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二頁だけの読書会vol.1「グローバルヒストリーと帝国」を開催しました。(2013年12月7日)

12月7日(土)、大阪大学の文系分野の研究成果を市民のみなさまと分かち合うための新しいアウトリーチ活動シリーズの「二頁だけの読書会」第1回を開催しました。「アカデミックな本を1人で一冊読むのは大変そうなイメージがあるけれども、とある見開き二頁だけを取り出して、著者や他の参加者と一緒に読んでみたらどうなるだろう。」そんな発想から始まった読書会風の対話プログラムです。

今回のゲストは、ベトナム中・近世史を中心とする東南アジア・海域アジア史が専門の桃木至朗教授(文学研究科)。近編著『グローバルヒストリーと帝国』のとある2ページ(下方の右写真。ちなみに、裏返すとブックカバーになります)を題材に、グローバルヒストリーという歴史研究のアプローチについて話題提供してくだいました。参加者は20代~70代の32名の方々で、桃木教授の話題に対してたくさんご意見・ご質問が出されましたが、90分間という時間設定が短すぎて、フリーディスカッションの時間が取れなかったのが運営側の反省点でした。


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【参加者の声の一部を紹介します】
・歴史学の研究とは今まで無縁で、難しいものと思っていましたが、お話を聞いて堅苦しさが少し取り払われたように思います。また、お話を聞かせていただきたいです。(60代女性)
・「読書会」のイメージとは大分異なりましたが、ラディカルで大きな歴史の構想を間近でうかがえたのは、貴重な経験でした。(20代男性)
・歴史を見る視点が変わった。(40代女性)



実施概要

vol.1「グローバルヒストリーと帝国」

ゲスト:桃木至朗(大阪大学大学院文学研究科・教授)


「国別の歴史のバラバラな羅列」「あちこち話が飛ぶのでついていけないし、聞いたことのないカタカナや漢字の人名がさっぱり覚えられない」。高校生の多くが嫌いになるこの「世界史」をどう理解したらいいのか。高校・大学から生涯教育まで、世界史教育改善の先頭に立ち教育界でも注目を浴びている「阪大史学の挑戦」が土台にしている、「グローバルヒストリー」とはどんな考え方で、なにがわかるのでしょうか。歴史好きが関心をもつ諸帝国の興亡は、そのなかでどうとらえられるのでしょうか。本書を手がかりに探ってみませんか?
bookprogram_A4_omote_131111_out.jpg 二頁だけの読書会vol.1チラシ(PDF)


日時:2013年12月7日(土)10時30分~12時(開場10時)

会場:りそな銀行梅田支店 りそなプライベートサロンReラグゼ セミナールーム
(大阪市北区角田町8-1 梅田阪急ビルオフィスタワー24階)

参加費:無料

定員:先着順30名(要事前申込、定員になり次第受付〆切)




主催:大阪大学 大型教育研究プロジェクト支援室

共催:大阪大学出版会、株式会社りそな銀行

協力:大阪大学クリエイティブユニット、大阪大学21世紀懐徳堂


問合せ先:大阪大学 大型教育研究プロジェクト支援室

info-ura@lserp.osaka-u.ac.jp


本の紹介

『グローバルヒストリーと帝国』大阪大学出版会


編者: 秋田 茂(大阪大学大学院文学研究科・教授)、桃木至朗(大阪大学大学院文学研究科・教授)、2013

(本の概要) グローバルヒストリーとは国境と地域を越えて地球的規模で展開する人類史の課題の考察であり、本書では広域支配を目指す「帝国」に焦点が絞られる。しかも、西欧中心史観を相対化するため、アメリカや西欧の帝国にとどまらず、モンゴル帝国や日本帝国も重要な柱になっている。好評を博した前著『歴史学のフロンティア』の続編。

関連図書(上記以外)


秋田 茂『イギリス帝国の歴史』中公新書、2012
秋田 茂、 桃木至朗(編著)『歴史学のフロンティア――地域から問い直す国民国家史観』大阪大学出版会、2008
川北 稔ほか(改訂版2013) 『新詳世界史B』帝国書院(高校教科書)、2008
羽田 正 『新しい世界史へ』岩波新書、2011.
羽田 正(編)『東アジア海域に漕ぎだす1 海から見た歴史』東京大学出版会、2013
水島 司『グローバル・ヒストリー入門』山川出版社(世界史リブレット127)、2010
懐徳堂記念会(編)『世界史を書き直す 日本史を書き直す 阪大史学の挑戦』和泉書院、2008
與那覇 潤『中国化する日本』文藝春秋、2011
ほか

2017年3月26日(日) 更新
ページ担当者:川人