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メールマガジン

URA MAIL MAGAZINE

URA MAIL MAGAZINE vol.57

「今年も、科研費申請支援はじめました。」特集

2018年9月 発行

科研費の動向、大阪大学の科研費申請支援制度(日/英)、新たに着任したURAからのご挨拶、第6回関西RA交流会開催報告などをご紹介します。
大阪大学URAの募集もはじめました!

■INDEX
  1. 科研費の動向
  2. ご存知ですか?大阪大学の科研費申請支援制度いろいろ(Supports for KAKENHI application are available in English!)
  3. 「科研費研究計画調書作成セミナー」を開催しました―新たな試み「研究計画調書閲覧コーナー」も好評!
  4. 大阪大学経営企画オフィスに新しいメンバー(森下麻紗代チーフ・リサーチ・アドミニストレーター)が着任しました!
  5. 「第6回関西RA交流会」参加報告
  6. イベント情報いろいろ
  7.  ●【学内向け・予告】英語論文投稿支援セミナー(10月19日)

     ●リサーチ・アドミニストレータ―(RA)協議会第4回年次大会(9月19日―20日)

     ●大阪大学COデザインセンターシンポジウム「STEAMM:Science×Art×Humanities 理系、芸術、文系を融合させた人材育成を考える」(9月7日)
  8. Osaka University GLOBAL OUTLOOK Newsletterが創刊!
  9. 阪大URAだより-2018年8月・9月の活動紹介
  10. 大阪大学経営企画オフィスではURAを募集しています
  11. 大阪大学ホットトピック
  12.  〇ネーミングライツに関する基本方針の制定とネーミングライツ・パートナーの募集について

     ●「大阪大学の集い in 福井」を開催 280名が参加!

     ●大阪大学ASEANキャンパス開所式の開催について(インドネシア)

     ●ブルネイ工科大学(ブルネイ・ダルサラーム国)と大学間学術交流協定調印式を実施

     ●基礎工学研究科・基礎工学部ウェブサイト改ざんに関するお知らせとお詫び

     ●湯川秀樹博士の直筆研究日記をホームページで初公開! 大阪帝国大学助教授時代の研究活動の記録が明らかに
     ●未来社会を構想するシンクタンク「大阪大学社会ソリューションイニシアティブ」のウェブサイトが公開されています
     ●最新の研究の成果リリース

【1】科研費の動向

(菊田 隆/大阪大学経営企画オフィス URA部門)

科研費(科学研究費補助金/学術研究助成基金助成金)は研究活動に必要な資金を研究者に配分する競争的資金のひとつで、人文・社会科学から自然科学までのすべての研究分野、基礎から応用までのすべての研究段階を対象とする研究資金制度です。競争的資金のほとんどは国が決めた目標に沿って研究を進めるためのトップダウン型研究資金ですが、唯一科研費は研究者の自由な発想に基づく学術研究を進めるためのボトムアップ型研究資金です。とはいえ研究費の規模でみると、科研費は競争的資金全体の5割強を占める我が国最大の研究資金(平成30年度予算額2,286億円)で、学術研究の推進に大きな役割を果たしています。

このように日本の学術研究に大きな影響を与えている科研費ですが、研究者にとってより有効で効果的な研究資金となるために、これまでにさまざまなシステムの改良・改善が行われてきました。本稿では、日本学術振興会の資料を基に、科研費について、システムの変遷も含めて、最近の動向を概観しようと思います。


科研費の現状

科研費への新規の応募は年々増え続けており、平成2年度に5万5千件であったものが平成29年度には10万1千件と、平成に入ってから倍近くに増加しています。平成30年度の速報値によると、主要種目において新たな申請が約9万8千件あり、このうち約2万3千件が採択されています。過去に採択されて継続している課題を含めると年間7万7千件の研究課題を支援しています。

一方、科研費の審査は、専門家である研究者相互で行うピアレビューという方法で行われています。ピアレビューは研究に関する審査では欧米でも一般的に実施されている方法で、科研費では7千人以上の研究者が分担してこれを行っています。

日本学術振興会の資料には、「科研費は学術研究を担う研究者が応募者となり、また審査委員ともなり、研究者全員で作り上げ支えるもの」と書かれていますが、新規の応募件数が年間で10万件を超えるようになると研究者が相互に支えあうのも困難な状況が生ずるようになることが予想されます。

このような課題への対応を含めて、科研費制度やその運用について、これまでにさまざまな改良・改善が行われてきています。以下では主な改良・改善について紹介します。


科研費制度・運用の改革

科研費の改革は主に3つの観点から検討されてきました。
ひとつは審査システムの見直しです。審査の質を高めた上で、増え続ける応募数にも効率的に対応できる審査を行うために、平成30年度の助成から大括り化した新しい「審査区分表」が適用され、また、「総合審査」方式や「2段階書面審査」方式が導入されました(詳しくは、大阪大学URAメールマガジンvol.47も参照)。

2つ目は研究種目・枠組みの見直しです。学術研究に求められる時代の要請を踏まえて、それぞれの種目の役割や関係性、趣旨等を明確にするために、平成29年度の助成から「挑戦的萌芽研究」を発展的に見直して「挑戦的研究」を新設しました。これは、研究者の"挑戦"に対してより長期的かつ大規模な支援を可能にするための見直しです。また、平成30年度の助成から、助成対象の新陳代謝を促進するために「特別推進研究」の複数回受給を制限し、さらに、オープンな場での若手研究者の切磋琢磨を促すために「若手研究(A)」を「基盤研究」に統合しています。

3つ目は柔軟で適正な研究費使用の促進です。研究費の使用に関する自由度を高めるとともに手続きの省力化を図り、科研費による研究成果の最大化を目指しています。具体的には、平成23年度の助成から一部の研究種目の基金化を行い、研究費の前倒し使用や手続き不要の次年度使用、1年間の研究期間延長が可能になりました。また、平成25年度の助成からは、一定の要件を満たす場合に研究費の次年度使用や前倒し使用が可能になる「調整金」枠の導入を行っています。

以上、最近の主な改革を一覧にすると以下のようになります。

実施時期 主な改革内容
平成29年度助成から
  • 「挑戦的研究(開拓、萌芽)」を新設
    平成30年度助成から
    • 従来の「分科細目表」を廃止し、新たな審査区分及び審査方式を導入(科研費改革2018の実施)
    • 若手研究の応募要件を39歳以下という年齢制限から博士号取得後8年未満に見直し
    • 特別推進研究に受給回数制限を設定
    • 「若手研究(B)」の新規採択者から「独立基盤形成支援」の配分を行う仕組みを試行的に導入
    • 「特設分野研究」の新規設定を停止し、「挑戦的研究」の審査区分として「特設審査領域」を設
    • 交付手続きのペーパーレス化を推進
    • 連携研究者を廃止し、研究協力者に統合
    • 「基盤研究(B・C)(応募区分「一般」)」「若手研究」等では、電子申請システム上で、応募時に開示希望のあった研究代表者に対し、1段階目の書面審査の結果について多くの情報を開示
      平成31年度助成から
      • 研究計画調書における「研究代表者及び研究分担者の研究業績」欄を「応募者の研究遂行能力及び研究環境」欄に変更
      • 審査の際に審査委員がResearchmap及び科学研究費助成事業データベースの掲載情報を必要に応じて参照できることとする
      • 「基盤研究(A)」では、採択された場合についても、採択課題の審査結果の所見が本人に開示されるとともに、その概要を科学研究費助成事業データベースに公開
      (日本学術振興会の資料から作成)

      科研費の審査

      前述の通り、科研費の審査は専門家による「建設的相互批判の精神」に則ったピアレビューで行われ、審査の方針として以下の3点があります。
      〇応募者の研究計画を尊重する
       応募者がどのような研究を行おうとしているのかを調書に沿って理解し、審査する
      〇審査は研究計画調書に沿って行う
       研究計画調書の内容に沿って、研究計画の長所(強い点)と短所(弱い点)を見極め、新規性、独自性、創造性および実行可能性等を評価する
      〇合議審査ではお互いの意見に対して率直に議論する(総合審査)
       自身の意見を説明するにとどまらず、お互いの意見に対する率直な議論を納得がいくまで十分に行った上で評価する

      日本学術振興会関係者によれば、応募者が誰であっても、研究計画調書の内容そのものに基づき、応募者をエンカレッジするというスタンスで審査がなされるとのことです。例えば、採択されなかった課題については、改善点(審査コメント)を希望する研究代表者にフィードバックし、研究計画の見直しをサポートするしくみもあります。

      このような審査の方針に対して、応募者の立場からは、研究計画調書をできるだけていねいに書き込むことが重要だと思います。研究課題の背景や経緯、国内外での位置付け、新規性、独自性、創造性や研究計画などを具体的に記述することで、自らの研究の重要性や優秀性を審査員にアピールすることができるのではないでしょうか。


      研究計画調書の改善

      審査員にとって分かりやすい研究計画調書を作成してもらうために、調書の様式の改善も行われています。

      例えば、「基盤研究(A・B・C)」の調書の様式では、記載内容が重複しないように簡潔化が図られ、また、応募者の利便性向上のために様式上の罫線も削除されています。また、調書の中の「1.研究目的、研究方法など」は応募者が行いたい研究の全体像を記述する欄として、「2.本研究の着想に至った経緯など」は審査員が研究計画についてより理解を深めるため当該研究の特色を記述する欄として位置付けられているので、そのことを意識した調書の記述が求められます。特に1の欄は、審査員の第一印象に大きく影響するという意味で非常に重要です。さらに、これまでの「3.研究代表者および研究分担者の研究業績」は「3.応募者の研究遂行能力及び研究環境」に変更され、研究遂行能力をアピールする内容を記述する欄になりました。この変更に連動して、応募者には、網羅的な研究業績ではなく、研究計画の実行可能性の根拠となる主要な文献等の記載が求められています。なお、審査の際には、審査員が必要に応じてResearchmapや科学研究費助成事業データベースを使って申請者の研究業績を参照することとされました。

      審査員の理解を助け、効率的な審査を可能にするためにいろいろな工夫や変更が行われていますので、研究計画調書の様式に記載された指示をよく理解して、調書を作成することが求められます。


      科研費改革2018の実施によって、平成30年度の採択分から科研費の仕組みが大きく変わりました。申請者にとってはまだまだ不慣れな点もあるかもしれませんが、公表されている公募要領を熟読して、求められた内容を指定された欄に適切に書き込み、要求に合致した申請書類を作成することが重要だと考えます。

      私たちURAは変化への対応に必要な情報を提供するために、今後も引き続き科研費の動向を注視していきたいと思います。


      【これから科研費を申請される方のための主な参考資料】
      • JSPSウェブサイト「科学研究費助成事業 平成31年度公募要領・計画調書」
        https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/03_keikaku/download.html
      • JSPSウェブサイト「特別推進研究、基盤研究(S・A・B・C)、挑戦的研究(開拓・萌芽)、若手研究平成31年度科学研究費助成事業-科研費-の公募について(通知)(PDF)」
        https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/02_koubo/h31_koubo/data/h31koubotsuchi.pdf
        ※研究分担者となることの承諾を得る手続を科研費電子申請システム上で行うこととする等、本稿に記載した以外にも細かな変更がありますので、上記PDFファイルを確認してください

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      【2】ご存知ですか?大阪大学の科研費申請支援制度いろいろ
      (Supports for KAKENHI application are available in English!)

      (企画:大屋知子/大阪大学経営企画オフィスURA部門、玉手萌子/大阪大学 研究推進部 研究推進課 学術研究推進係)

      今年も科研費の公募が始まりました。

      以下は、日本語・英語での相談員制度や「外国人研究者向け科研費説明会」など、大阪大学の科研費申請に関する支援制度(全て学内向け)です。

      本学教職員の皆さんは、ぜひ一度詳しい情報をご確認ください。

      No. 名称 主な対象
      (全て学内向け)
      時期(2018年) 概要
      科学研究費助成事業学内説明会(日本語) 科研費申請を予定している研究者、科研費担当職員 吹田地区、豊中地区にて7月に実施済 科研費制度の概要、科研費不正使用防止等についての説明。

      【参考】科研費説明会当日資料(マイハンダイへのログインが必要)
      外国人研究者向け科研費説明会(英語)

      KAKENHI Information Session for OU International Researchers (in English)
      本学の外国人研究者およびその支援者

      OU International Researchers and their Supporters
      8月に実施済み 外国人研究者向けの科研費制度の概要説明およびアドバイス。

      This Information session provides outline of the KAKENHI and suitable advice for applicants.

      【Ref.】KAKENHI Information Session of FY2019's (Login to My Handai is required)

      kakenhi information session 2018.jpg

      KAKENHI Session Aug. 2018
      Application Manual for the Grants-in-Aid for Scientific Research (KAKENHI) Program FY2019 edition 本学の外国人研究者およびその支援者

      OU International Researchers and their Supporters
      9月中旬ごろ公開予定

      Available from Mid-September
      外国人研究者およびその支援者向け、科研費英語申請のためのコンテンツ。

      This manual provides a lot of useful information on the KAKENHI for international researchers.

      【Ref.】Coming soon!
      科研費研究計画調書作成セミナー(日本語) 本学に所属する教員で、主に初めての科研費採択を目指す若手研究者(平成31年度科学研究費助成事業若手研究、基盤研究(C)の応募予定者) 分野別に7~8月に実施済 科研費相談員およびURAによる科研費研究計画調書作成方法等についての講義。希望者にはURAによる個別アドバイス。

      【参考】科研費研究計画調書作成セミナー当日資料(マイハンダイへのログインが必要)
      科研費相談員制度(日・英)

      Advisory System(Jp/En)
      本学から申請を予定している研究者で、本制度利用時点で本学に科研費応募資格がある者

      Applicants for KAKENHI
      ●第1回受付は終了



      ●第2回受付

      9月3日~9月12日(コメント送信予定:9月26日)

      [2nd Submittion Period]

      Sep. 3rd~Sep. 12th (Comments will be sent on Sep. 26th)



      ●第3回受付

      9月13日~9月26日10:00(コメント送信予定: 10月11日)

      [3rd Submittion Period]

      Sep. 13th~Sep. 26th 10.a.m. (Comments will be sent on Oct. 11th)

      科研費制度に精通した相談員が、研究計画調書に対するアドバイスを実施。

      The applicants, such as young and core researchers, are able to consult with professors who are familiar with KAKENHI and the applicants' research field(s).

      【参考】日本語ページ(マイハンダイへのログインが必要)

      【Ref.】English page(Login to My Handai is required)
      研究計画調書の事務チェック 学内締切までに電子申請システム上で提出され、かつ事務チェックを希望した研究計画調書 詳細は9月上旬頃に学内にお知らせ予定 応募前に、研究計画調書が公募要領に沿った書き方となっているか、希望者のみにチェックを実施。
      模擬ヒアリング 基盤研究(S)、特別推進研究、新学術領域研究のヒアリング審査対象者 ヒアリングの時期に応じて個別調整 大阪大学における競争的資金獲得増加のため、大型プロジェクトの審査等に対応した模擬ヒアリング・模擬面接を実施し、採択率向上を図るもの。大型科研費の他、日本学術振興会特別研究員等の面接・ヒアリング審査にも対応。

      【参考】大阪大学経営企画オフィスURA部門ウェブページ
      参考1 科研費に係るFAQの学内公開 科研費申請を予定している研究者、科研費担当職員 通年 科研費の使用ルールや研究体制等について、よくある質問とその答えを学内向けに公開

      【参考】科研費に係るFAQ(マイハンダイへのログインが必要)
      【問い合わせ先 Contact】

      ①〜⑥および参考:大阪大学 研究推進部 研究推進課 学術研究推進係 
        Research Promotion Division, Department of Research Promotion, Osaka University
      TEL:06-6879-7033
      E-mail:kensui-kensui-gakuzyutu@office.osaka-u.ac.jp

      ⑦:大阪大学 経営企画オフィスURA部門
        Research Management and Administration Section, Office of Management and Planning, Osaka University
      内線:06-6879-4981
      E-mail:ou-mogi@lserp.osaka-u.ac.jp

      ※上記以外、各部局独自の支援制度を設けている場合があります。詳しくは各部局の担当部署にご確認ください。

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      【3】「科研費研究計画調書作成セミナー」を開催しました―新たな試み「研究計画調書閲覧コーナー」も好評!

      (玉手萌子/大阪大学 研究推進部 研究推進課 学術研究推進係)

      大阪大学では科研費の応募支援の一環として、主に初めての科研費採択を目指す若手研究者を対象とした「科研費研究計画調書作成セミナー」を実施しています。セミナーでは、科研費相談員ならびにリサーチ・アドミニストレーター(URA)による科研費研究計画調書作成方法などについての講演を行っています。今年度は以下の要領で開催しました。

      日時:吹田キャンパス 2018年7月31日(火)14:00~16:00
         豊中キャンパス 2018年8月2日(木)14:00~16:00
      会場:吹田キャンパス 産業科学研究所 管理棟1階 講堂
         豊中キャンパス 大阪大学会館2階 セミナー室
      対象:本学に所属する教員で、主に初めての科研費採択を目指す若手研究者
      講師:吹田キャンパス:科研費相談員 (理工系)情報科学研究科 日比 孝之教授
                        (生物系)微生物病研究所 高倉 伸幸教授
         豊中キャンパス:科研費相談員 (人社系)経済学研究科 佐々木 勝教授
                        (理工系)理学研究科  住 貴宏教授
      プログラム:科研費相談員による研究計画調書作成に対する考え方および審査の視点など
            に関する講演、質疑応答(2分野)
            URA部門による研究計画調書の基本的な書き方および科研費採択支援
      メニュー紹介などについての講演、質疑応答
            個別相談・研究計画調書閲覧コーナー

      若手研究者向けの支援プログラムとしては今年度で3回目の開催となりますが、毎年URA部門と研究推進課で、参加者アンケートなどをもとにプログラム内容を検討し、少しずつ改善しています。今年度の参加者は、吹田キャンパスが39名、豊中キャンパスが35名でした。

      当日、科研費相談員の先生方からの熱意あふれる講演では、審査員の視点からの調書作成における重要なポイント解説や、応募時以外に心がけることなど、ここでしか聞けないような貴重な話が多々あり、参加者の方々は熱心に聞き入っておられました。また、講演後の質疑応答の時間では、相談員の先生方へ次々と質問が投げかけられ、採択につながる研究計画調書作成についての有益な情報を得ていただく機会になったのではと思います。
      セミナー終了後も、多くの参加者が科研費相談員の先生方やURAへの個別相談を利用されていたことから、このセミナーが参加された方々のニーズに合った内容を提供でき、うまく活用いただけたのではないかと感じました。

      また、今年度からの新たな試みとして、講演終了後の個別相談の時間帯に、「研究計画調書閲覧コーナー」を設けました。本試みは、セミナーの参加者がセミナーの講演により研究計画調書作成のノウハウを得、さらにそこで実際に採択された研究計画調書を閲覧する機会があれば、参加者にとって非常に効果の高いセミナーになるのではないかというURA部門と研究推進課の発案により企画されました。閲覧コーナーは、科研費相談員が過去に応募して採択された30件以上の研究計画調書(人社系:11件 理工系:14件 生物系:7件)を会場内限定で閲覧できるようなコーナーで、当日は予想を上回る大盛況でした。複数の研究計画調書を見比べて、じっくりと目を通している参加者が多かったのが印象的でした。

      toyonaka_lecture.jpg toyonaka_etsuran1.jpg
      (豊中キャンパスで開催されたセミナーの写真、左から科研費相談員による講演、研究計画調書閲覧コーナー)

      後日実施した参加者アンケートにおいては、「(相談員の先生が応募して)採択された申請書と不採択だった申請書を比較しての説明は非常にわかりやすかった」「審査の基準を明示しながらの解説は目からうろこでした」「応募時以外にも心がけることなどの情報が大変参考になった」といった声も寄せられました。

      今後も、本学の研究者にとって効果的な支援プログラムを提供していけるよう、引き続き検討を重ねていきたいと考えています。

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      【4】大阪大学経営企画オフィスに新しいメンバー(森下麻紗代チーフ・リサーチ・アドミニストレーター)が着任しました!

      森下(もりした) 麻紗代(まさよ)/チーフ・リサーチ・アドミニストレーター、特任学術政策研究員

      morishita.jpg

      関西学院大学 経済学部 卒業

      大学卒業後、シティバンク・エヌ・エイ東京支店入行。外国為替業務、信託業務、各種グローバルプロジェクトを経て、ドイツ銀行グループ、ゴールドマンサックス・アセットマネジメント株式会社等でマネジメント業務に従事。その後、帰阪し、2015年より大阪大学 本部事務機構 研究推進部 研究推進課にて事務職員として、安全保障輸出管理業務、研究倫理審査委員会事務局業務に従事。2018年8月に大阪大学経営企画オフィスURA部門着任。

      【ひとことメッセージ】

      8月1日より、大阪大学経営企画オフィスURA部門に着任しました森下と申します。
      民間企業で約20年、大阪大学の事務職員として3年の経験を経て今回URAとして活動することになりました。民間企業では、時代の変化の中で様々な業務に従事する機会をいただいたことで多くの経験を積むことができました。また大阪大学で働きだしてからも先生方をはじめ多くの皆様のお導きがあり、その中で垣間見た研究者の真摯な姿は様々なチャンネルで働いてきた私にとっては、新鮮でもあり、できる限りの支援をすべく働いていこうと思える原動力となりました。新しく知識や経験を積み重ね、社会や学校で求められている様々なニーズを素早く受け取り、咀嚼し、今後に役立てていけるような知識やツールの形にして提供しながら最終的に大学の研究が幅広く社会に役立てるような仕事をしていきたいと考えております。 
      「引く手あまた」なURAとなるよう研鑽を積んでいこうと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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      【5】「第6回関西RA交流会」参加報告

      (佐藤祐一郎・尾瀬彩子/大阪大学経営企画オフィス URA部門)

      2018年7月20日(金)、関西大学にて第6回関西RA交流会が開催され、大阪大学経営企画オフィスのURAも参加しました。

      「関西RA交流会」は、関西の大学に所属するURAが中心となり、各大学の現状を踏まえつつ情報提供や議論を行うことにより業務の質向上を目指すことを目的として、不定期で開催されています。メンバー校である関西の5大学(関西大学、京都大学、神戸大学、奈良先端科学技術大学院大学、大阪大学)に加えて、今回は同志社大学、岡山大学、広島大学からの参加がありました。第1回交流会は2015年11月に関西大学にて開催され、以降メンバー校が持ち回りで幹事校を担当しています。第6回である今回は、関西大学が幹事校を担当してくださいました。

      前半は、各大学における活動内容などの紹介がありました。本学からは「阪大URAの印象-着任前後の比較-」というテーマで、当部門に新たに着任した佐藤、尾瀬より報告を行いました。他大学からは、自組織における外国人研究者支援などに関する相談や、若手教員育成プログラムの事例紹介、2020年5月に広島で開催されるINORMS2020*1の紹介など、多種多様な話題提供があり、活発な質疑応答がなされました。また各大学によるトピックス報告の際、関西大学URAはグラフィックレコード(議論等における集団での思考のプロセスを、リアルタイムでビジュアルとして描く手法)を活用した進行をされており、とても印象的でした。
      kansaiRA06_1.jpg kansaiRA06_2.jpg kansaiRA06_3.jpg
      (写真左から 参加校によるトピックス報告、グラフィックレコード、ワークショップ)

      後半は、今回初めての試みとして、ワークショップが実施されました。「コミュニケーション」をキーワードとして、URAのステークホルダーを付箋に書き出し、中心に据えたURAとの心理的・物理的距離に基づいてステークホルダーを配置することで、可視化を行いました。またステークホルダーとのコミュニケーション手段や取組について、グループで議論しました。具体的には、女性研究者支援における、悩み聞き取りのための研究者訪問や、執行部とのカフェテリアにおける日常的な意見交換など、円滑に業務を進めるための工夫について情報交換することができ、とても有意義でした。

      今回の交流会の参加者は約30名で、多くの他大学URAの方々との情報交換ができる貴重な機会を得ることができました。このような活動を継続して他大学と交流を深めることで、URAとしての知見を広げるとともに、人事交流など、具体的な協働への発展を模索しつつ、本学の研究力強化により貢献できればと思います。

      [註]
      *1 INORMS(International Network of Research Management Societies): 各国の研究推進に係る職能団体を束ねる国際的なネットワーク。2020年の第8回年次大会では、INORMSでアジア地域初のホストをRA協議会が務めます。

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      【6】イベント情報いろいろ

      ●【学内向け・予告】英語論文投稿支援セミナー
      日 時:10月19日(金) 14:40-16:10
      場 所:吹田キャンパス 生命機能研究科 生命システム棟2Fセミナー室
      対 象:本学の研究者、大学院生等

      本セミナーでは、Web of Science (WoS) を提供しているClarivate Analytics社の講師から、論文の作成や投稿過程をより効率的、スムーズにするための活用法を学びます。


      ●リサーチ・アドミニストレータ―(RA)協議会第4回年次大会 
      大会テーマ「共創するURA ~学術の発展と価値の創出~」
      日 時:9月19日(水)10時~20日(木)16時
      場 所:神戸国際会議場
      概 要:http://www.rman.jp/meetings2018/

      【大阪大学URAが担当する2つのセッション】
      ・「EARMA Session/ SDGsとグローバルな課題解決に向けた日欧URA国際協力のシナリオ」(9月19日15時50分-)
      ・「URA組織における人材育成」(9月20日13時50分-)

      【大阪大学URAによる口頭発表、ポスター発表】
      ・「外部資金獲得支援の一環としての『模擬面接・模擬ヒアリング』への取り組み」大屋知子(口頭発表、9月19日13時20分-)
      ・「海外有識者による大阪大学URAのオンサイト・レビュー」望月麻友美、高野誠、クリスチャン・ベーリン、福島杏子(ポスター発表)
      ・「戦略的パートナーシップ活動による国際連携の促進-欧州の事例から-」望月麻友美、大林小織(ポスター発表)
      ・「複数大学のURAらによる『研究推進・支援に役立つ資料リスト2018』共同作成の試み」川人よし恵、尾瀬彩子、山田彩子(ポスター発表)

      【人社系URAネットワーク・JST「科学と社会」推進部のコラボによるセッション】
      ・「SDGsのその先へ--社会とアカデミアの応答を生み出すための5つの質問--」(9月20日9時-)


      ●大阪大学COデザインセンターシンポジウム「STEAMM: Science×Art×Humanities 理系、芸術、文系を融合させた人材育成を考える」
      日 時:2018年9月7日(金)9:45-15:00
      場 所:千里ライフサイエンスセンター(大阪府豊中市)
      概 要:http://www.cscd.osaka-u.ac.jp/co/2018/000464.php

      デザイン・シンキングの広がりからもわかるように、理系(STEMM: Science, Technology, Engineering, Mathematics and Medicine)能力や従来の文系能力に加えて、芸術的(Art)能力の必要性が唱えられています。
      本シンポジウムでは、文芸理融合教育に関する先進的なアメリカの状況を紹介しながら、世界との競争に耐えうる日本の大学・大学院教育のあり方、および、高度人材やイノベーション人材の育成について検討します。


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      【7】Osaka University GLOBAL OUTLOOK Newsletterが創刊!
      (大阪大学グローバルイニシアティブ・センターから情報をいただきました)

      大阪大学の注目の話題をお届けする、英文ニュースレター"GLOBAL OUTLOOK"が創刊しました。
      最新の研究成果や海外同窓生の活躍の様子、学内外国人研究者紹介等に関するインタビュー記事をお楽しみください。
      http://www.osaka-u.ac.jp/en/news/global_outlook

      Osaka Univesity GLOBAL OUTLOOK features some of the latest topics from Osaka Univesity.
      Connect with us and explore what we are creating as an innovative institution in research, social issues, and human development.
      http://www.osaka-u.ac.jp/en/news/global_outlook

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      【8】阪大URAだより―2018年8月・9月の活動紹介

      2018年8月・9月の大阪大学経営企画オフィスURA部門の活動例を紹介します。

      ●科研費シーズンに向けた活動など外部資金獲得支援いろいろ
      ・科研費研究計画調書作成セミナーへの協力
      ・JSPS Grants-in-Aid for Scientific Research (KAKENHI) Information
      Session for International Researchersへの協力
      ・科研費英語マニュアル(外国人研究者およびその支援者向け)の作成
      ・科研費相談員制度運営に対する支援
      ・JST 平成30年度 CREST・さきがけ・ACT-I 研究提案支援:模擬面接
      ・AMED 平成30年度 AMED-CREST・PRIME研究提案支援:模擬面接
      ・JSPS 平成31年度 研究拠点形成事業 申請支援
      ・Horizon2020-JST SICORP 申請支援
      ・平成30年度「光・量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP)」申請支援
      ・平成30年度世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)応募支援
      ほか

      ●学内支援プログラムを運営しています
      ・平成30年度(前期)研究成果の国際的発信支援プログラム 英語論文の投稿支援(FY 2018前期)
      https://www.ura.osaka-u.ac.jp/researchdissemination/H30_1st_PublicationSupport.html
      ・平成30年度教員等の採用における国際公募手続き支援(英文対応)
      ・平成30年度研究成果の国際的発信支援プログラム 若手教員等研究情報発信支援事業

      ●大阪大学の研究成果を学外に届けるための取組に関与しています
      ・GIセンター国際戦略部門企画のGlobal Outlook第一号への協力
      http://www.osaka-u.ac.jp/en/news/global_outlook
      ・大阪大学社会ソリューションイニシアティブの活動支援
      http://www.ssi.osaka-u.ac.jp/
      ・【りそな銀行・大阪大学】経営者・研究者の やや回り道 対話サロン「新規事業の源泉を美学研究者と考える」を開催
      https://www.ura.osaka-u.ac.jp/ssh/BCsalon02.html

      ●国内外のURAネットワークでの活動に参画しています
      ・RA協議会 第4回年次大会でセッション2件、口頭発表1件、ポスター発表3件を実施
      http://www.rman.jp/meetings2018/

      ●その他
      ・一般財団法人新技術振興渡辺記念会だより創刊号vol.1に「欧州における科学技術・学術政策と研究機関による戦略的パートナーシップに関する調査」(調査研究助成課題の成果概要 その1)と題して寄稿
      ・大阪大学研究大学強化促進事業ウェブサイトに後半5年間の取組を公開
      https://www.ura.osaka-u.ac.jp/researchuniversity/
      ・本部と部局の研究推進・支援業務担当者の情報共有や意見交換のためにURAミーティングを定例開催(2週間に1回)
      ・順次部局を訪問させていただき、情報交換・意見交換させていただいています
      ・新任URAを対象にした研修実施
      ・各種学内会議・委員会への参画

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      【9】大阪大学経営企画オフィスではURAを募集しています
      Research Administrator (URA) Job Opening

      ■公募
      リサーチ・マネージャー(特任学術政策研究員(常勤))
      またはチーフ・リサーチ・アドミニストレーター(特任学術政策研究員(常勤))
      またはリサーチ・アドミニストレーター(特任学術政策研究員(常勤))
      1名
      (日本時間にて 2018年9月28日(金)。決定次第終了)

      Research Manager, Chief Research Administrator, or Research Administrator
      (Specially Appointed Academic Policy Researcher (Full-time))

      詳しくはこちら/More information
      http://www.ura.osaka-u.ac.jp/aboutura/post_5.html

      ご応募をお待ちしています!


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      【10】大阪大学ホットトピック

      ネーミングライツに関する基本方針の制定とネーミングライツ・パートナーの募集について

      「大阪大学の集い in 福井」を開催 280名が参加!

      大阪大学ASEANキャンパス開所式の開催について(インドネシア)

      ブルネイ工科大学(ブルネイ・ダルサラーム国)と大学間学術交流協定調印式を実施

      基礎工学研究科・基礎工学部ウェブサイト改ざんに関するお知らせとお詫び

      湯川秀樹博士の直筆研究日記をホームページで初公開! 大阪帝国大学助教授時代の研究活動の記録が明らかに

      未来社会を構想するシンクタンク「大阪大学社会ソリューションイニシアティブ」のウェブサイトが公開されています


      ●最新の研究の成果リリース


      メールマガジンのバックナンバー一覧はこちら
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      【企画・編集・配信】
      大阪大学経営企画オフィスURA部門(旧 大型教育研究プロジェクト支援室)
      大屋・川人

      ◎配信停止やご意見・ご感想はこちらまで
      info-ura★lserp.osaka-u.ac.jp(★を@に)

      〒565-0871 大阪府吹田市山田丘1-1 共創イノベーション棟401(2017年11月移転)
      https://www.ura.osaka-u.ac.jp/
      地図はこちら

      2020年10月30日(金) 更新
      ページ担当者:川人