大阪大学 経営企画オフィス 研究支援部門

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URA MAIL MAGAZINE

URA MAIL MAGAZINE vol.59

「イベントをどう日常につなげるか」特集

2019年1月 発行

昨年末、2025年万博の開催決定という嬉しいニュースが大阪に飛び込んできました。莫大な来日者数、経済効果が予想されていますが、これが一過性の祭りに終わってしまうとしたら、非常に残念です。

URAを始め大学関係者においても、イベントに関わるケースは少なくありません。

本号では、大阪大学で直近に開催された特徴的なイベント等をいくつか紹介します。
イベントをどう日常につなげるか、また、開催のコストパフォーマンスをいかに高めるか等について、考えるきっかけにしていただけると幸いです。

■INDEX
  1. 「大阪大学共創DAY@EXPOCITY 大阪大学とあそぼう」開催報告
  2. 第3回大阪大学豊中地区研究交流会レポート
  3. 北米だより「在米大学職員研究会2018」参加報告
  4. RA協議会第4回年次大会セッション「URA組織における人材育成」講演録を公開しました
  5. 公開セミナー「研究不正の防止と研究公正の推進」を開催しました
  6. 経営企画オフィス改組について
  7. イベント情報いろいろ
  8.  ●第3回大阪大学社学共創連続セミナー「地域なくして、大学なし-産官地学連携による共創イノベーション-」(1月20日、大阪府箕面市)
     ●第1回 社会ソリューションイニシアティブ(SSI)シンポジウム「未来につなぐ命~SSIの理念と取組」(3月19日、大阪大学豊中キャンパス)
     ●第5回 人文・社会科学系研究推進フォーラム「人文・社会科学系研究を振興するファンドとその支援--これからの社会を共創する人社系研究のために--」(3月19日、早稲田大学)
     ●【学内向け】英語論文執筆スキル強化週間セミナー・シリーズ(1月23日-25日、大阪大学の各キャンパス)
     ●【学内向け】新任教員研修プログラム「研究を進めるにあたっての外部資金獲得および本学における支援制度等について」(2月13日、大阪大学吹田キャンパス)
     ● [OU members only] Faculty Development Program "An introduction to research funding schemes in Japan and KAKENHI application" (February 22, Suita Campus)
     ●(速報版)学術政策セミナー(3月8日、大阪大学豊中キャンパス)
  9. 大阪大学URAだより--2018年12月・2019年1月の主な活動
  10. 大阪大学ホットトピック
  11.  ●西尾総長による年頭挨拶が行われました
     ●退職教授による記念講義(最終講義等)のご案内
     ●「革新的コンセプトカー"ItoP"」を展示しました(革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の伊藤耕三プログラム)
     ●4名の教授に大阪大学栄誉教授の称号を付与しました
     ●「PROSPECTUS 2019」リバーシブルタイプで新発行!
     ●第10回 大阪大学の集いin東京を東京国際フォーラムで初開催!
     ●大阪大学共創フェスティバル2018 「大阪大学共創DAY@EXPOCITY
    大阪大学とあそぼう」を開催
     ●平成30年度大阪大学賞表彰式を開催
     ●最新の研究の成果リリース


【1】「大阪大学共創DAY@EXPOCITY 大阪大学とあそぼう」開催報告

(花岡宏亮/大阪大学共創推進部社学共創課社学共創係長)

大阪大学共創機構が発足したことを機に、企業、自治体、地域社会などとの交流をより広げ、深めるため、2018年11月17日(土)に、「大阪大学共創DAY@EXPOCITY 大阪大学とあそぼう」が大阪府吹田市の大型複合施設「ららぽーとEXPOCITY」で開催されました。今回は、このイベントを担当者の視点で振り返るとともに、特徴ある点、今後の課題・可能性について書かせていただきたいと思います。

大阪大学共創DAY@EXPOCITYの概要
OU_day_flyer.jpg 大阪大学共創DAY@EXPOCITYのフライヤー

今回のイベントには、小さなお子さんをお連れのご家族、ご夫婦、グループなど、幅広い世代から多くのご来場をいただき、のべ1万9千人を超える方で終日大いに賑わいました。大阪大学が大型複合施設でこのような研究成果をはじめとした諸活動を大規模に発表するのは初めてでした。

当日は、学部・研究科・附置研究所・センターの研究室や学生団体などから38のブースを出展し、大阪大学の諸活動により親しんでもらえるよう、最先端の知見や成果、貴重な資料などの展示、お子さんも体験できる実験や工作の場などを設け、教職員と学生が分かりやすく紹介・解説に努めました。

アンケート調査の結果からは、科学に親しみが持てた、大阪大学への親近感が増したなどの声が数多く寄せられ、非常に好意的な受け止めをされていることが分かりました。

OUday02.jpg 多数の来場者で盛り上がる会場

共創DAYの目的や開催までの経緯については、生産技術振興協会が発行している季刊誌「生産と技術-Vol.70, No.4-(2018年 秋号)」に、小川 哲生 理事・副学長が『共創機構による社会との共創の「場」づくり~大阪大学と三井不動産(EXPOCITY)の連携協定~』と題し、寄稿されておりますので、詳しく知りたい方は是非そちらをご覧ください。

今回のイベントの特徴

今回のイベントの特徴について、いくつか挙げてみたいと思います。

(1)日常生活圏に大阪大学が大規模に入り込む面白さ "阪大がEXPOCITYをジャック!"

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ブース「タンパク質のかたちをみよう」(蛋白質研究所蛋白質データベース開発研究室)

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ブース「30年後の社会を描こう」(社会ソリューションイニシアティブ)

今回、学内でブース出展を呼びかけたとき、希望者は20に満たないと考えていましたが、実際には、38もの出展希望者が手を挙げてくれました。これは想定の2倍近い件数で、事前の準備等を考えると、うれしい悲鳴でした。ある出展者からお話を聞くと、「週末によくEXPOCITYに買い物に行くので、そのEXPOCITYでブース出展ができると思うとワクワクします。」との声があり、同様のお話を多くの出展者から伺いました。これまでのアウトリーチイベントにはないワクワク感、出展者と来場者(会場)との間の面白い化学反応への期待がありました。実際、ブースの出展は、EXPOCITYの一般の催事スペースを活用して、屋外、1階から3階までの全フロアに及びました。まさに、"阪大がEXPOCITYをジャック!"でした。

上の2枚の写真は38あるブースの2つを写したものです。見ていただきますと、実際の店舗の横で、蛋白質の紙模型作りのイベントや30年後の未来社会を描いてみるワークショップなどが行われているという、日常生活圏の中に、大阪大学が入り込む様子は、非常に新鮮でした。グランフロント大阪のナレッジキャピタルなどの施設との違いの一つは、一般の催事スペースを使用しているところかと思います。今回のような一般の催事スペースを活用した大規模な大学イベントは全国的に見てもあまり前例がないと思います。
(38ブースの出展内容は、以下のURLでご確認できます。https://www.uic.osaka-u.ac.jp/kyoso/events/events_day.html

(2) 共創の場づくりを目指した企業と大学の連携 

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連携協定締結式の様子

今回のイベントは、2018年3月16日に締結した、三井不動産株式会社と大阪大学とのEXPOCITYにおける教育、研究、共創事業等に向けた連携協定に基づき実施されたものです。連携協定の目的は、EXPOCITYに『学ぶ』楽しさを感じられる空間を創出し、地域社会の活性化に貢献することと設定されました。
三井不動産は、他のショッピングモールとの差異化を図り、中長期的視点で、独自の価値を創出すること、大阪大学は、大学として共創を実践する「場」、研究者の実証実験の「場」としての活用を目指しており、新たな企業と大学の連携の形とも考えています。

今後の課題

(1)持続可能な共創の場の構築
今回のイベントやEXPOCITYで実施する実証実験等を通じて構築していく、共創の"場"を、今後いかに持続的に発展させていくかが、最大の課題と考えています。
今回のイベントを含め、初期の段階では、関心を持った研究室または研究者の自発性が活動の原動力となります。ただ、活動を継続していくには、大学全体の力を引き出す必要があり、より組織的に、多様な人が意欲的に参加できる仕組みの構築が必要となっていきます。このため、共創の"場"に新たに関わる方々に対し、手間や負担を少しでも軽減し、門戸を低くしていくことや、実施したイベント等の結果を積極的にアピールして、ワクワク感・楽しさを学内外に広く伝播させていくことが重要と考えています。

(2)評価の物差し
アウトリーチ全般に言えることですが、評価の物差しをどのように設定すればよいかは、難しい課題です。アウトリーチイベントには多様な立場の人が関わっており、見方は実に様々です。また、実績は成果物として形に残るものではなく、各々の記憶の中に刻まれて、長期的視点で効果を見込むべきものもあります。
今回のイベントでは、来場者数、シールラリー達成者数、来場者アンケート、出展者アンケートなどから分析をしていますが、今後はEXPOCITYという施設の特徴を生かし、長期的視点での成果の可視化、もしくは定点観測ができればより良いと考えています。

今後の可能性

2018年10月末、ららぽーとEXPOCITY3階に、EXPOCITY Labというスペースができました。EXPOCITY Labでは、実証実験や少人数の公開講座などが実施可能です。今回のイベント(1日限定企画)のような企画に対し、EXPOCITY Labでの活動は今後継続的な活動の拠点として活用されることが期待されています。現在、共創機構社学共創本部において、様々なトライアルを実施中で、1月から、子育て世帯を主な対象として、大学で学ぶことや研究を身近に感じてもらう「はんだいラボ@EXPOCITY Lab」をスタートしています。

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(写真左から)はんだいラボ@EXPOCITY Labフライヤー、第1回「月のうさぎは何さいなの?」の様子

今後も、EXPOCITY で、大阪大学が継続的に『学ぶ』楽しさを感じられる取組みを続けていくことで、周辺の市民の方々、特に今まで大阪大学とつながりのなかった方々に、大阪大学とのつながりを一つでも多く作ってもらえることを期待しています。

最後に

今回の、大阪大学共創DAY@EXPOCITYは、学内の様々な立場の人が『学ぶ』楽しさを感じられる空間を創出するため、EXPOCITYに集った企画であり、周辺の市民の方々に楽しんでいただきながら、共創の場を作り出していくことは社学共創活動の醍醐味といえます。今回のイベントは、課題も成果も数多く得られた好事例だったと考えております。


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【2】第3回大阪大学豊中地区研究交流会レポート

(山田綾子/大阪大学大学院法学研究科特任研究員・URA)

2018年12月18日、大阪大学理学部南部陽一郎ホールおよび基礎工学国際棟にて、第3回大阪大学豊中地区研究交流会が開催され、学内外の研究者、教職員、企業・自治体関係者、一般の方など243名の参加者が集い、ポスター発表と情報交換会を通じて交流を深めました。
<第3回大阪大学豊中地区研究交流会 関連資料>
 ・チラシ
 ・当日配付されたプログラム(配置順のポスターリスト付)
 ・部局別ポスターリスト

toyonaka2018_01.jpg 会場にならぶ彩り豊かなポスター

ニュートリノの隣にポンペイの壁画、ミトコンドリアの向かいに恐怖映画『チャイルドプレイ』。会場では、51枚のそれぞれ内容も趣も全く異なるポスターが配され、豊中地区14部局と学外からの発表者が織りなす色鮮やかな「知の融合」が展開されました。

本交流会の企画は、法学研究科の田中仁教授と理学研究科の豊田岐聡教授らが「大阪大学・未来研究イニシアティブ・グループ支援事業」(2013年9月から3年間)などを通じて行ってきた共同研究や研究交流の中から誕生しました。その根本理念は、研究者の有機的連携による部局横断型プラットホームにおける地域研究の活性化と深化、にあります。この活動が人文社会科学系と自然科学系の各部局を抱える豊中地区の特徴と相まって、研究者が文理の垣根を超えて互いの研究を知り、交流できる場を作ろうというアイデアにつながり、2016年12月に第1回研究交流会が理学研究科主導のもと開催され、続く2018年1月には基礎工学研究科が中心となって第2回研究交流会が開催されました。

第3回目を実施するにあたり、各部局から選出された教員による豊中地区研究交流会委員会において、法学研究科が幹事部局となることが決定され、北村亘法学研究科教授とともに、筆者が部局URAとして取りまとめにあたることとなりました。

第3回研究交流会の特徴としては、以下の3点が挙げられます。

toyonaka2018_02.jpg 部局構成員によるポスターを紹介する委員

第一は、前回のアンケート結果に基づき、ポスターの展示を絞る一方、冒頭に「部局委員によるポスター概要紹介」を試みたことです。これはいわゆるフラッシュ・プレゼンテーションを発表者各人ではなく部局単位で行おうというもので、約45分間にわたり各委員が自らの言葉で自身の部局に所属する研究者の研究成果をアピールしました。これが非常にスムーズかつコンパクトにすべてのポスターを俯瞰する機会となり、何より、各委員のユーモアかつ熱心な語り口により、それぞれのポスターについてもっと深く知りたいという期待感が醸成され、コアタイム(発表者自身がポスターの前で説明する時間帯)への流れを作ることができたと思います。

第二は、第1回からの一貫した大きなテーマである「文理融合・異分野連携・産学共創への架け橋」を根底に置きつつも、今回は個別テーマや発表資格などの制限を一切設けなかったことです。部局ごとの割り当て数のみを決め、人選等は各部局に任せましたが、発表内容や発表者の立場がバラエティに富んだものとなりました。

第三は、今回の運営方法です。本研究交流会の幹事部局となるにあたり、法学研究科単独ではマンパワーに限りがあることから、今回は、人文社会科学系部局連合の形を取りました。具体的には、法学・高等司法研究科に加え、文学研究科、経済学・国際公共政策研究科、言語文化研究科の事務部を総動員して、自治体への後援依頼、案内状の送付、名簿や名札の作成、会場の設営・撤収、当日の受付などの業務を分担しました。普段、部局の垣根を超えて一つのイベントを協働して開催するということはほとんどありませんが、事務部各員は様々な部署で経験を積んでおり、自分で考えて行動できるプロフェッショナルばかりです。また、会場設営にあたっては、理学研究科、基礎工学研究科の事務部からも惜しみない支援をいただきました。この場を借りて、心より謝意を表したいと思います。

筆者は、これまで外部資金による研究プロジェクト支援として、国際シンポジウム等各種会議の運営経験を有していますが、これだけの人員を確保できることは通常ありません。今回、オール豊中で対応したことにより、豊中地区の構成員一人一人が本イベントの熱量を強く感じることができたと思います。筆者は日頃より、URAという立場は、教員・研究者と事務部・部局間・学外・一般社会とをつなぐ存在だ、と考えていますが、その特性を最大限に発揮することができたと自負しています。

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写真はいずれも会場風景

今回、ポスター発表者57名のうち32名から提出のあったアンケート結果によると、27名が2人以上(うち17名は「4人以上」)の異なる研究分野の参加者に発表を聞いてもらえた、29名が分野を問わず4人以上の方に発表を聞いてもらえたことがわかりました(うち10名は「10人以上」と回答)。また、32名中31名から本交流会を通じて今後の研究活動へのヒントを得た(1名は「まだわからない」)、23名から異分野の方との議論を通じて今後の連携や融合の必要性を感じたとの回答を得ました。また、75名から回答のあった参加者アンケートでは、83パーセントにあたる62名の方から「大変良かった」もしくは「良かった」という評価をいただくことができました。自由記述では、交流会の継続を望む声が多く、次回開催への大きな期待を感じることができました。(発表者と参加者へのアンケート結果(抜粋)はこちら

年始の総長あいさつでも、Society5.0の実現を目指すうえで、人文社会科学系の貢献は必須であり、またSDGsを始めとする社会課題への対応として、一層の文理融合研究推進への期待が示唆されました。本研究交流会は、総合大学としての大阪大学がモットーとする「地域に生き、世界に伸びる」姿勢を社会に示す一つの具体的な試みであり、今回、法学研究科URAとしてその一翼を担えたことを大変嬉しく思います。

toyonaka2018_08.jpg 第1回~第3回の交流会統括にあたった部局URA(左から理・坂口、法・山田、基・藤原)

最後になりましたが、本交流会の開催に当たり、企画・運営にご尽力いただきました本学関係者の皆様、広報にご協力いただきました豊中市、吹田市、箕面市、池田市関係者の皆様、そして発表者、参加者の皆様にこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。


【参考】
第1回大阪大学豊中地区研究交流会レポート(大阪大学URAメールマガジンvol.40掲載)
第2回大阪大学豊中地区研究交流会レポート(大阪大学URAメールマガジンvol.52掲載)


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【3】北米だより「在米大学職員研究会2018」参加報告

(阪 彩香/大阪大学経営企画オフィス研究支援部門)
2009年から毎年開催されている「在米大学職員研究会」

2018年11月2日に、米国カリフォルニア州バークレー市にあるJSPSサンフランシスコ研究連絡センターにて「在米大学職員研究会2018」が開催され、大阪大学からは現在アリゾナ大学で研修を行っている加藤俊徳さん(総務部人事課総務係)、北米拠点の東澤コーディネーター、URAの阪が参加しました。

本研究会は、米国に滞在する日本の各大学等職員のネットワーク形成支援、及び大学の国際化の進展に伴って職員に求められる能力向上の機会の提供を目的として、2009年から毎年行われています。当日は、研修等にて米国滞在中の大学職員等計17名が参加しました。この記事では、在米大学職員研究会2018の概要を報告者の感想を交え紹介させていただきます。

サンフランシスコ州立大学の事例:留学生送り出し・受け入れを一つの部署に集約、事務職員もスペシャリスト

まず、研究会前半として、サンフランシスコ州立大学の青島宏一郎氏(Coordinator, International Student Services & Outreach, Office of International Programs)による講演がありました。大学生時代の留学経験から現在勤務されているサンフランシスコ州立大学での業務内容や経験などが披露されました。

サンフランシスコ州立大学の学生の国際関係(交換留学送り出し、受け入れ、リクルート・マーケティング、正規留学(受入))について、一つの部署で一括して行われていることが紹介され、大阪大学のように本部、部局等でそれぞれプログラムがあり、その機能が分散しているのとは異なるシステムによっていることが分かりました。一括されていることで、どのステップで現在問題が生じているのかが分かりやすくなっていることは業務上重要なのではないかと思いました。

交換留学送り出しのステップでは、日本は現在、英国、フランスに次ぐ第3位の行先国とのことです。どのような場合に学生は日本を希望するのかを質問したところ、やはり小さいころに日本に居た経験、日本の友人が居たことや、日系の血筋が入っていること、日本のお祭りを経験したなど、日本とのつながりがある場合がほとんどであるとのことでした。一方、交換留学受け入れのステップにおいて、現在、日本から34名がサンフランシスコ州立大学に留学しているが、彼らがなぜサンフランシスコ州立大学を選んだかというと、サンフランシスコという場所が日本から近いため、マスメディア学科(サンフランシスコ州立大学の人気学科)に興味があるから、そしてInternational Education Exchange Council(IEEC)という950名からなる団体があって、メンバー自身が留学などをしたときの経験やアドバイスの共有などを行っており、その話を聞いて興味を持ったから、という理由が多いそうです。大阪大学が今後、留学生受け入れ、送り出しを増やしていく際、どのような学生を対象に宣伝をしていけばよいか、どのような点がセールスポイントになるかを考えるヒントとなりそうだと思いました。

また、日本の場合、大学職員は事務職員と教員と呼ばれ、事務職員はジェネラリスト、教員はスペシャリストとして認識されていると思います。一方、米国の大学の場合、日本の事務職員にあたるポジションもスペシャリストとして採用されており、job descriptionが明確に提示され雇用契約がなされていることも分かりました。青島氏は自身のjob description のペーパ、業務評価のペーパも共有してくださいました。筆者も「米国ではjob descriptionが明確」という話は聞いたことはありましたが、実際どのように記載されているものなのか、評価項目があるのかを目の当たりにできたことはとても良い機会でした。

グループディスカッション:大学業務への学生の関与度、書類整理やイベント準備にかける手間などに関する日米の大学の違い

そして、研究会の後半では、参加者が3つのグループに分かれて、「日本での所属大学及び米国研修先大学での具体的な事例やご自身の経験等を基に、大学組織や教職員、学生、研究、働き方など幅広い観点から日米の大学それぞれに関する気づきは何か」について、KJ法を用いて意見集約をしました。続いて、これらを基に、「挙げられた米国大学に関する気づきについては、日本の大学も参考とすべき・参考にできるものか。それとも参考とすべきでない・参考にできないものか。制度や社会的・文化的背景の違いなども踏まえること。」について、各グループで議論を行った上で、発表を行いました。課題が各参加者の関心に合うものだったようで、いずれのグループでも白熱した意見交換が行われ、割り当てられた時間が短く感じるほどでした。

USA2018_gw.jpg グループディスカッションで出された意見

気づきについては、日本と米国のどちらか、また良い点・悪い点・ニュートラルな点(写真内の赤、青、黄色の付箋に対応)のいずれかで分類を行いました。3グループから出された日米の大学の気づき(のべ115件)について、筆者の視点でまとめてみると、「学生に関すること」、「時間の使い方」、「仕事場のスペース」、「仕事のやり方」、「資金・使い方」、「多様性」の6つになりました。このように字面にすると、すでに「知っていること」も多いかもしれませんが、各参加者から挙げられた気づき自体はそれぞれの経験に基づいているため、そのコンテキストを含めて共有されたことが非常に議論に厚みをもたらしたと感じました。

「学生に関すること」では、学生を学内でうまく活用する(それを通じて、学んでもらう。大学の構成員であることを認識してもらう。)ことが米国大学では一般的との指摘が多くありました。この点については、青島氏の講演でも紹介されており、実際青島氏の部署でも学生がインターンとして働いているとのことでした。日本の大学でも参考にすべきと私も含め参加者の多くが考えましたが、その一方、実際これまでの自身の経験から「学生に個人情報を扱わせることはできない」といった意識が日本の大学にはあるので実現は難しいのではと思われました。その点米国ではどうしているのかを尋ねると、青島氏からは仕事に就く前に研修をきちんと行い、研修中に得られた情報についての取り扱いなどについても教育した上で業務をしているので問題ないとのことでした。また、青島氏自身が学生時代にインターンとして国際関係の窓口を大学内で担当していたことが、その後の彼のキャリアに大きな影響を与えたことを鑑みても、学生が学内の仕事に関与するというのはとても有益なのではないでしょうか。非常に抵抗感のあるところかもしれませんが、日本の大学でもこの点について検討してみる価値があると思いました。

「仕事のやり方」の中では、日本では書類が全てきっちりファイルに入っているが、米国の大学ではそれが見当たらないとの指摘がありました。また、米国ではとにかく学内のイベントが多いものの、それぞれにかけている手間は最低限のところであり、日本のイベントの準備と比較すると失敗しているとも思える場合もあるそうですが、イベント中大きな問題が発生するかといえば、そうではないという気づきも共有されました。何にどのように時間をかけるか、色々やり方があるのだということと、勤務時間内(契約時間内)で終わらせるということがベースになっていることを改めて感じました。今回の参加者からも日本の大学の場合、「時間の使い方」のところで残業が多いことが指摘されていますので、必要以上に時間をかけているところは無いか、日常業務の棚卸しをしてみてはどうかと思いました。

おわりに

今回、本研究会に参加し、日本の各大学等の若手職員が米国の大学から何か吸収できることはないかと、活動していることを知ることが出来ました。彼らが日本の大学に戻った際に、経験したことや気づいたことを反映する機会にすぐに出会えなくても、機会を探り続けてほしいと思いました。また、各参加者の長期間にわたる経験から見えてきた気づきを共有する機会を得たことで、筆者の日米の大学の比較に対する理解を一歩進めることが出来ました。


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【4】RA協議会第4回年次大会セッション「URA組織における人材育成」講演録を公開しました

【開催概要】

リサーチ・アドミニストレーター協議会(RA協議会)の第4回年次大会において、大阪大学は「URA組織における人材育成」というセッションを企画・運営しました。

われわれURAのキャリアアップには、「機関跨り」や「職種跨り」、あるいは「一機関でずっとURA」といった多様性があります。本セッションでは、このようなURAの多様性をふまえ、組織として/個人として人材育成はどうあるべきなのかを考えました。


■開催日:2018年9月20日(木)
■場所:神戸国際会議場
■セッションオーガナイザー:
 高野 誠  (大阪大学 経営企画オフィス シニア・リサーチ・マネージャー)
 佐藤 祐一郎(大阪大学 経営企画オフィス リサーチ・アドミニストレーター)
■講演者:
 山口 光男(福井大学 総合戦略部門研究推進課 課長)
 藤村 悠一(山口大学 大学研究推進機構研究推進戦略部 URA室URA部門・IR室 URA)
 舘  正一(関西大学 学長室 リサーチ・コーディネーター)
 藤原 明 (りそな総合研究所 リーナルビジネス部長)


【全体討論】
(講演録全文はこちら

高野:いろんなキャラクターを持っておられる4名の講師の方にご登壇いただき、それぞれの観点でお話しいただきました。本日はURAの人材育成ということですが、先ほどの藤原さんのお話をURAに置き換えてみるとどうなるのかなと思って聞いていると、非常に興味深いお話であったというように思いました。

簡単ですが、本日の論点を書いてみました(図1)。

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図1

一番下は、最初にもご紹介させていただきました藤原さんの言葉にある「自ら考え自ら行動する人材の増加」で、これが非常に大事だと考えています。そのような人材が増えると、「現状に留まらず、深化し続ける組織」になるのだと思います。これは、URAの組織もまったく同じことが言えるのではないかと考えています。こうなるためにはどのようなことが必要なのかをしっかり考えていくことが重要だと思います。
そして、この左上の「URAの役割・必要な能力」のところは、関西大学さん、福井大学さんのスライドから借用しました。
それから、その下の「URAの制度(雇用・キャリアパス)」については、福井大学さんと大阪大学の例を載せています。考え方は大学によって様々だとは思いますが、やはり経営的なマインドを持った人材がURAにも必要だということは間違いないと思います。では、そういった時に、どんな能力開発方法があるのだろうかということを、まず考えてみたいと思います。

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「能力開発方法(人材育成)」については、右上に本日お話ししていただいた資料をいくつか切り出してきました。SD研修や大学院課程で人材育成について学んでいらっしゃったり、学外研修やセミナー等を活用されていたり、OJTを通じて専門知識を獲得されていたりなど、様々なお話がありました。

まず、図1の①の点線でくくった観点で議論を進めたいと思います。他の大学もしくは他の機関や企業がこんなことをやっているよということをお聞きになられて、ご自身の大学などと比較してどのような感想を持たれたのか、4名の講師の方に伺いたいと思います。

山口:りそな総合研究所の藤原さんのご講演のなかで、やはりそうかと思ったことは、あるべき姿を定めるというところと、そこから導き出されるやるべきことというのが大事だということです。
ただ、大学の場合、あるべき姿というのが非常に難しいです。大学も一応、戦略や理念はあるのですが、「教育」「研究」「社会貢献」というように網羅的で非常に漠然としています。そのなかで、われわれのような研究支援者のあるべき姿を考えようとしたときに、大学という組織がとても複雑階層になっていて、経営者レベルと現場レベルでの価値観が異なるので、統一されたあるべき姿を導き出すことはなかなか難しいという点があります。そのあたりについて、藤原さんは立命館大学の客員教授もされていらっしゃるので、何かご助言をいただけますか。

藤原:あるべき姿というのは、大学に限らず企業のなかでも結構多様な考え方があります。先ほど経営者が代わればというようなお話もありましたが、ただ、やはり企業文化のようなものは大学にもおそらくあるのではないかと思っています。そして、そのなかで、多様な意見を持つ方々が議論する場があるのかないのかということに、私はすごく興味があります。われわれの仕掛けというのは、そういう多様な意見を持つ方々が議論する場をつくっていきましょうというもので、それをやっていくと、意外と企業理念や企業文化に則した着地点を見出すことができる「止揚」ができるのではないかと思っています。
それから、私は立命館大学のビジネススクールで講義を持たせていただいています。そこでは、りそなショックを契機に生まれた「変な」人材3類型というようなことを教えています。私も含めてあと2名いて、プロデュース型、コーディネート型、オーガナイズド型があります。その3類型がなぜ生まれてきたのかというと、その3人は皆、経営者目線を持ってずっとやっていたからです。講義ではこの3類型の創造人材にゲストスピーカーとして話していただき、チームに分かれてぞれぞれの創造人材のスタイルを読み解いていただき、創造人材とはどのような人材で、どうすれば自身を創造人材化できるのか、創造人材を輩出する組織デザインとはどのようなものか、ということを考えてもらっています。

藤村:舘さんのご講演のなかで、関西RA交流会というお話がありましたが、いいなと思いながら聞いていました。そのときにふと思い出したのが、実は数年前に、徳島大学の角村さんのお声掛けで、九州・山口地区で産学連携実務者交流会というものをやりました。
当初は10人ほどの規模で、同じような業務を担当している人が、相互に悩みを共有したり解決法をシェアしたりできたらというぐらいの感覚で公募されたのですが、実際には40~50人ほど集まりました。大学の関係者も事務だけではなくコーディネーターの方も参加されていたり、JSTの方も唐突に参加されたりという規模になっていました。やはり同じような職種で同じ業務を担当している人にとっては、その業務のノウハウや悩みについて、相談したり解決したりできる場というのは、一定のニーズがあるのかなと思いました。
それをひとつの大学のなかだけでやっても、そもそも同じ仕事をしている担当者の絶対数が違うわけですから、そういう意味では、ひとつの大学のなかだけで研修をやって完結する必要はなく、多機関でそのようなことをやっていくというのはひとつの選択肢になるのかなというふうに考えました。

高野:角村さんの話題が出ましたが、角村さん、なぜ成功したかのというようなお話をいただけますか。突然すみません。

角村(徳島大学):おそらく需要があったからだと思います。ですが、産学連携実務者交流会をやったときのコメントとして、継承がすごく難しいなと思いました。私自身が業務上わからないことがあって、人に聞こうと思ったのがきっかけでやったのですが、うまくネットワークに乗って40~50人集まりました。ですが、その次を誰がするのかというところがなかなか決まりませんでした。このように個人では継承が難しいから組織的にやるのだなと思いました。そのあとは結局、1回きりで終わってしまいまして、残念でした。

舘:今、RA交流会やURA同士の交流の話になりましたが、継承の話もやはりそれぞれの個人のパッションにすごく差があると思います。興味を持って質問をする人としない人、そもそもそこに参加する人としない人の差というのはすごくあると思います。それは仕事への取り組みや人生観がそのまま反映されてしまうので、それに対してこうあるべきだと言う気はありませんが、URAという職種は試行錯誤の段階で、まだまだ確立されていないところがあるので、パッションのある人同士のコミュニティはとても大事だとは思います。

藤原:大学の場合は学術研究機関になりますので、学術や研究の場がたくさんあって、自分が今欲している知見などが学べる機会があるという点は羨ましいなと思いました。
それから、先ほどの舘さんのパッションの話ですが、そこをどう引き出すのかというところが人材育成なのかなと思っています。

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私も人から教えていただいたのですが、人材育成を考えるうえで、啐啄(そったく)の機をどれほどつくることができのるかが大事であると言われました。要するに、雛が卵からかえろうとするときに、雛が内からつつき、母鳥が外からつつき合って、タイミングが合ったときに殻が割れるというような、そんな瞬間をいくつつくれるかということが、気付きを与えるということだとよく言われました。答えを言うのではなく、その気付きを与えることがパッションにつながるのではないかと思いました。

高野:ありがとうございます。二つ目の観点に移る前に、ご参加いただいている皆さんの方からコメントや、もしくは講師の方々に対する質問など何かありますでしょうか。

参加者A:貴重なお話ありがとうございます。私はJSTの知財部で仕事をしております。本日お話を伺って、各大学の環境はそれぞれだと思いますが、皆さん人材育成に意外と時間を割いていらっしゃるんだなと思いました。JSTでの人材育成ですが、先ほど藤村さんのご講演で少し話題に出た目利き研修や、昨年度からは、TLO(Technology Licensing Organization / 技術移転機関)さんでOJT形式の研修をしてもらっています。ところが、なかなか大学のニーズと合わない部分もあり、そこをなんとかしたいと思って、本日この機会に参加いたしました。そのような印象を持ったので、引き続き様々なご意見をいただきながら考えていきたいなと思っております。ありがとうございます。

高野:ありがとうございます。今のご意見に対して、何かありますか。

舘:人材育成研修について、皆さんそれぞれご紹介されていましたが、関西大学にはそのようなものはないというお話をしました。ですが、「うちの大学には人材育成研修はありません」ということは駄目なことではないと考えています。先ほど交流のお話がありましたが、共通した課題を持っているという点は確かにあるので、それを皆で学ぶ場が欲しいです。今もすでにありますけど、さらに欲しいなと感じました。
それから、本日の皆さんのお話には出てきませんでしたが、学内の先生方、研究者の方々とのコミュニケーションのなかで学ぶことというのはものすごくあるなと感じています。その世界で極めようとされている方々との接点というのはとても重要で、先生方から学ぶことは大いにあります。先生方は世間に出ておられますし、職員よりよっぽど外に出ておられるので、お金のこともよくわかっていらっしゃいます。どうやったら叩かれるのか、どうやったら称えられるのかということをよくわかっていらっしゃるので、先生方とのつながりを、もっともっとつくれたらなと思います。個人的には、先生方とやりとりをするのは楽しいという印象を持っているので、そういうものも学内のリソースとしてはあるのではないかと思いました。

参加者B:北海道大学の研究支援課の者です。山口大学の藤村さんにお聞きしたいことがありまして、手を挙げさせていただきました。URAの資格や認定というお話があったので気になっていたのですが、URA支援事務部門からURA部門に移られる方がいらっしゃるとのことでしたが、そこに認定や資格などそういったものがあるのでしょうか。それから、事務職とURA職、そして教員職という身分も持っていらっしゃるというお話をされていましたが、給与体系というのは行政職の俸給なのか、もし差し支えなければ教えていただきたいです。

藤村:私自身が学内の事務職からURA部門のURA職に移って活動している第1号になりますが、まず、移行するときの評価については、実績がベースになっています。URA支援事務部門で数年間活動している実績があるので、そこを見ていただいて、URAに移行することになりました。

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給与体系の話ですが、先ほどご説明したとおり、事務系のURA職というのは独自のものが設計してあります。また、最終的には教員出身であれ、中途採用であれ、われわれのような支援事務から移行した者であれ、支援系教育職員という無任期URAの受け皿を作ってありますので、そこに統合して差をなくすという設計になっております。
しかしながら、現在、別の制度設計の関係により、私自身については事務職員の給与をベースに特別手当の支給というかたちで差額調整してもらっています。なお、勤務形態は一般のURAと同様、裁量労働制となっています。

高野:時間がなくなってまいりましたので、まとめさせていただきたいと思います。本日いろんな方のお話や討論をお伺いして思ったことは、ひとつは、藤原さんがおっしゃった経営人材、経営者的マインドを持ったURAというのが非常に大事だということです。もうひとつは、ではどうやってそのような人材を育成するのかという観点ですが、本日皆様からご紹介いただいた様々な研修制度を使っていくというのは、それはそれで必要だとは思いました。一方で、先ほど徳島大学の角村さんのお話にあったようなネットワークや、関西RA交流会のようなURA同士で刺激し合う、学び合う場が大事だと思います。舘さんはパッションとおっしゃっていましたが、そこは高いパッションを持って学び合う場だと思います。そのような場をうまくつくっていく、そこを活用するということが能力開発のひとつの肝ではないかなと、本日の講師の方々のお話をお聞きして思いました。
そういう意味でいうと、本日ここに集まっていることは、その場のひとつというわけですよね。ですので、ぜひこのような場もうまく利用しながら、われわれ自身、人材を育成する側とされる側、両方ありますが、しっかりとスキルアップを図っていきたいと思っています。
以上で終わらせていただきますけれども、最後に4名の講師の方に拍手で締めたいと思います。どうもありがとうございました。

(講演録全文はこちら

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【5】公開セミナー「研究不正の防止と研究公正の推進」を開催しました

(尾瀬彩子/大阪大学経営企画オフィス 研究支援部門)

大阪大学経営企画オフィス研究支援部門は、2018年11月16日(金)、本学にて公開セミナー「研究不正の防止と研究公正の推進」を開催しました。

◎セミナーの詳細はこちら
https://www.ura.osaka-u.ac.jp/event/20181012.html

セミナーでは、講演に先立ち、八木康史 大阪大学 理事・副学長(研究担当)より挨拶が行われました。これに続き、以下の2講演が行われました。

まず初めに、Daniel Barr氏 (オーストラリア ロイヤルメルボルン工科大学 主席研究公正アドバイザー)が「研究公正の実質化に向けたオーストラリアの取組(Experience of establishing research integrity in an Australian University)」と題した講演を行い、アジア太平洋地域における動向や、オーストラリアの大学における研究公正推進の状況、研究公正の実質化に向けた提言を述べました。次に、中村征樹氏 (大阪大学 全学教育推進機構 准教授/一般財団法人公正研究推進協会 理事)が「研究公正をめぐる国内外の動向~具体的事例を基に~」と題した講演を行い、日本の研究公正をめぐる現状、国内外における対策の実効化事例の紹介、研究公正の取組の進化にむけた問題提起を行いました。

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写真左から:Barr氏による講演、中村氏による講演

当日は、本学の教職員に加えて全国の大学や研究機関、学術団体や民間企業から約50名の参加がありました。質疑応答では、研究の芽を摘むリスクや、メンター向けのeラーニングの必要性について等、多くの質問が寄せられ、参加者の方々が熱心に聞き入る様子が見られました。またセミナー終了後も講演者・参加者間で活発に会話が行われ、よいつながりができたのではと思われます。

参加者アンケートでは、「文化的な問題の相違への配慮についての言及等、現代的な研究公正の問題に加えて新しい視点が提供されていた」、「研究者ではないため、研究不正の背景(不十分なデータ管理等)について特に考えたことがなかったが、不正と直結する、その根幹部分を強く意識することができた」、「今後、部局での独自取り組みを行う際には参考にしたい」等の意見がありました。

経営企画オフィス研究支援部門は、今後も本学の研究公正推進に向けて、同様の議論の場を提供したいと思います。


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【6】経営企画オフィス改組について

(高野 誠/大阪大学経営企画オフィス 研究支援部門長)

12月1日付けで大阪大学経営企画オフィスの組織内再編を行い研究企画部門を新設しました。これに伴い、URA部門を研究支援部門と改称しました。引き続き大阪大学の研究力強化に向けたURA活動に取り組んで参ります。皆様方のご協力・ご支援をお願いいたします。


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【7】イベント情報いろいろ

●第3回大阪大学社学共創連続セミナー 「地域なくして、大学なし-産官地学連携による共創イノベーション-」
https://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/seminar/2019/01/8026
「地域なくして大学なし」と喝破される坂本和一先生(立命館アジア太平洋大学初代学長)をお招きし、
社学共創によるイノベーションを創出するうえで必要な発想についての基調講演と、2021年の箕面新
キャンパスへの移転を踏まえた箕面市との連携・共創について、パネルディスカッションを行います。

日 時:2019年1月20日 (日) 13:30-16:30
場 所:箕面市立メイプルホール 小ホール
    (大阪府箕面市箕面5-11-23)
プログラム:
◇基調講演 坂本和一 立命館大学名誉教授 立命館アジア太平洋大学初代学長
◇パネルディスカッション「箕面における地域社会との共創に必要なものとは」
  山根 聡  大阪大学副理事 大阪大学外国語学部 教授
  吉岡 聡司 大阪大学サステイナブル・キャンパスオフィス 准教授
  岡本 秀  箕面市役所地域創造部 副部長
  司会:佐伯康考 大阪大学社学共創本部 特任助教

対象・定員:学内外の方どなたでも、定員50名(申込先着順)
参加費:無料
主催: 大阪大学共創機構社学共創本部
後援: 箕面市
問合せ:大阪大学共創機構社学共創本部 セミナー担当事務局
     E-mail: info-ucc[at]ml.office.osaka-u.ac.jp


●第1回 社会ソリューションイニシアティブ(SSI)シンポジウム「未来につなぐ命~SSIの理念と取組」
https://21c-kaitokudo.osaka-u.ac.jp/ssisympo1

大阪大学は、日本や世界が直面する様々な社会課題に対して解決方法を提示し、さらに学問的真理も追究するシンクタンクとして「社会ソリューションイニシアティブ (SSI) 」を始動させました。
今回のシンポジウムでは、SSIの理念、取組方法、活動実績、今後の計画等を報告するとともに、社会課題の解決に向けて研究を進める方々、実際に現場で活動されている方々を交えて、今から30年後、2050年頃の日本や世界がどのような社会になるのか、どのような社会にすべきかを論じます。皆様のご参加をお待ちしています。

日 時:2019年3月19日(火)15時~18時(18時30分~会費制懇親会)
場 所:大阪大学豊中キャンパス 大阪大学会館講堂
    (懇親会は大阪大学会館アセンブリーホールにて)
プログラム:
◇基調講演 堂目 卓生 大阪大学SSI長・大学院経済学研究科教授
「命を大切にし、一人一人が輝く社会を目指して ~大阪大学のチャレンジ~」
◇パネルディスカッション「社会課題の解決を通じて見える未来社会」
  稲場 圭信 大阪大学大学院人間科学研究科教授
  大竹 文雄 大阪大学大学院経済学研究科教授
  長 有紀枝 立教大学21世紀社会デザイン研究科・社会学部教授
  開 梨香  株式会社カルティベイト代表取締役社長
  モデレーター: 栗本 英世 大阪大学SSI副長・大学院人間科学研究科教授

参加費:無料
対象・定員:学内外の方どなたでも、定員250名(先着順)
事前申込:3月8日(金)までに以下のフォームから申込が必要
     ※定員になりましたら早期に〆切る場合があります。
https://21c-kaitokudo.osaka-u.ac.jp/ssisympo1


●第5回 人文・社会科学系研究推進フォーラム「人文・社会科学系研究を振興するファンドとその支援 --これからの社会を共創する人社系研究のために--」
https://www.waseda.jp/inst/research/news/67607

これからの社会における人社系研究を支援し、より多くの活躍やアウトプットを期待する政策、プログラム、支援策など、ファンド施策のあり方について、行政、研究者、URAなどが集まり議論を行います。

日 時:2019年3月19日(火)13:00-17:30
場 所:早稲田大学国際会議場会議室
    (東京都新宿区西早稲田 1-20-14)
定 員:100名(要事前申込・先着順)
対 象:研究者、URA等大学・研究機関職員、省庁関係者、助成団体関係者等
参加費:無料(情報交換会は会費制4,000円となります)

ポスター発表:
 本フォーラムでは、各大学が学内で行っている「人文・社会科学系研究を振興
 するファンドとその支援」の事例について、ポスター発表を募集いたします。
 (現在、募集準備中)

主 催:早稲田大学 研究戦略センター
問合せ:担当:丸山/島岡
      E-mail:jinsha2019[at]list.waseda.jp
共 催:大阪大学 経営企画オフィス研究支援部門
    京都大学 学術研究支援室
    筑波大学 URA研究戦略推進室/ICR
    琉球大学 研究推進機構研究企画室

※申込開始:2019年1月22日頃を予定(準備が整い次第改めてご連絡致します)
※申込締切:2019年3月8日(金)(ただし定員に達し次第、締切ります)


●【学内向け】英語論文執筆スキル強化週間セミナー・シリーズ
参加費:無料
事前申込:https://www.library.osaka-u.ac.jp/spw_201901_apply/
対象:本学の研究者、大学院生等
*全セミナーは「新任教員研修プログラム(研究能力開発プログラム)」に該当しています。
*全セミナーは英語で行います。

◇セミナー1 説得力のある英語研究論文を書くコツと図表の効果的な使い方
日時:2019年1月23日(水)14:00 - 16:00
会場:豊中キャンパス 理学研究科J棟南部陽一郎ホール

◇セミナー2 エディターの心を動かすカバーレター執筆と査読対応
日時:2019年1月24日(木)14:40 - 16:10
会場:箕面キャンパス 言語文化研究科 研究講義棟A棟 A101講義室

◇セミナー3 英語を母語としない人が間違えやすい論文英語の表現
日時:2019年1月25日(金)14:00 - 16:00
会場:吹田キャンパス 銀杏会館阪急電鉄・三和銀行ホール

共同企画・運営:経営企画オフィス経営支援部門、大阪大学附属図書館
協力:大阪大学生活協同組合、全学教育推進機構教育学習支援部、キャリアセンター


●【学内向け】新任教員研修プログラム「研究を進めるにあたっての外部資金獲得および本学における支援制度等について」(使用言語:日本語)
https://www.ura.osaka-u.ac.jp/researchersupport/20190111.html ※準備中

研究を推進するための外部資金(研究費)の概要および外部資金の各種事業について説明するとともに、本学における外部資金獲得支援制度およびURAによる支援の紹介を行います。さらに、外部資金獲得支援に係る申請書作成における留意点等を解説します。

日時:2019年2月13日(金)14:00 - 15:30
会場:吹田キャンパス サイバーメディアセンター サイバーメディアコモンズ
対象:本学教職員

お問合わせ:ura-training@lserp.osaka-u.ac.jp
(経営企画オフィス研究支援部門)


● [OU members only] Faculty Development Program "An introduction to research funding schemes in Japan and KAKENHI application" (Working Language: English)
https://www.ura.osaka-u.ac.jp/researchersupport/20190111.html ※Under construction

Designed for international faculty who just started their research career in Osaka University, the training workshop begins with an overview of research funding schemes in Japan, with a focus on KAKENHI; introduction to research support by URAs in Osaka University, including funding application support, follows next; after that, basic techniques of grant writing are to be introduced.

Date & time: 14:00 - 15:30, Friday February 22, 2019
Venue: Cybermedia Commons, Cybermedia Center, Suita Campus

Inquiries: ura-training@lserp.osaka-u.ac.jp
(Research Management and Administration Section, Office of Management and Planning)


●(速報版)2018年度学術政策セミナー

昨今、エビデンスに基づく政策立案(Evidence Based Policy Making; EBPM)の取組が強化されています。本セミナーでは、今後教育研究活動の実践にも関係が生じるEBPMについて、事例の紹介やそれに基づく議論を行います。

日程:2019年3月8日(金)午後
場所:大阪大学豊中キャンパス全学教育管理・講義A棟 2階 HALC1(A212)(変更の可能性あり)

登壇者:
・大竹文雄氏(大阪大学大学院経済学研究科 教授)
・齊藤貴浩氏(大阪大学経営企画オフィス 教授)

対象:大阪大学内外を問わず、教職員や研究支援関係者等
問合せ先:
大阪大学経営企画オフィス研究支援部門(担当:伊藤・尾瀬)
メール:open_seminar [at]lserp.osaka-u.ac.jp

※詳細については、決まり次第大阪大学経営企画オフィス研究支援部門ウェブサイトにて公開予定。

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【8】阪大URAだより―2018年12月・2019年1月の主な活動

2018年12月・2019年1月の大阪大学経営企画オフィス研究支援部門の活動例を紹介します。

●部門にまつわるニュース
・経営企画オフィス改組に伴い、部門名が「URA部門」から「研究支援部門」に変更
・1月から新しいメンバーが2人増えました。URAアンドリュー・モリソンさん、特任事務職員谷口千鶴さん

●外部資金獲得支援いろいろ
・日本学術振興会研究拠点形成事業模擬ヒアリングの実施
・日本学術振興会特別研究員模擬面接の実施
・模擬面接審査員を担当頂いた先生方に事後インタビュー実施
https://www.ura.osaka-u.ac.jp/grantwriting/2019/01/31jsps-1.html
・外部資金獲得支援に関する問合せをもっと便利に:大阪大学公式サイト上にメールフォームを公開予定

●学内支援プログラムを運営しています
・平成30年度(後期)研究成果の国際的発信支援プログラム 英語論文の投稿支援(FY
2018後期)
https://www.ura.osaka-u.ac.jp/news/H30_2nd_PublicationSupport.html
・教員等「公募要領(英語・日本語)作成支援ツール」の配付をしています
https://www.ura.osaka-u.ac.jp/international/post_12.html
・平成30年度研究成果の国際的発信支援プログラム
若手教員等研究情報発信支援事業
https://my.osaka-u.ac.jp/admin/kensui/copy2_of_websites(マイハンダイログイン必要)
・平成30年度研究大学強化促進事業による部局提案型学内研究支援プログラム
https://my.osaka-u.ac.jp/admin/kensui/bukyokuteian_h31(マイハンダイログイン必要)

●各種セミナーやシンポジウムなど
・英語論文執筆スキル強化週間セミナー・シリーズ開催
https://www.ura.osaka-u.ac.jp/researchersupport/2019-publication-week.html

●大阪大学の研究成果を学外に届けるための取組に関与しています
・大阪大学社会ソリューションイニシアティブの活動支援
http://www.ssi.osaka-u.ac.jp/
・経営者ための思考のブレークスルーセミナー「ダイバーシティ・マネジメントを突破する!」
https://www.ura.osaka-u.ac.jp/ssh/BCsalon05.html
・経営者ための思考のブレークスルーセミナー「組織マネジメント」を突破する!
https://www.ura.osaka-u.ac.jp/ssh/BCsalon06.html

●その他
・本部と部局の研究推進・支援業務担当者の情報共有や意見交換のためにURAミーティングを定例開催(2週間に1回)
・研究力強化施策の検討サポート
・順次部局を訪問させていただき、情報交換・意見交換させていただいています
・研究科・センター等への論文データの提供
・各種学内会議・委員会への参画


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【9】大阪大学ホットトピック

西尾総長による年頭挨拶が行われました

退職教授による記念講義(最終講義等)のご案内

「革新的コンセプトカー"ItoP"」を展示しました(革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の伊藤耕三プログラム)

4名の教授に大阪大学栄誉教授の称号を付与しました

「PROSPECTUS 2019」リバーシブルタイプで新発行!

第10回 大阪大学の集いin東京を東京国際フォーラムで初開催!

大阪大学共創フェスティバル2018 「大阪大学共創DAY@EXPOCITY 大阪大学とあそぼう」を開催

平成30年度大阪大学賞表彰式を開催

●最新の研究の成果リリース


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【企画・編集・配信】
大阪大学経営企画オフィス研究支援部門(旧 URA部門) 佐藤・川人

◎配信停止やご意見・ご感想はこちらまで
info-ura★lserp.osaka-u.ac.jp(★を@に)

〒565-0871 大阪府吹田市山田丘1-1 共創イノベーション棟401(2017年11月移転)
https://www.ura.osaka-u.ac.jp/
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2019年1月22日(火) 更新
ページ担当者:川人