大阪大学 経営企画オフィス URA×IR大阪大学 経営企画オフィス URA×IR

二頁だけの読書会vol.10(大阪大学・筑波大学コラボによる特別編)
「あなた」と「私」を結ぶもの
-新たな人のつながりを生み出す〈経験の継承〉を考える

本のとある見開き二頁をきっかけに、研究成果を参加者のみなさんと分かち合い、学び合うプログラムです。

大学の研究者が参加者の方々とのコミュニケーションを通じて、研究上の発想を柔軟にしたり新たな研究アイデアを生み出すことを期待し、文部科学省「研究大学強化促進事業」の一環として実施するものです。また、筑波大学の「人文社会系研究発信月間」行事にも位置づけられています。

ゲスト:木村 周平(筑波大学人文社会系 助教)

      林 葉子(大阪大学大学院文学研究科 招へい研究員)

ゲストは、トルコのコジャエリ地震について研究する文化人類学者の木村周平さんと、近代日本の公娼制度と廃娼運動について研究するジェンダー史学者の林葉子さんのお二人です。現代のトルコにおける地震の被災者と、近代日本の公娼制度下の娼妓が、それぞれに経験した苦しみはまったく異質なものですが、その「あなた」の受難に「私」はどのように向き合えば良いのかという問いは、共通しています。人は、苦しむ他者と、どのようにつながることができるのか--現代日本を生きる私たちの問いとして、〈経験の継承〉が一つのキーワードであるお二人の本それぞれの二頁を手がかりに、参加者の皆さんと一緒に考えます。


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二頁だけの読書会vol.10チラシ(PDF)


日時:2017年12月8日(金)14時45分〜16時45分(開場14時30分)

会場:筑波大学東京キャンパス文京校舎 119講義室
(東京都文京区大塚3-29-1)

参加費:無料

定員:先着順30名(要事前申込、定員になり次第受付〆切)

事前申込方法:11月8日(水)21時より、本ページから先着順で申込を受け付けます。


主催:大阪大学経営企画オフィス URA部門、筑波大学人文社会国際比較研究機構(ICR) 、筑波大学URA研究戦略推進室
共催:大阪大学出版会、株式会社りそな銀行
協力:大阪大学クリエイティブユニット


問合せ先:大阪大学経営企画オフィス URA部門
info-ura@lserp.osaka-u.ac.jp




◎本の紹介

『新しい人間、新しい社会--復興の物語を再創造する』
清水 展・木村周平 編著、京都大学学術出版会、2015年

(本の概要)
「世界各地の現場を知り、災害に強い社会への「復興」を探る」と銘打たれた「災害対応の地域研究」シリーズの一冊。国内外での現地調査を通し、災害から長い時間を経た後に何が起きているのかを明らかにし、そこから日本での災害復興をどう捉え直せるのかを考察する。

関連図書
橋本裕之、林勲男(編)『災害文化の継承と創造』臨川書店、2016年
トム・ギルら(編)『東日本大震災の人類学―津波、原発事故と被災者たちの「その後」』人文書院、2013年
清水展『噴火のこだま―ピナトゥボ・アエタの被災と新生をめぐる文化・開発・NGO』九州大学出版会、2003年

『性を管理する帝国-公娼制度下の「衛生」問題と廃娼運動』
林 葉子(著)大阪大学出版会 、2017年

(本の概要)
日本における公娼制度とその存廃をめぐる議論の歴史を、徹底的な史料の裏付けのもとに再検討、世界史的な視野から捉え直す。近代公娼制度が帝国の軍隊を維持するための性病対策であったことを重視し、それに関する「衛生」論が、家族観の時代的変遷と共に、階層を問わず当時の人々に広く浸透していった経緯を明らかにした。

関連図書
福田眞人・鈴木則子編『日本梅毒史の研究-医療・社会・国家』思文閣出版、2005年
小野沢あかね『近代日本社会と公娼制度-民衆史と国際関係史の視点から』吉川弘文館、2010年
森光子『吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日』朝日文庫、2010年
2018年5月10日(木) 更新
ページ担当者:URA川人