二頁だけの読書会vol.6「多言語社会ルクセンブルクの国民意識と言語―いくつもの言語を操る人たちの歴史をのぞいてみませんか」(2016年8月7日開催)

本のとある見開き二頁をきっかけに、大阪大学の研究成果を参加者のみなさんと分かち合い、学び合うプログラムです。

大阪大学の研究者が参加者の方々とのコミュニケーションを通じて、研究上の発想を柔軟にしたり新たな研究アイデアを生み出すことを期待し、文部科学省「研究大学強化促進事業」の一環として実施するものです。


ゲスト:小川 敦(大阪大学大学院言語文化研究科 准教授)

ヨーロッパの小国ルクセンブルクでは、フランス語、ドイツ語そしてドイツ語の方言から1つの言語になった母語ルクセンブルク語の3つの言語が公用語とされます。ルクセンブルク語は国民意識の象徴とされ、話し言葉としては決して低い地位に置かれることはありませんでした。一方、フランス語とドイツ語も確固たる地位を持っており、この2大言語を自在に操る者こそがルクセンブルク人であるという意識も長年にわたり定着していました。さらに方言であるルクセンブルク語と標準語であるドイツ語の関係が入り込むことで、「ルクセンブルク人とは何者か」をめぐる言説は大きく揺らいできました。日本人は日本語を用いるもの、という暗黙の了解が日本では成立していますが、一度そこから一歩距離を置き、いくつもの言語を操る人たちの歴史をのぞいてみませんか。最後には、言語状況が変わりつつある移民社会ルクセンブルクの様子も紹介します。


bookprogram_vol06.jpg
二頁だけの読書会vol.6チラシ(PDF)


日時:2016年8月7日(日)14時~16時(開場13時30分)

会場:りそな銀行梅田支店 プライベートサロン Reラグゼ セミナールーム
(大阪市北区角田町8-1 梅田阪急ビルオフィスタワー24階)

参加費:無料

定員:先着順30名(要事前申込、定員になり次第受付〆切)

事前申込方法:6月30日(木)21時より、本ページから先着順で申込を受け付けます。

⇒満席となりましたので、受付を終了しました。多数のお申し込みありがとうございます。お申込みいただいた方の参加の可否については、後ほどメールでご連絡差し上げます。




主催:大阪大学経営企画オフィス URAプロジェクト
共催:大阪大学出版会、株式会社りそな銀行
協力:大阪大学クリエイティブユニット、大阪大学21世紀懐徳堂


問合せ先:大阪大学経営企画オフィス URAプロジェクト
info-ura@lserp.osaka-u.ac.jp




◎本の紹介

『多言語社会ルクセンブルクの国民意識と言語―第二次世界大戦後から1984年の言語法、そして現代―』
小川 敦、大阪大学出版会、2015


(本の概要)
<ことば>と<国民としての意識>はどのように関係するのか。

国名を冠した言語をもちながら、複数の言語を公用語する「ルクセンブルク大公国」。 公用語としてのドイツ語、フランス語に続いて、ドイツ語の方言であった土着語が書き言葉として整備されて成立した公用語「ルクセンブルク語」には、国民意識の醸成と教育・政治をめぐる激動の歴史が刻まれていた。言語イデオロギー・言語意識はどのようにして言説化、政治化され、制度面に反映されたのか、また単一言語主義と多言語主義はどのように対立・融合したのかを明らかにする。



関連図書(上記以外)

ルイ=ジャン・カルヴェ『言語政策とは何か』西山教行(訳)白水社、2000年
木戸紗織 『多言語国家ルクセンブルク―教会にみる三言語の使い分けの実例』大阪公立大学共同出版会、2016年
木村護郎クリストフ『言語にとって「人為性」とはなにか―言語構築と言語イデオロギー:ケルノウ語・ソルブ語を事例として』三元社、2005年
ジルベール・トラウシュ『ルクセンブルクの歴史―小さな国の大きな歴史―』岩崎允彦(訳)刀水書房、1999年