大阪大学 経営企画オフィス URA×IR大阪大学 経営企画オフィス URA×IR

大阪大学経営企画オフィスに新しいメンバー(谷 真紀リサーチ・マネージャー)が着任しました!

大阪大学URAメールマガジンvo.68掲載記事)

(たに) 真紀(まき)/リサーチ・マネージャー、特任准教授

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群馬大学 医学系研究科 生理学専攻 博士課程修了 博士(医学)

日本学術振興会特別研究員、米国イリノイ大学シカゴ校、東京大学医学系研究科にて、脳における神経活動の伝達のしくみについて分子・細胞レベルでの研究を行った。2005年に北海道大学へ移り、蛍光1分子観察法を用いた神経回路形成の研究を始めると同時に、女性研究者支援室にて支援活動にも携わった。2011年より米国マサチューセッツ州ウッズホール海洋生物学研究所(MBL)にて、偏光を使って神経活動を非侵襲ノンラベルで可視化する研究を行った。2019年7月に帰国し、9月から関西大学URA。2020年6月より現職。

【ひとことメッセージ】

6月から新たに経営企画オフィスURA部門に着任しました。
大阪大学先導的学際機構の重点三領域の一つである生命医科学融合フロンティア研究部門の研究推進・支援業務などを担います。

私は2019年6月末までの9年間、米国マサチューセッツ州のウッズホール海洋生物学研究所(Marine Biological Laboratory: MBL)で神経科学の研究をしてきました。研究室のラボの窓からはVineyard soundの真っ青な海が広がり、澄んだ空との境には水平線が見えます。MBLはこれまで58名のノーベル賞を生み出してきた研究所で、2008年にノーベル化学賞を取られた故・下村脩先生もその一人です。アカデミックでオープンな雰囲気の研究所ですので、多くの共同研究が生まれる場としても知られています。細胞生物学・神経科学・発生学といった様々なバックグラウンドの研究者が世界中から集結するのがMBLの夏の伝統です。超解像・3D・偏光といった最先端ライブイメージング技術の開発者、ユニークなbiological questionsを持つ研究者、独特の研究モデルを確立している研究者などがウッズホールという小さな町で3か月を過ごしていると、お互い一緒に実験をする多くのチャンスがあります。昼間はレクチャーと研究、そして夕方にはMBLのコッテージで野外パーティーが行われます。ここでも研究の話で盛り上がりますが、多くは家族で参加するので子供同士も盛り上がります。

夏が終わる頃には粗削りですが新たなプロジェクトが始まり、数年間の共同研究が続くことが多いようです。このような個人の自由な発想とオープンな雰囲気が、イノベーティブな研究につながる現象を日々目の当たりしてきた経験から、日本の大学でも求められている異分野融合プロジェクト創出のヒントが得られればと考えています。
私自身MBLでは偏光顕微鏡を使った脳活動の非侵襲的計測法の開発を進めてきました。この研究は生物物理、光学やプログラミングの専門家などとの共同研究により実現したものですので、異分野の研究者同士の「協奏」の面白さと重要性を身に染みて感じました。

こうした経験を活かし、大阪大学でも研究者の個性と自由な発想を生かした「協奏/共創」を推進していけるよう貢献したいと思っています。どうぞよろしくおねがいします。

2021年8月24日(火) 更新
ページ担当者:川人