URA MAIL MAGAZINE vol.5
「ほぼオールアバウト阪大URAチーム」特集
大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室URAチームをみなさまにもっと知っていただくため、今回は思い切り自己PRさせてください。5人の新メンバー紹介もあります。
■INDEX
- 顧客ニーズ別・大阪大学URAチームの活用法
~大型プロジェクト対応だけでなく、多岐にわたるニーズにお応えしています。- 未来を考える材料としての研究力分析
- シンポジウムから始める国際共同研究立ち上げ支援
~First Osaka University-EPFL International Symposiumを例に- アウトリーチ活動の支援サービスについて
- URAチームに新しい仲間が増えました!
~多彩な専門分野と業務経験。国際性も豊かな5人の新URA- エッセイ「大学に於ける研究活動と大学院教育」 ついに完結!(統合版)
- URA関係イベント情報
●第3回地域貢献・産学官連携強化URA研究会、 第2回URA人材育成セミナー
●スキル標準の作成/研修・教育プログラムの作成合同シンポジウム
●東京大学のシンポジウム「研究推進におけるURAの意義と多様性―文系機関での可能性を探る」- 大阪大学ホットトピック
●大阪大学学生が第4回日本学術振興会育志賞を受賞
●(東京にて!)大阪大学未来戦略機構シンポジウム「Opt Osaka 2014 in Tokyo-大阪大学の光科学100-」を開催いたします
●(新旧総長競演!)シンポジウム『福島の「今」、そして「未来」へつなぐ』開催
●(東京にて!)大阪大学未来戦略機構シンポジウム「アカデミア基盤研究から未来創薬へ」開催
●最新の研究の成果リリース- 次号のお知らせ
【1】顧客ニーズ別・大阪大学URAチームの活用法
~大型プロジェクトのためだけでなく、多岐にわたるニーズにお応えしています。
大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室にURA(大学におけるリサーチ・アドミニストレーター)チームが発足したのは、約1年半前の2012年7月。以来、多様な媒体やイベント、個別の面談等々を通じて、できるだけ学内外の多くの方々に私たちを知っていただけるよう努めてきたつもりですが、まだまだ「阪大URAチームって?何やってるの??」という声も聞かれます。至らない点お詫びしますが、何分、実務と並行して大阪大学におけるURAの役割を整理している側面もありまして...。
そこで、今回は、大まかにではありますが、これまでの活動実績をもとに、学内外のみなさまとの接点(=顧客ニーズ)という切り口から、私たちの業務を改めてご紹介します。
ちなみに現在、当URAチームのメンバーは現在14名(顔ぶれはこちら)。各URAが全学的に動きながら、個別業務を行うと同時に、本部および各部局のURA業務関連部署をつなぎ、大阪大学におけるネットワーク型URAシステムの構築も図っているところです。
URAチームへのご質問・ご意見・ご要望などはinfo-ura★lserp.osaka-u.ac.jp(★を@に)までお願いします。どなたでもお気軽にご連絡ください。情報提供は随時行っています。
(川人よし恵/大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室 URAチーム)
※以下、見出し行の末尾【 】内は、該当する一般的なURA業務の分類を指します。赤字業務については本メルマガの別記事で詳しく紹介しています。
現況を把握して今後の方策を考えたい!【リサーチ・ディベロップメント】
●主な対象
・大学または部局の執行部
●主な業務例
・国内外の科学技術政策動向調査:文部科学省、経済産業省、欧州連合等
・研究力分析:外部資金の獲得状況、論文の発表・被引用状況
・世界大学ランキング対応:提出データの整理
研究力分析
研究プロジェクトを立ち上げたい!研究費を獲得したい!【プレアワード支援】
●主な対象
・研究者
●主な業務例
・競争的資金応募に当たっての助言、模擬ヒアリング:科研費、CREST、さきがけ、学振特別研究員、大学等シーズ・ニーズ創出強化支援事業*、博士課程教育リーディング大学院プログラム*など
・学内公募の支援:国際合同会議(シンポジウム)助成事業
*については、プロジェクト運営支援【ポストアワード支援】も一部行っている。
模擬ヒアリング
研究成果を発信したい!【ポストアワード支援】
●主な対象
・研究者
●主な業務例
・英語論文校正支援:校正業者情報のとりまとめ
・アウトリーチ活動支援:対話プログラムの企画運営支援(サイエンスカフェ、二頁だけの読書会等)、ウェブサイトや印刷物に関しての支援 など
サイエンスカフェ
研究活動を国際的に展開したい!
●主な対象
・研究者
・外国人研究者の支援者
●主な業務例
・国際共同研究立ち上げ支援:国際合同シンポジウムの企画・運営支援
・外国人研究者向けの情報提供:科研費申請マニュアル英語化、外国人向けセミナー資料作成
科研費申請マニュアル英語化(2013夏)
新たな知識を得たい・スキルアップしたい!(FD・SD研修など)
●主な対象
・大学または部局の執行部
・研究支援部署スタッフ
・その他、教職員全般
●これまでに収集し、セミナーや研修、OJT等の形で提供を行っている主な情報
・科学技術政策動向に関するもの
・特に研究評価に関するもの
・特に人文・社会科学研究の学術政策動向に関するもの
・プロジェクトマネジメントに関するもの
・アウトリーチ活動支援に関するもの
第5回科学技術政策セミナー(政策研究大学院大学 有本建男教授)
URAについてもっと知りたい!
●主な対象
・大学または部局の執行部
・研究支援部署スタッフ
●提供可能な情報例
・部局のURA業務関連部署および業務内容
・国内の他大学等のURAシステムの事例
・諸外国のURAシステム等の現状
【2】未来を考える材料としての研究力分析
はじめに
大学におけるリサーチ・アドミニストレーター(以下、URA)は研究活動の活性化をさまざまな側面から支援する業務を行っています。特に効果的な支援を行うために、研究者が感じておられるニーズを把握することが重要ですが、一方で組織の研究活動が現在どのような状況にあるのかを客観的に把握して、その分析結果に基づいて支援のメニューを考えていくことも大切です。
大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室のURAチームでも、プレアワード(外部資金獲得の支援)、ポストアワード(外部資金獲得後の支援)と並んで研究力の把握・分析は主要な業務の一つになっています。
よく利用される指標
研究活動を把握するための指標は数多くありますが、私たちがよく利用しているのは研究費の額、研究者の数などのインプット系指標、論文の発表数、特許の数などのアウトプット系指標、被引用数や受賞などのアウトカム系指標などです。これらの指標を組み合わせて、大阪大学の全体像を調べたり、部局ごと研究分野ごとの特徴を調べたりしています。また、競合する国内外の他の大学との比較(ベンチマーキング)によって大阪大学のポジションを把握し、強み弱みの分析を行っています。
文部科学省でも大学の研究力の評価にこれらの指標を採り入れ始めており、例えば平成25年度の研究大学強化促進事業では、ヒアリング対象機関を選定するために次のような指標が使われました。
●以下は、文部科学省資料からまとめたもの
1.若手研究者を含む数多くの研究者により、質の高い研究がなされているか |
1-1 科研費の研究者当たりの採択数 |
1-2 科研費の若手種目の新規採択率 |
1-3 科研費の研究者当たりの配分額 |
1-4 科研費「研究成果公開促進費(学術図書)」の採択数 |
1-5 拠点形成事業の採択数 |
1-6 戦略的創造研究推進事業(新技術シーズ創出)の採択数 |
2.国際的に質の高い論文等を生み出す研究がなされているか |
2-1 論文数におけるTOP10%論文数の割合(Q値) |
2-2 論文数における国際共著論文の割合 |
2.国際的に質の高い論文等を生み出す研究がなされているか |
3-1 研究開発状況(民間企業との共同研究・受託研究受入実績額及びこれまでの伸び率) |
3-2 技術移転状況(特許権実施等収入額及びこれまでの伸び率) |
また、最近、大学関係者の間でなにかと話題に上ることが多い世界大学ランキングでも、研究費や論文、被引用などが指標の一部として利用されています。例えば、有名なTimes Higher Education(THE)社の世界大学ランキングでは、13の指標にそれぞれ異なる重みを与えて総合評価を行っていますが、そのうち5つが研究費や論文、被引用に関わる項目です。
●以下は、Times Higher Education社ホームページの情報から作成
評価項目 | ウェイト(%) |
教育(学習環境) | 30.0 |
教育に関する評判 | 15.0 |
教員と学生の比率 | 4.5 |
博士と学士の比率 | 2.25 |
博士と教員の比率 | 6.0 |
教員当たりの収入 | 2.25 |
国際化の状況(教員と学生) | 7.5 |
留学生の割合 | 2.5 |
外国人教員の割合 | 2.5 |
国際共著論文 | 2.5 |
産業界からの収入(イノベーション) | 2.5 |
教員当たりの研究費収入 | 2.5 |
研究(量、収入、評判) | 30.0 |
研究力に関する評判 | 18.0 |
教員当たりの研究費収入 | 6.0 |
教員当たりの論文数 | 6.0 |
引用(研究の影響力) | 30.0 |
引用数 | 30.0 |
懸念
このように、研究費や論文・被引用などで大学の研究力や総合力を説明しようとする動きは、さまざまな場面で見受けられるようになってきています。しかし、大学の研究力や総合力を計るのに研究費や論文、特許などの指標があまりにも重要視されると、困ったことも起こってきます。研究の進め方や成果の発表・活用の仕方は研究の分野によって違っていて、多額の研究費が必要な分野とそれほど研究費を必要としない分野、研究の成果を論文で発表する分野と論文以外の方法で発表する分野、研究成果が産業界に利用されやすい分野と利用されにくい分野などさまざまです。自然科学系の分野は、研究費や論文・引用、成果の社会還元などの指標で評価されることにあまり違和感はないかもしれません(もちろんこれも個々の分野によって事情は異なりますが)。しかし、人文・社会科学系の分野では、これらの指標だけで評価すると研究力の実態を正確に反映したものとならない可能性があります。(なお、前記の文部科学省の評価指標には、主に人文・社会科学系を対象にした指標(1−4)が含まれています。)
URAチームの取り組み
以上のような認識の下で、現在URAチームが学内の関連部署と連携して取り組んでいることのひとつに、教育研究活動に関わる指標を網羅的に洗い出して、その中から各部局の実態を適切に表す指標を選定しようという業務があります。取り組みは始まったばかりで、それぞれの指標の妥当性や有効性については研究者、事務職員の方々にも意見を伺うなどまだまだ検討が必要ですが、最終的には各部局はもちろん大学総体についても特徴や強み・弱みの把握ができるような独自の指標群の構築を目指しています。
最後に学内への宣伝
この例に限らず、URAの業務を進めるためには、研究者、事務職員の方々との意見交換・情報交換が欠かせない要件になります。これまでにも、いくつかの部局を訪問して情報提供や意見交換を行って参りました。大阪大学の研究力の現状や大学を取り巻く外部環境の変化などについては、URAチームから情報提供が可能ですので、意見交換・情報交換のご希望があれば是非アクセスしてください。
info-ura★lserp.osaka-u.ac.jp(★を@に)
(菊田 隆/大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室URAチーム)
【3】シンポジウムから始める国際共同研究立ち上げ支援
~First Osaka University-EPFL International Symposiumを例に
大阪大学の多様なURA業務のうち、筆者は、学内の研究環境の国際化、国際共同研究の促進など研究の国際化に関する活動を幅広く担当しています。
今回は、国際共同研究立ち上げ支援の一事例として、2013年12月に大阪大学で開催された本学とスイス連邦工科大学ローザンヌ校(以下、EPFL)のケミカルバイオロジー分野の合同 シンポジウムを紹介します。
そもそものきっかけは、筆者が、EPFLから、大学間協定のある大阪大学とシンポジウムなどの事業を通して研究交流を活発にしたいという提案を受けたことでした。大阪大学着任以前、筆者はEPFLにて、ライフサイエンス分野の研究と並行して、国際交流日本担当や欧州連合の共同研究プロジェクトFP7マネージャーなどのURA的な業務にも携わっていました。こうした経験から、EPFL内のコネクションは豊富でしたし、特に国際交流の業務では、欧州の大学の視点から、大阪大学をはじめとした日本の主要大学をターゲット大学ととらえ、研究交流事業を展開していたので、先方がどんなことを考え、何を重要視して研究の国際展開を進めたがっているのか理解している部分もありました。
それらと大阪大学の事情を考慮した結果、両校の研究交流のきっかけとして、まずは合同シンポジウムの企画・運営を支援することに。既に教員同士の交流があるケミカルバイオロジー分野を第1回シンポジウムのトピックとして、関係する分野の研究者に声を掛けさせてもらいました。
大学に所属される方はお気づきかと思いますが、研究に関する国際シンポジウムは、年中そこかしこで開催されています。では、研究に関する国際シンポジウムはいったい何を産み出すことができるのでしょう。筆者は以前、スイスの教授に言われたことがあります。「面白いサイエンスがあるならば、喜んでシンポジウムに参加したいと思う。でも、具体的な動きにつながるようなものがない、聞くだけのシンポジウムならば、それに割く時間はない」と。確かに、シンポジウムは打ち上げ花火のようなところがあり(そういう目的の場合もあります)、打ち上がって、余韻がしばらく残るだけというように、開催後に目立ったアクションが見られないこともよくあるような気がします。定期的な研究アップデートやネットワーキングは研究者には不可欠なことですし、若手にとっての学びの場としてもシンポジウムの大きな役割を果たすことは確かですが、忙しい研究者の時間を割いてもらうからには、それ以上に、シンポジウム後の"何か"、例えば共同研究による共著論文作成や、国際ジョイントラボの設立、共同調査プロジェクトなどにつながるようなプログラムを企画し提供することが重要だと筆者は考えています。
そこで今回は、大阪大学とEPFLの支援者、教員、大阪大学とEPFLの両方に研究室や研究センターを置いている日東電工株式会社及び在日スイス大使館と話し合い、ベテラン、若手研究者の今後の"何か"につながるように、以下のような複数の企画を準備しました。
●両校の研究者向け
・ケミカルバイオロジー分野の研究発表(口頭、ポスター発表)
・できるだけ多くのネットワーキングの場の設定(飲食を共にする)
●EPFL訪問団向け
・大阪大学見学
・企業訪問(大阪大学研究者も参加)
●大阪大学の教職員・学生向け
・学内または海外等の助成金について学ぶセミナー
・スイス大使館による留学フェア
・スイス大使及び科学技術部によるスイス及び科学技術の紹介
これら企画を通して筆者が特に注力した3つのポイントは、各機関の関係者が能動的に参加できる機会を取り入れること、時に飲食を伴うネットワーキングの場をできるだけ数多く設定すること、そして、助成金についての情報共有の場の設定をすることでした。この3つのポイントを押さえることで、各機関の研究者同士が当事者意識を持って出会い、交流を深めながらサイエンティフィックな議論を行った結果が、実際の共同研究につながるところまで持っていこうと考えたのです。
例えばネットワーキングに関しては、欧州では、研究室や学科レベルでも、プロジェクトや学会レベルでも、ネットワーキングの時間を大切にしています。それは、(共同)研究の成功には、人と人とのつながりが不可欠であるとわかっているからです。今の日本の国立大学の事情では、時に懇親の場を積極的に設けにくいように思いますが、このシンポジウムでは、ベテランの教員から若手研究者までが活発に議論したり会話を楽しんだりする場を合計6回設定しました。レセプション等に関してはスイス大使館の支援を受けて実現することができました。筆者はもともと研究者ですので、懇親会のようなものを提供しても、結局研究者は研究絡みの話に行きつくことをよく知っています。
そして、いざ共同研究を始めようとする時必要なもの、それは研究資金です。今回のシンポジウムでは、どのような助成金が活用できるのか参加者全員で情報共有することで、その場で生まれたアイデアが議論で終わらないような道筋を多少なりとも示せたと考えています。
もちろん、こうした企画面での配慮を支える基本的な事柄として、研究者の時間をできるだけ奪わないよう、事前準備は主に各機関の支援者が行った他、筆者や大阪大学の教員、EPFLの支援者が、学内の助成金、及び在日スイス大使館(本シンポジウムは、2014年の日本・スイス国交樹立150周年記念イベントでもありました)、日東電工株式会社からの経済的な支援を取り付けるといったシンポジウム開催の基盤作りにも尽力しました。
EPFLからは、20名の研究者と大学関係者が来日しました。日東電工株式会社からは、日本、アメリカ、シンガポール、ヨーロッパの研究所から合計26名が、大阪大学からは約150名が、大使館、助成金関係者らが5名参加し、合計約200名が集うシンポジウムとなりました。上記のプログラムはすべて好評で、参加者からは、「いろいろな企画がとても楽しかった」「共同研究をすることにした」「またやってほしい」「こういう企画で大学内をもっと活性化してほしい」「英語をもっと習得したい」等の声が聞かれました。
現在も筆者は、先方の大学とも連絡をとりつつ、学内のシンポジウム参加者の動きを継続的にフォローしています。共同研究が数件開始されつつあること、来年度にフォローアップのミニシンポジウムがEPFLにて行われることなど、シンポジウム後の"何か"が確実に生まれつつあります。このような"何か"が複数のネットワークで始まることにより、機関同士の持続的な研究協力関係の形成にもつながっていくでしょう。具体的な経過は、また後日改めて報告させてください。
(望月麻友美/大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室URAチーム)
【4】アウトリーチ活動の支援サービスについて
大阪大学のURAチームには、アウトリーチ活動のサポートを主たる業務とするURAアウトリーチ・ユニットがおり、私岩崎と本メールマガジンの編集長である川人がその任に当たっています。本稿を支援サービス活用のきっかけとしていただければ幸いです。
1.どのような案件について支援を行っているのか
URAアウトリーチ・ユニットでは、下記のようなアウトリーチの案件を <いかに実行するか> について、いつでも相談に応じています。しかし同時にまずお伝えしておきたいことは、過去3年間様々なケースに関わらせて頂く中で、何をすべきかが最初から見抜けているケースは実は希だという点も分かって参りました。アウトリーチについては<何かやらなくてはならないが、何をすべきかよくわからない> ケースも多いと感じています。下記のリストでいうと4番ですが、そうした状況であればなおさら遠慮無くお問い合わせ頂きたく存じます。学内の方なら職員、教員を問いません。どなたでもお気軽にご連絡いただけますようお願い致します。
ポイント:<こんな事聞いて良いのかどうか分からない> 場合でも、遠慮無く問合せを!
①サイエンスカフェや講演会など、対面で行うアウトリーチ活動
②ウェブサイト設置など、ネットを使うアウトリーチ活動
③チラシなど、印刷物を作って行うアウトリーチ活動
④よく分からないが、<何か> やる / やらねばというケース
電話:06-6879-4817 (月)~(金):8:30 ~ 17:15
メール:iwasaki@lserp.osaka-u.ac.jp
URAアウトリーチ・ユニットでは企画の段階から、①なら集客、②なら制作業者の紹介や自作方法、③なら配布ルートの提案といった点について私たちが知っているノウハウを提供します。実施そのものを請負う(丸投げされてもキャッチできる)だけの人員はおりませんが、終了を見届けるまでしっかりお手伝いさせていただきます。
2.どのようなことがらを、アウトリーチと呼んでいるのか
何がアウトリーチなのかという定義は重要ですが、私自身は(URAアウトリーチ・ユニットのリーダーとして)この点をゆるやかなグラデーションの中で捉えています。言うならば、大学のさまざまな仕事を進める上で必要があって行う、外部の方とのコミュニケーション活動は全てアウトリーチ活動になると考えています。
揺籃期にあるURA組織を大学に根ざして行くには、様々な相談を入り口に、誰にでも使えるサービスの提供が求められていると感じています。日々発生するコミュニケーションの事案にアウトリーチの要素を盛り込めれば、(大学全体としての)研究アウトリーチの量を増やす結果にもつながるでしょう。
文部科学省のウェブサイトにあたると、大学におけるアウトリーチ活動には、すでに膨大な蓄積があると分かります。研究そのものへの理解を得ることが重要ですが、今日では、外部資金にまつわる説明や、説明そのものの双方向性が強く求められています。これらの点をふまえ、私達は多くの方々が取り組んで来られた大学の研究アウトリーチ活動にURAという立場で参加させていただき、これからその一翼を担って参ります。どうぞよろしくお願い致します。
3.対面で行うアウトリーチ活動の支援
これらの写真は、私どもがオーガナイズしたサイエンスカフェの風景です。机を置かないコンパクトな会場で研究について語り、参加者からの質問を受けるなど、双方向な対話の場となる点を重視しています。大阪大学は対話の場を設けるためのリソースを潤沢に持っており、こうしたイベントをやりやすい環境にあります。ひとりの研究者にイベント準備の重い負担を強いることなく、(組織として)何度も行えますし、少数のスタッフで手軽に開催できる点が魅力です。

●部局の職員の方へ
URAアウトリーチ・ユニットでは、過去3年ほどの間に、こうしたサイエンスカフェをのべ40回ほどお手伝いしました。最低2名でも開催できますが、5名程度のスタッフが研修を兼ねて経験を積み上げ、主催する部局にノウハウが残るようにしてきました。私たちが使っているマニュアルをここに提供しますので、ご覧下さい。
このマニュアルには、スタッフの役割分担や写真撮影の手引き、想定される来場者の方との会話集などが含まれています。2010年の提供開始当初はもっと分量がありましたが、折々に手を加え、不要な部分をそぎ落としながら今の形に落ち着いています。これでおよその様子はつかめると思いますが、ご連絡をいただけましたらいつでも説明に伺います。打合せに1時間程度のお時間を頂きます。
集客と当日の司会者(ファシリテーター)の準備は、いまのところ私どもが直接協力しています。人材の目処が立っていなくても、当面は大丈夫ですからお問い合わせ下さい。
いままでにいくつかの部局でこのサポートを利用して頂きました。実際の使い勝手についてはそれぞれの部局事務長様などにお問い合わせ頂ければ、正直なところが分かるはずです。担当者様の具体的なお名前については、お問い合わせ頂ければご案内申し上げます。ここでは部局名だけを列記します。
<協業経験のある部局の例>
基礎工学研究科、社会経済研究所、蛋白質研究所、微生物病研究所、産業科学研究所、レーザーエネルギー学研究センター、大阪大学学術研究機構会議、大阪大学附属図書館 生命科学図書館
●研究者の方へ
対話型のアウトリーチイベントと言っても、どんな様子なのか、どのような人たちが来るのかが、最も気になるところと思います。お問合せください。会場の様子を写真やムービーでご覧に入れます。また、打合せ資料(A4 2ページ)をご覧下さい。ここには、大きな話の流れが示されています。この通り話して下さいという意味ではありませんが、これをベースに、先生の希望に応じてアレンジできます。1時間ほどお時間をいただければ、全容を説明します。
研究者用資料(サンプル)
各会場でどういう来客があったかは、過去1000名分以上を元にしたデータが揃っています。現在の私達の集客経路では、話題そのものに積極的な関心のある人が全来場者の70%を越えています。ですから説明資料には学会用の資料をそのまま使って頂いています。分量のコントロール、口頭説明の工夫は必要ですが、専用のスライドを一から作る必要はありません。場所、開催日・曜日、時間帯、進行方法、すべて先生の希望に沿った形を選べます。
事前の打合回数ですが、以前は3~4回行っていましたが、最近は1回ないしは2回、トータルで2時間以内です。過去に私どもがサイエンスカフェのオーガナイズさせていただいた先生方のお名前を挙げますので、お知り合いの方がいらっしゃればお問い合わせ下さい。正直な感想が聞けることと思います。
<利用実績のある会場>
京阪なにわ橋駅の「アートエリアB1」、大阪大学中之島センター、大阪市立科学館、大阪梅田のグランフロント大阪内ナレッジキャピタルのカフェラボ、りそな銀行梅田支店、高等学校、一般の商業カフェ(交渉から)、学内施設など
<2013年度の支援実績>
http://www.lserp.osaka-u.ac.jp/index_info.html
●開催後のアフターサービス
実施のエビデンスになるもの、事後のレポート作成に役立つ素材の提供という意味で、下記の3点をセットで提供しています。
①実施レポートの提供(サンプルは、こちら)
②写真とビデオ撮影
③アーカイブページ作成(サンプルはこちら)
②は2010年のサービス開始時点にさかのぼって、全件保存しています。なお③につきましては、たいへん恐縮ながら現時点で人員の関係で手が回りきっておらず、制作が遅れています。しかし2014年度中には抜本的な解決策を取れるよう、コストをかけない技術的な解決策を探っています。
4.ネット上の活動で提供するサービス
ホームページの開設等で、どこから着手して良いか分からない場合や、身近に相談する人がいない場合は、URAアウトリーチ・ユニットへの相談をご検討下さい。目的や期待する効果、予算など、条件によって考えるポイントは異なってきます。まずは研究室に出向いて、お話を伺います。私たちの実績の中でマッチしそうな案件があれば、また未経験のケースであっても協力出来るようであれば、具体的に相談を進めることになろうかと存じます。
インターネットは、ホームページ設置、ブログ利用、ソーシャルネットワーク利用といったいわゆる情報発信に使うだけでなく、申込フォーム設置、アンケートやストリーミングの実施など、単一機能のツールとしても多様な応用が可能です。
こんな事が出来ないのかという案件があれば、気軽に問いあわせて下さい。なお私どものサイト設置実績については、協力の事実を公開していないケースもあるので掲出しませんが、お問い合わせ頂ければ必要に応じてお知らせ致します。
また今年度より、研究力強化の一環として、若手の研究者を対象とするウェブサイトの設置支援サービスを始めました。現在、今年度分の制作が進行中です。なおこれに連動して、Facebook の運用研修を年度内に予定しています。ソーシャルネットワークサービスは手軽に利用できコストもさほどかからない反面、運用しながらルールづくりを進める必要が出てきます。避けられるリスクは避けるために、外部の知見を積極的に取り入れ、提供することも今後のサービスとして提供する考えです。
5.印刷物について提供するサービス
URAアウトリーチ・ユニットの2名はともに、紙媒体の制作案件におけるディレクター業務経験を有しています。また私につきましては、大学における一般広報の企画制作案件に制作業者として10年以上関わっておりましたので、制作チームと発注者の間に立たせて頂く事で、用語の解釈の違いによる誤解や手戻りが少ないように、意思疎通を手伝えます。
URAアウトリーチ・ユニットは、制作作業そのものは引き受けていませんが、制作案件に参加させて頂く事で全体の進行を円滑に進めるお手伝いが可能です。
こうしたサービスの性質上、私どもの <作例> はありません。お問い合わせ頂ければ具体的にどの案件にどう関わったのかを示す事はできます。冒頭にも申し上げましたが、迷ったら企画段階からお声がけください。

6.その他
本稿執筆時点ではまだ公開できませんが、<ここに上げた案件のどこにもあてはまらないが、誰かに何かを伝える必要があって行われること>で、進行中の案件がいくつかございます。
本稿の冒頭にも申し上げましたが、アウトリーチ的な何かをやらなくてはならないが、何をして良いかよくわからないケースは、実に多いはずです。軽い雑談がアイディアにつながる場合もありますので、どうぞ気軽にお問い合わせ下さい。
(岩崎琢哉/大阪大学 大型教育研究プロジェクト支援室 URAチーム)
【5】URAチームに新しい仲間が増えました!
~多彩な専門分野と業務経験。国際性も豊かな5人の新URA
近年、我が国の論文数等の国際的シェアは相対的に低下傾向にあり、大学等における研究体制や環境の改善や、研究マネジメント改革による国際競争力の向上が課題となっています。文部科学省の「研究大学強化促進事業」では、研究マネジメント人材群の確保や集中的な研究環境改革等等の研究力強化の取り組みを支援しており、大阪大学は平成25年度より本事業に採択されています。この事業を通じ、本学は、研究の更なる国際化と特に若手・女性・外国人研究者への支援を強化すると同時に、多様な分野の更なる発展につながるよう、それぞれに適切な支援を行っていきます。
本事業で雇用されたURA(専門分野)は、大屋知子特任講師(分子生物学)、伊藤京子特任講師(ヒューマンインタフェース工学)、クリスチャン・ベーリン特任研究員(近世日本文学)、磯直樹特任助教(社会学)、姚馨特任助教(英語教授法)の5名です。多彩な専門分野と国際性を有し、さらに文理融合プロジェクトや臨床試験拠点整備、産学連携等、研究以外の豊富な経験があることも特徴といえます。
それぞれのバックグラウンドを活かしつつ、特に研究活動の更なる国際展開に貢献できるよう、学内外の事例調査およびネットワーク形成や、個別施策に取り組みつつあります。支援ができる研究分野についても、国際的なプロジェクトが比較的多い自然科学系分野のみならず、人文社会科学系分野も含め、幅広く対応できる態勢になりました。
みなさまのご指導・ご鞭撻をよろしくお願いいたします。
(URA新メンバー 一同/大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室 URAチーム)
大屋 知子(おおや ともこ)
□最終学歴:大阪大学 理学研究科 生物科学専攻 博士後期課程修了、博士(理学)
日本学術振興会特別研究員、大阪大学微生物病研究所研究員等として、真核生物のDNA複製・組換え修復の制御機構に関する研究に従事。その後、大阪大学産学連携推進本部、(独)国立循環器病研究センターに勤務し、ライフサイエンス分野における産学連携の推進およびトランスレーショナルリサーチや医師主導治験を実施する体制の整備に携わる。2014年1月より現職。専門分野は分子生物学(遺伝学)。URAとして大阪大学の特色を活かした研究活動等を支援し、研究力強化に貢献したい。
伊藤 京子(いとう きょうこ)
□最終学歴:京都大学 大学院エネルギー科学研究科 博士後期課程 修了、博士(エネルギー科学)
2004年大阪大学大学院基礎工学研究科助手、2005年大阪大学コミュニケーションデザイン・センター助手(基礎工学研究科からの派遣教員)、等を経て、2014年2月より現職。ヒューマンインタフェース、コミュニケーション支援システムの研究・開発に携わってきました。これまでの研究・教育の経験を踏まえ、大阪大学における研究推進支援のために何ができるか、何をやるべきかを考え、モチベーションの向上につながる方法を検討したいと思っています。

Kristian Bering(クリスチャン・ベーリン)
□最終学歴:コペンハーゲン大学 文学部 東亜研究所日本学専修 修士課程終了、修士(文学)
SOASロンドン大学、京都大学及び同志社大学で留学体験を経て、日本の近世小説・江戸出版文化、特に草双紙・江戸読本様式の発展史に関する研究活動に従事。2008年1月より立命館大学のアートリサーチセンターで文化財のデータベース作成やデジタルヒュマニティーズ関連業務に携わる。2009年10月より畑を変え、大阪大学産学連携本部のコーディネーターを務め、主に国際産学連携を推進する業務を担当。2013年11月より現職。国際的共同研究・国際交流・分野融合などを通して、人文学研究の強化支援を行いながら、人文学・社会学研究がこれまで以上に存在感を発揮できるよう尽力したい。

磯 直樹(いそ なおき)
□最終学歴:一橋大学 社会学研究科 博士課程修了、博士(社会学)
フランス国立社会科学高等研究院にて4年間研究生活を送り、現地で社会調査と社会学史研究に従事する。イースト・ロンドン大学客員研究員、大阪市立大学都市文化研究センター研究員などを経て現職。英仏などとの比較の視点を採り入れつつ、研究と教育の支援のための調査と分析に努めていきます。

姚 馨(ヤウ シン)
□最終学歴:お茶の水女子大学 人間文化創成科学研究科 博士課程修了、博士(人文科学)
博士課程在学中は他言語話者に対する英語教授法の研究に従事する。瀋陽工業大学教員、コロンビア大学ティーチャーズカレッジ日本校マネージャー等を経て、2013年12月より現職。海外研究や教育マネジメントの経験を活かし、外国人研究者、女性研究者や文系研究者に対する研究環境の整備に重点を置きながら、研究の国際的活動支援に努めていきたいと考えています。
【6】エッセイ「大学に於ける研究活動と大学院教育」 ついに完結!
(統合版)
過去3回連載分(1~8節)と今回追加分(9節以降)を統合しています。読みやすいように、接続を変えたり、小見出しをいれるなど、 少し修正しています。本文はPDFファイルでお読みいただけます。下記をクリック願います。(2014.2)
(高尾正敏/大阪大学 大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室URAチーム)
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大学に於ける研究活動と大学院教育
―URAと研究大学―
Research Activities and Educations in Ph.D. Schools
-The Mission of URA in the Research University-
高尾 正敏
Masatoshi TAKAO Ph.D.
大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室 URAチーム
要旨: 大学進学率が50%を越え、ユニバーサル化と言う時代になった今、大学の使命を教育と研究両面から見直すために、リサーチアドミニストレーター(URA) の役割と貢献すべき仕事について私見を述べた。教育と研究の関連での「フンボルトの理念」を全ての大学と学生に期待することは不可能であ る。 しか しその理念を現代に生きさせなければならないので、大学院博士課程をその理念に合致するように改革すべきである。それが、世界ランキング上位には いる研究大学が成立する条件のひとつである。
統合版本文はPDF形式でお読みいただけます。
OU-URA-mailmag-201402-essay-integ.pdf
【7】URA関係イベント情報
3月は、他大学主催で開催されるURA関係のシンポジウムが目白押しです。
●【〆切間近】第3回地域貢献・産学官連携強化URA研究会、 第2回URA人材育成セミナー
http://www.shinshu-u.ac.jp/researchcenter/news/2014/02/056792.html
九州工業大学、福井大学、東京農工大学、信州大学が連携して開催。
2014年3月4日(火)・5日(水)、長野県松本市
要事前申込(2月28日(金)17時申込〆切)
●スキル標準の作成/研修・教育プログラムの作成合同シンポジウム
http://www.mext.go.jp/a_menu/jinzai/ura/detail/1343992.htm
東京大学・早稲田大学主催、URAスキル標準と人材育成をテーマにしたシンポジウム。
2014年3月10日(月)、東京大学
要事前申込
●東京大学のシンポジウム「研究推進におけるURAの意義と多様性―文系機関での可能性を探る」
http://www.u-tokyo.ac.jp/ja/news/events/1910/
文系研究機関において研究力を強化する上で何が必要かという点に着目。
日米の事例比較を通じて、URA業務の実態や意義、課題について検討。
2014年3月18日(火)、東京大学
要事前申込
【8】大阪大学ホットトピック
●(東京にて!)大阪大学未来戦略機構シンポジウム「Opt Osaka 2014 in Tokyo-大阪大学の光科学100-」開催
2014年3月6日、東京大手町サンケイプラザ、入場無料・要事前申込(先着250名)
●(新旧総長競演!)シンポジウム『福島の「今」、そして「未来」へつなぐ』開催
2014年3月8日、大阪大学中之島センター、入場無料・要事前申込(先着200名)
●(東京にて!)大阪大学未来戦略機構シンポジウム「アカデミア基盤研究から未来創薬へ」開催
2014年3月27日、学士会館、入場無料・要事前申込(先着200名)
●最新の研究の成果リリース
- X線の2光子吸収の観測に成功
―数百ゼプト秒の間にほぼ同時に原子を2度打ち 2014年2月17日 - 世界中で使用される効果が極めて顕著な抗体医薬(ソリリス)で
アジア固有の不応性を来す仕組みを解明
2014年2月13日 - アルツハイマー病から脳を守る細胞内の「掃除屋」タンパク質を発見!
―新たな予防・治療薬開発への大きな一歩! 2014年2月13日 - アルツハイマー病の原因を制御する遺伝子KLC1Eを発見
―根本的治療法につながるメカニズムを解明 画期的な治療法の開発に期待 2014年2月4日 - 試料が厚くても高分解能X線イメージングが可能に
―投影近似下での限界を超えて、構造可視化の新たな可能性を拓く 2014年2月3日
【9】次号のお知らせ(予告なく変更する可能性があります)
大阪大学未来研究イニシアティブ・グループ支援事業や欧州の人文・社会科学研究を取り巻く議論など、本メルマガでこれまでに取り上げた話題のその後の経過を、地道にコツコツ紹介します。高尾シニアURAの新連載が始まるという噂も...
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