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URA MAIL MAGAZINE

URA MAIL MAGAZINE vol.12

「科研費の季節ですね」特集

2014年9月 発行

今月は、最近の科研費の動向や大阪大学の科研費申請支援制度(日/英)、また、"科研費本"などを紹介する、科研費申請シーズンにちなんだ特集号です。

■INDEX
  1. 最近の科研費の動向について
  2. ご存知ですか?大阪大学の科研費申請支援制度いろいろ

    (Supports for KAKENHI application are available in English!)
  3. URA文庫だより<科研費編>
  4. 高尾正敏URAによるエッセイ

    「シュンペーターの創造的破壊と組織改革 ―自発的対称性の破れと物理帝国主義―」
  5. URA関係イベント情報

    ●大阪大学学術研究機構会議「研究ときめき*カフェ」

    ●研究・技術計画学会 第29回年次学術大会

    ●SRA International Annual Meeting 2014
  6. 大阪大学ホットトピック

    ●大阪大学、スーパーグローバル大学に採択~「世界適塾」構想を実現し、2031年に世界トップ10へ~

    ●安藤陽一教授(産業科学研究所)、石井健特任教授(免疫学フロンティア研究センター)が大阪科学賞を受賞

    ●濱田博司特別教授(生命機能研究科)が慶應医学賞に選ばれました

    ●国際共同研究促進プログラム(短期人件費支援(平成26年度))の募集開始

    ●阪大発「共同研究講座制度」など2件が産学官連携功労者表彰(内閣府)を受賞

    ●海外への研究者派遣プログラム/海外からの研究者受入れプログラムを選定

    ●学術研究懇談会(RU11)「グローバル化時代における我が国の責務としての研究基盤の抜本的強化にむけて(提言)」

    ●最新の研究の成果リリース
  7. 次号のお知らせ

【1】 最近の科研費の動向について

科学研究費助成事業(以下科研費)は、我が国の競争的資金の5割強を占めていて、研究者に最も信頼されている公的研究費だといわれています。このような科研費を含む研究費全体のあり方については、これまでにも議論が重ねられていて、例えば、「学術研究の推進方策に関する総合的な審議について-中間報告-」(平成26年5月)では、基盤的経費と競争的資金による『デュアルサポートシステム』の再構築の必要性が指摘されています。また科研費については、「科学技術イノベーション総合戦略2014」(平成26年6月)で、分野融合的研究や新しい学術領域創成の推進のために、審査分野の大括り化と審査体制の改革を目指すとされています。

さまざまな議論を受けて、近年では、科研費の仕組みに新しい動きが見られるようになっています。平成27年度の科研費の公募が9月1日から始まりましたが、本稿では新しい動きの一例として「特設分野研究」を採りあげ、また、今後の改善の方向性を概観しながら、最近の科研費の動向を紹介します。

基盤研究(B・C)(特設分野研究)について

「特設分野研究」は、審査希望分野の分類表である「系・分野・分科・細目表」とは別に平成26年度公募より新たに設けられた審査区分で、最新の学術動向等を踏まえて、新しい学術の芽を出そうとする試みを中心に、日本学術振興会の学術システム研究センターが候補分野を提案し、文部科学省の科学技術・学術審議会学術分科会科学研究費補助金審査部会において設定されるものです。

平成26年度の公募から設定された3分野である「ネオ・ジェロントロジー」、「連携探索型数理科学」、「食料循環研究」に加え、平成27年度からは新たに「紛争研究」、「遷移状態制御」、「構成的システム生物学」が設定されました。

この特設分野研究については、他の基盤研究等とは異なり、書面審査と合議審査の二段の審査を、同一の審査委員が実施する方式で審査が行われています。

書面審査と合議審査を同一の審査委員が実施しますので、基本的には小委員会の審査委員はその分野に応募のあった研究計画調書全てを読むことになります。6つの分野からもお分かりのとおり、設定された分野は融合分野となっていますので、合議審査の際は、異なる分野の審査委員が意見を交換し、採択課題を決定します。そのため、異なる分野の審査委員にも理解されるような研究計画調書を作成する必要があります。

また、公募要領にもあるとおり、「特設分野研究」においては、重複制限が緩和され、特別推進研究等の大型種目以外とは重複応募・受給の制限をかけられていません。ただし、「系・分野・分科・細目表」から適切な細目を選定することができる研究課題は、「特設分野研究」への応募は避けることとなっていますので、「特設分野研究」の趣旨にのっとった研究計画調書の作成が必要です。

その他の留意点としては、基盤研究(B)、(C)が区分されずに審査されること、応募件数が多数の場合は、あらかじめ概要版等による審査が行われることなどが挙げられます。

審査制度の改善

第7期 科学技術・学術審議会 学術分科会 研究費部会の審議のまとめ(中間報告)には、「専門分野が異なる審査委員同士が時間をかけて議論する機会を確保し、創造的な研究が評価されるような審査の仕組みが必要」、「日本学術振興会学術システム研究センターは、(中略)、分科細目表の見直しにとどまらず、多様な学術研究とともに、新しい学術領域の確立を推進するために学問の特性に応じた審査方式の見直しを行い、特に、書面審査と合議審査との関係を含め、学術の振興という観点から適切な審査方法の在り方とともに、学術の多様性を確保するための適切な審査区分の設定について検討すること」とあります。

上述したような「特設分野研究」の審査方法は試行的な取組ですが、審議のまとめでは、「その成果(異なる分野を専門とする審査委員が互いの視点を共有しながらより丁寧な審査を行うことによって、新たな学術分野の芽を見いだしているなど)と克服すべき問題点(審査委員の負担の軽減、審査委員の育成と確保、キーワードデータベース等による申請書内容と審査員の専門性のマッチング手法の検討など)も明らかになっている。」とあります。

この「特設分野研究」での試みが、更なる審査方法の改善に活かされるよう現在、日本学術振興会学術システム研究センターで検討を行っているところなのではないでしょうか。

使いやすさの改善

科研費は平成23年度の新規採択分から一部の種目で基金化が行われ、平成24年度にも新たに基金化された種目が追加されました。基金化した科研費では、年度にとらわれずに研究費を使うことができ、複数年の研究期間全体を通じて研究費が確保されているため、研究費の柔軟な使用が可能になっています。すなわち、会計年度の制約なしに研究の進展に合わせた研究費の使用ができる、年度末の予算消化的な使用の必要がなくなり有効に研究費を活用できる、繰り越しの手続などの事務負担が少なくなる、など研究活動がより活性化することが期待できます。

今後については、前述の「丁寧な審査」の導入等により必要になるアワードイヤー*の実現や国際的な共同研究で日本の会計年度の制約が障害になるのを回避するために、基金化のさらなる拡大を図ることが検討されています。

*会計年度や暦年ではなく、補助金支給開始時からの1年間


審査方法の改善や使いやすさの改善に向けた議論はまだ始まったばかりのように見受けられますが、多様で水準の高い学術研究と、創造的な研究の双方の促進が図られ、さらに、より公平、公正な審査システム、より使いやすい研究費システムの構築に向けて科研費の仕組みが改善されるよう議論を見守っていきたいと思います。


(菊田 隆/大阪大学 大型教育研究プロジェクト支援室URAチーム)

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【2】ご存知ですか?大阪大学の科研費申請支援制度いろいろ
(Supports for KAKENHI application are available in English!)

去る9月1日に、平成27年度の科研費の公募が始まりました。周囲が慌ただしくなっている方も多いのではないでしょうか。

以下は、大阪大学の科研費申請に関する支援制度です(全て学内向け)。ぜひ一度詳しい情報をご確認ください。

(川人よし恵/大阪大学 大型教育研究プロジェクト支援室URAチーム、菅野智広/同 研究推進部研究推進課 学術研究推進係長)

No. 名称 主な対象(全て学内向け) 時期(2016年) 概要
科研費説明会(日本語) 科研費申請を予定している研究者、科研費担当職員 毎年7月 科研費制度の概要、研究計画の書き方のポイント、科研費不正使用防止等についての説明

【参考】平成26年度科研費説明会資料(学内専用)
科研費説明会(外国人研究者向け)

KAKENHI Seminar for International Researchers
外国人研究者およびその支援者

International Researchers
毎年7~9月頃 Around July~September、今年は9月24日(水) 外国人研究者向けの科研費制度の概要説明およびアドバイス

This seminar provides outline of the KAKENHI and suitable advice for applicants.

【Ref.】Materials and Movies of FY2014's (Login to My Handai is required)


20140924_KAKENHIseminar.JPG

KAKENHI Seminar 24 Sep. 2014
Useful Information on the Grants-in-Aid -KAKENHI- FY2015 外国人研究者およびその支援者

International Researchers
毎年9月ごろ公開

Early September
外国人研究者およびその支援者向け、科研費英語申請のためのコンテンツ。どこよりもはやい公募要領英語版(阪大バージョン。JSPSバージョン公開後はそちらにリンク)等。

This website provides a lot of useful information on the KAKENHI for international researchers.

【Ref.】Useful Information on the Grants-in-Aid -KAKENHI- FY2015 (Login to My Handai is required)
科研費相談員制度(日・英)

Advisory System(Jp/En)
本学から科研費申請を予定している研究者

Applicants for KAKENHI
9月30日(火)アドバイス希望者研究計画調書提出期限、相談員による研究計画調書に対するピアレビュー(約2週間) 科研費審査員等の経験がある本学の教授および名誉教授が、日本学術振興会が定めた審査基準に基づき、研究計画調書にアドバイスを行う。

The applicants, such as young and core researchers, are able to consult with professors who are familiar with KAKENHI and the applicants' research field(s).

【参考】日本語ページ(マイハンダイへのログインが必要)

【Ref.】English page(Login to My Handai is required)
チャレンジ支援プログラム制度 基盤研究(C)または若手研究(B)の交付を今年度最終年度として受けている研究代表者 申込締切:11月28日(金)、結果通知:平成27年4~5月(予定) <応募条件>

・上位種目である基盤研究(B)または若手研究(A)とともに、挑戦的萌芽研究へも研究代表者として応募すること

・④を併せて利用すること



2つの応募がともに不採択となった場合、平成28年度科研費への応募準備のための研究費を平成27年度において支給する。金額は予算により決定。

【参考】チャレンジ支援プログラム(マイハンダイへのログインが必要)
模擬ヒアリング・模擬面接 基盤研究(S)、特別推進研究、新学術領域研究のヒアリング審査対象者 ヒアリングの時期に応じて個別調整 大阪大学における競争的資金獲得増加のため、大型プロジェクトのヒアリング審査等に対応した模擬ヒアリング・模擬面接を実施し、採択率向上を図るもの。大型科研費の他、日本学術振興会特別研究員等のヒアリング・面接審査も対象。

【参考】大型教育研究プロジェクト支援室ウェブページ
ヒアリング旅費支援 年間2千万円程度以上の採択額の規模の研究プロジェクトの代表者(その他にも条件あり) 同上 大阪大学における大型の外部資金プロジェクト獲得の増加を図るため、ヒアリング出張旅費について支援を行い、積極的に大型プロジェクトに申請できる環境を整備するもの

【参考】大型教育研究プロジェクト支援室ウェブページ
【問い合わせ先 Contact】

①〜⑤:大阪大学 研究推進部 研究推進課 学術研究推進係
    Research Promotion Division, Department of Research Promotion(Japanese)
内線:(吹田171)3144
E-mail:kensui-kensui-gakuzyutu@office.osaka-u.ac.jp

⑥、⑦:大阪大学 大型教育研究プロジェクト支援事務室統括チーム
    Support Office for Large-Scale Education and Research Projects(English)
内線:(吹田171)4825
E-mail:toukatujimu-rep@ml.office.osaka-u.ac.jp

※上記以外、各部局独自の支援制度を設けている場合があります。詳しくは各部局の担当部署にご確認ください。

【参考】科研費申請に関するスケジュール

9月 1日(月)平成27年度科研費公募開始
9月30日 (火)アドバイス希望者研究計画調書提出期限、相談員による研究計画調書に対するピアレビュー(約2週間)
10月24日(金)平成27年度科研費応募書類学内提出期限
11月10日(月)16時30分 平成27年度科研費応募書類日本学術振興会提出期限

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【3】URA文庫だより<科研費編>

大型教育研究プロジェクト支援室URAチームの業務を、知恵袋として支えてくれている書籍たちの中から、科研費申請に関連する4冊を紹介します。初めの2冊は、それぞれ異なる専門分野を持つ著者によるいわゆる"科研費申請ノウハウ本"、3冊目は科研費デビューに向けての入門書、最後の1冊は研究支援業務担当者向けの本です。読み比べてみると、それぞれの特徴が見えてきました。

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『科研費獲得の方法とコツ 改訂第3版』,児島将康,羊土社,2013.(定価3,800円+税)」

●著者:児島将康(久留米大学分子生命科学研究所遺伝情報研究部門教授(出版時))
研究テーマは、未知の生理活性ペプチドの探索と機能解明。そして、グレリンを中心とした摂食・代謝調節の研究。(本書より抜粋)

●概要:
 科研費の概略、応募の戦略、申請書の書き方等、科研費申請に向けた基本的な内容が述べられています。
 申請To Do&Checkリストや、基盤B(2007年度)、挑戦的萌芽(2011年度)の実際の申請書と、申請書作成時の注意点・書き方の参考例が掲載されており、科研費制度や申請書の書き方、注意すべき点を確認する際に、利用できる書籍となっています。随所に配置されたコラムは、自らの経験に基づくものだけでなく、身近な若手研究者と思われる複数の人たちの科研費に関連する率直な感想も書かれているため、共感しやすいのではないでしょうか。自身の科研費の採択率もオープンにしつつ、同じ現役研究者として読者にエールを送る姿勢が感じられる本です。
 羊土社から出版されているせいか、生命科学関係者には馴染みのあるビジュアル。また、申請書例も著者自身が専門とする生命科学のものが取り上げられていますが、内容的には、文系を含め分野問わず参考になります。


『採択される科研費申請ノウハウ 審査から見た申請書のポイント』,岡田益男,株式会社アグネ技術センター,2014.(定価3,800円+税)

●著者:岡田 益男(東北大学名誉教授・客員教授、現八戸工業高等学校専門学校長)
1971年東北大学工学部卒、1978年カリフォルニア大学大学院博士課程修了。1993年東北大学教授、2011年から現職。研究代表者として文科省科研費特定領域研究(A)、NEDO等の研究費獲得経験あり。専門分野は材料工学、機能性材料、水素新機能。(本書より抜粋)

●概要:
 本書は、若手・シニア研究者問わず手に取りやすいビジュアルで、幅広い立場の研究者を対象としています。著者は材料工学の専門家なので記載例等の内容も当該分野が中心ですが、他分野の研究者にとっても抵抗なく読める印象を受けました。そして、科研費だけではなく日本学術振興会特別研究員への申請にも対応する内容が盛り込まれているのが大きな特徴です。
 本書により、"具体的な"申請書作成のノウハウを得ることができると考えられます。例えば、研究課題名については具体例も挙げつつ6ページに渡る記載があり、検討が十分になされない傾向にある「研究テーマの設定」や「研究体制の検討」等についても言及されています。また、「うちわ話」(コラム的なもの)がところどころに挿まれており、一息つきながら読みやすくなっています。


『ビジュアル図解「科研費のしくみと獲得法がわかる」』,佐藤成美,誠文堂新光社,2013.(定価2,800円+税)

●著者:佐藤成美(農学博士/サイエンスライター)
企業経験後、博士号を取得。研究員や教員を経て、現在はサイエンスライターとして、専門誌、科学系ウェブサイト等に記事を執筆。農学博士。(本書より抜粋)

●概要:
 全体的にピンク色でかわいい印象の科研費本です。若手研究者や大学院生が、科研費の概要に関する知識を得られるだけでなく、自身の研究生活を考えるきっかけになるような構成で、いわゆる科研費申請マニュアルとはひと味違ったコンセプトがうかがえます。
 助教、企業に勤める研究室の先輩、教授の3人の登場人物がいて、助教の由香さんの質問に教授や先輩が答えていく形式で簡単に読み進めていくことができます。理系出身者には助教の由香さんの発想が理解しやすいのではないでしょうか。
 また、URAとしては、URAの作成した書籍からの引用やURAの声の紹介等を通じて、研究支援やURAについて取り上げられていた点にも注目しました。このような書籍にURAや研究支援の業務が登場し、URAの存在がさらに認知されるようになるとうれしいです。


『科研費の申請・獲得マニュアル―研究計画書の点検と進化の実際~"基金化"/審査のポイント/チェックリストと改善例/Q&A~』,小山内 優・小澤 芳明共著, 高等教育情報センター編, 地域科学研究会,2011.(定価5,905円+税)

●著者:
小山内 優(日本学術振興会(出版時)):
 文部省入省後、同省教育助成局地方課、大分県教育委員会生涯学習課長、文部省大臣官房総務課専門員、外務省在仏大使館一等書記官、文部省学術国際局国際企画課教育文化交流室長、公立大学法人国際教養大学副学長兼事務局長等を歴任。
小澤 芳明(明治大学研究推進部 生田研究知財事務室 事務長):
 明治大学工学研究科 博士前期課程修了後、富士電機総合研究所、米国サウスカロライナ大学人文社会科学部等を経て、明治大学入職。
(本書より抜粋)

●概要:
 研究支援業務担当者を対象にしている点が、上記3冊との最大の違いです。「はじめに」にある通り、「本来、実績豊かな研究者が先輩・コンサル役として助言や指導が可能だと思われるが、各大学のケースをみても、研究者からのサポートはうまく機能できていない。そこで、明治大学のように、事務スタッフによる研究支援業務の出番が急務となっている」という意識に基づき、地域科学研究会高等教育情報センターのセミナー資料を基に作られた本です。
 小山内氏担当の前半で主に科研費の制度面を解説し、後半は小澤氏が明治大学における科研費獲得支援の具体的なノウハウをみっちり紹介しています。
 明治大学の事例は、支援のプロセスで用いるツールや教員・研究者とのコミュニケーション方法なども含め、しっかりしたロジックに基づいて確立された様々な支援手法が、一連のサイクルとして機能している印象を受けました。科研費申請支援を担う多くの方にとって参考になる部分があるのではないでしょうか。

(川屋京美*/大阪大学 大型教育研究プロジェクト支援室URAチーム)

*ユニット名です。メンバー4人は誰でしょう?

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【4】高尾正敏URAによるエッセイ
「シュンペーターの創造的破壊と組織改革 ― 自発的対称性の破れと物理帝国主義 ―」

経済学者シュンペーターの創造的破壊と物理学の自発的対称性の破れの関連を通じて、法人経営における最適化について議論した。創造的破壊はイノベーションの原点であり、イノベーションを起こすためには、マネージメント上の新結合が必要である。具体的には、組織の創業から成長・拡大期を経て、成熟そして停滞期への変化が、自発的対称性の破れに従う対称性の逐次低下と見なすと、停滞期から再成長へ方向転換するためには、自発的対称性の破れによる対称性を低下する以前の高さへ戻すことが重要であることを示した。この観点は企業のみならず大学においても同様である。むしろ経済原則・資本の論理が働きにくい大学での意図的な対称性の回復作業が必要である。

(高尾正敏/大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室 URAチーム)

本文はPDF形式でお読みいただけます。
OU-URA-mailmag-201409-essay.pdf

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【5】URA関係イベント情報

●大阪大学学術研究機構会議「研究ときめき*カフェ」

https://www.ura.osaka-u.ac.jp/kangaeru/
2014年10月10日(金)~12月5日(金)、全5回、うめきた・グランフロント大阪 ナレッジサロン(北館7階)
無料、要事前申込


●研究・技術計画学会 第29回年次学術大会

http://jssprm.jp/wp/?p=839
2014年10月18日(土)・19日(日)、立命館大学びわこ・くさつキャンパス
9月中旬に大会プログラムが確定した後、参加申込方法について公開


●SRA International Annual Meeting 2014

http://2014.srainternational.org/
22014年10月18日(土)-22日(水)、San Diego, CA, USA
要事前申込

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【6】大阪大学ホットトピック

大阪大学、スーパーグローバル大学に採択~「世界適塾」構想を実現し、2031年に世界トップ10へ~

安藤陽一教授(産業科学研究所)、石井健特任教授(免疫学フロンティア研究センター)が大阪科学賞を受賞

濱田博司特別教授(生命機能研究科)が慶應医学賞に選ばれました

国際共同研究促進プログラム(短期人件費支援(平成26年度))の募集開始

阪大発「共同研究講座制度」など2件が産学官連携功労者表彰(内閣府)を受賞

海外への研究者派遣プログラム/海外からの研究者受入れプログラムを選定

学術研究懇談会(RU11)「グローバル化時代における我が国の責務としての研究基盤の抜本的強化にむけて(提言)」


●最新の研究の成果リリース

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【7】次号のお知らせ(予告なく変更する可能性があります)

大阪大学URAメールマガジンは来月10月で創刊1周年を迎えます!

という訳で、来月号は一味違う趣向を凝らしたものになるとかならないとか...


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2018年3月24日(土) 更新
ページ担当者:川人