲得するのも大変で、そういう意識がとても高いと思います。私たちの世代の研究者の中には、URA職のことも知っていて、一緒にやっていきたいと考えている方たちが、たくさんいらっしゃいます。法人化して12年、今はあまり変わっていないかもしれないですが、今の若手がもう少し上に行く頃には、ゆっくりでもいい方に向かっていくのではないかと思います。

池田:先ほど相本先生もおっしゃいましたように、年配の教員が変わっていないということですね。ということは、その人たちがいなくなれば、当然変わると思いますが、そこまで待っていられないというのが、われわれの焦りであるわけです。ですから、今後もこういった集まりを開催することで、現状の打破につながればと考えております。

2017年6月 5日(月) 更新(担当:経営企画オフィス 長島 )