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URA MAIL MAGAZINE vol.26

「誰かと一緒だからできること」特集

2015年11月 発行

仕事の醍醐味の一つは、協働や役割分担によって自分ひとりでは到達できない地点まで行けること。
今回は、そんな話題の特集です。

■INDEX
  1. 大阪大学海外拠点だより<北米センター編>

    北米と大阪大学の架け橋 大阪大学北米センターと共に拡げる本学の国際展開
  2. 研究アウトリーチ活動支援について最近考えていること
  3. URA関連イベント情報

    ●地域特性を活用した「多能工型」研究支援人材養成拠点 シンポジウム「大学改革の中の研究支援」―研究マネジメント人材のあるべき姿を探る―(12月11日開催)
  4. 大阪大学ホットトピック

    ●「大阪大学未来トーク第21回・武内紀子((株)コングレ代表取締役社長)」を開催します(11月30日)

    ●UC/UCEAP大阪オフィス開所1周年記念シンポジウム「キャリア形成とグローバル化」を開催します(12月11日)

    ●大阪大学シンポジウム2015「成熟する社会の生態系(ネットワーク) ~クリエイティブアイランド中之島の共創に向けて~」(12月20日開催)

    ○国際シンポジウム「南部陽一郎の物理学」が開催されました

    ○大阪大学タイ同窓会が開催されました

    ○学術研究懇談会(RU11)提言:「自由な発想に基づく独創性豊かで 多様な研究を継続的に支援することの重要性について」

    ○坂口志文特別教授が、ガードナー国際賞授賞式に出席

    ○濱川圭弘 名誉教授(基礎工学部)が文化功労者に選ばれました
  5. ○最新の研究の成果リリース

  6. 次号のお知らせ

【1】大阪大学海外拠点だより<北米センター編>
北米と大阪大学の架け橋 大阪大学北米センターと共に拡げる本学の国際展開

大阪大学には4つの海外拠点(北米センター(サンフランシスコ)、欧州センター(グローニンゲン)、ASEANセンター(バンコク)、東アジアセンター(上海))があります。

2015年10月、米国のURA職能団体であるSRA internationalの年次大会がラスベガスで開催され、大阪大学の本部URAである筆者は、理学研究科で研究推進業務を行う坂口愛沙助教と共に参加しました。その際サンフランシスコにある大阪大学北米センターも訪問し樺澤哲センター長にお話を伺う機会を得ました。欧州センター(本メルマガvol.20参照)に続く第二弾の海外拠点センター紹介記事として、本稿をお届けします。

NorthAmerican_center.JPG
写真右から樺澤センター長、望月(筆者)、坂口助教

北米センターの概要

北米センターは2004年にサンフランシスコに設置された大阪大学サンフランシスコ教育研究センターを前身とする、本学最初の海外拠点になります。現在は、樺澤センター長と、現地スタッフの紺野佳子プログラムコーディネーターの2名により運営されています。

北米センターの役割

以下の5つが主な役割になります(【参考】生産と技術 第66巻 第4号(2014))。

1)研究者交流・学生交流の促進およびそのための情報収集・情報発信拠点
2)遠隔講義や語学研修実施支援をはじめとする国際教育の支援
3)国際的大学連合や他大学との共同シンポジウム開催支援等の国際共同研究の支援
4)学術交流協定および研究機関・企業の間の産学連携をはじめとする交流ステーション
5)北米在住の同窓生への情報提供や交流支援を行うアラムナイ・センター

上記のような北米センターの多様な活動に共通するのは、北米の人材や組織と大阪大学をつなぐ架け橋としての役割です。本稿では、樺澤センター長に伺ったお話の中から、北米センターがつなぎ手となっての、本学と米国カリフォルニア大学(以下、UC)との戦略的な関係強化の取組みを中心に、センターの活動の一部を紹介します。

UC/UCEAP大阪オフィス

2014年12月に大阪大学豊中キャンパスに大学間学術交流協定校のUCの国内2番目のオフィスとなる「University of California(UC)/University of California Education Abroad Program(UCEAP)」大阪オフィスが開所しました。このオフィスは、大阪大学とカリフォルニア大学との間における学術交流を活発化させることと、カリフォルニア大学教員による大阪大学での授業を行うための拠点となることを目指しています。北米センターはこのUCEAPと同校の大阪オフィス開設の推進と覚書締結をバックアップしました。

架け橋の役割1~北米の研究者と本学をつなぐ。クロスアポイントメント制度の活用~

これまで教育や交流の側面が強かったUCとのつながりを更に広げる取組の1つとして、クロスアポイントメント制度の促進をしているそうです。クロスアポイントメント制度は、大阪大学が積極的に運用している制度のひとつで、他機関に所属する研究者に本学での滞在を身分面で保障するため、教員の身分を付与するものです。2015年8月までに海外からは45件を受け入れ、21カ国の研究機関に属する研究者が本学で活動をしています。クロスアポイントメントは個々の研究者同士の関係を組織レベルの公式な雇用関係にするもので、筆者の知る限り研究者同士のコネクションから発展するケースがほとんどです。

北米センターでは研究者間のコネクションの延長線上でクロスアポイントメント適用の支援をするというよりは、組織同士のつながりから研究者同士をつなぐアプローチをとっています。樺澤センター長がUCにクロスアポイントメント制度の話をしたところ、研究の広がりを期待した20名程の研究者から手が挙がったといいます。そこでセンター長は候補の研究者リストを本学本部に送り、学内と連携しながら教員のマッチングを図り、現在までに2名のクロスアポイントメント締結につながったということです。今後北米センターは、UCに限らず北米の他大学にも働きかけていきながら、北米の大学や研究者からのアプローチを学内につなげる役割も果たしていくということでした。

北米には、大学教員の契約が一般的に学期中の9-10か月間のみという日本と異なる事情があります。そこに双方にとってプラスの可能性を見出し、本学のクロスアポイントメント制度や北米の大学教員の夏休み期間などをどう活用していくか、更には橋渡しをしたコネクションが密な関わりとなるために何をすべきかが今後の課題と言えそうです。

架け橋の役割その2~北米の市民と本学をつなぐ。遠隔講義システムの活用による大阪大学のプレゼンス向上~

樺澤センター長は北米の大学訪問や関係者とのやりとりから、大阪大学の研究についてはそれなりに認知されていると感じる一方で、大阪大学を含む日本の大学の教育に関する知名度や市民の間での認知度は北米においてまだまだ低いと実感されるそうです。

本学の知名度の向上、ファンを増やすために使えるリソースとして、北米センターには、センターと本学の全学教育推進機構とを結ぶ遠隔講義のシステムがあります。現在は米国の第一線で活躍する講師を迎えて本学の学生等を受講者とした双方向型ライブ遠隔講義を実施しています。

録画配信型の講義と違い、リアルタイムの受講や配信、ディスカッションができることが受講者にとって大きな魅力となります。UCや他機関の講師による遠隔講義も、2005年から今日まで、第一学期、第二学期、および同集中講義において実施されています。講義では、Liberal Artsに軸足を置いて、政治、経済、教育、医学、歯学、理学、工学、更にはキャリア形成など「多岐にわたる分野における最新事情」について、講師と学生がインタラクティブに議論を展開しています。

この手段を大阪大学から北米へという逆向きに展開させて、大阪大学のプレゼンス向上を目指した活動に利用していく、つまり、すでに本学で開催している授業などのリアルタイムの受講を北米センターで実施していけたら、というビジョンを教えていただきました。北米地域には日本文化および日本語に興味を持つ人も多く、現地の大学等での履修機会はすべて終えて「日本からの授業」を待つ人たちからのニーズがあります。授業の言語が日本語であっても、これらのニーズへの対応に活用できますし、米国西海岸と日本の時差のおかげで、日本の午前中に行われる講義を西海岸の受講者は就労後の夕方に受講することも可能になります。本学の良さ、強みをこのような形で発信する可能性はかなり広がっていきそうです。

おわりに

樺澤センター長にお話を伺い、現地で様々な業務を展開している海外拠点が、遠隔地であれ大阪大学の一部であり、学内に強くつながっていることを改めて実感しました。URAも人と人、組織をつなげる架け橋の役割を担っています。筆者は海外拠点とURAチームが連携し、人あるいは部局をつなげる活動を展開する可能性を見出すことができました。

冒頭で書いたとおり、今回筆者たちはラスベガスでURA職能団体の年次大会に参加した後、サンフランシスコへ移動しました。短期間の滞在でも北米の持つ多様性、日本の大学とのシステムやトレンドの違いを改めて感じたところです。北米センターを始めとした海外拠点が現地に存在することで、筆者たちが今回知り得たような情報や空気感を常に本学として把握し、その土地に適した戦略的な動きをとることができます。そしてその際に肝になるのがセンターと本学の組織や人材とのつながりなのです。当たり前の事ですが、そんな事を考えながら帰路につきました。北米センターの活動の幅が広がるにつれ、学内との接点も今以上に増えていくことでしょう。本部URAとして、そうした接点づくりに少しでも貢献したいと考えています。

録画配信型の講義と違い、リアルタイムの受講や配信、ディスカッションができることが受講者にとって大きな魅力となります。UCや他機関の講師による遠隔講義も、2005年から今日まで、第一学期、第二学期、および同集中講義において実施されています。講義では、Liberal Artsに軸足を置いて、政治、経済、教育、医学、歯学、理学、工学、更にはキャリア形成など「多岐にわたる分野における最新事情について、講師と学生がインタラクティブに議論を展開しています。


(望月麻友美/大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室URAチーム)

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【2】研究アウトリーチ活動支援について最近考えていること

大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室では「広報・アウトリーチ活動支援」ならびに「OJTを通した専門知識・技能の共有」に関わる業務の一環として、学内の部局等が主催する研究アウトリーチ活動に対して、希望に応じて企画・運営に関するOJTを実施しています。研究アウトリーチ活動は研究者と来場者の組み合わせですし、場所や時期にも影響を受けますから、個々に異なる内容を持っています。しかし準備業務に限れば、その多くはテンプレート化できますし、ノウハウを横の組織に提供できます。こうしたところをとらえてのOJTは、大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室が誕生して間もない平成 22 年度から始まり、サイエンスカフェの実施現場で育まれました。また平成 22 年といえば、「国民との科学・技術対話の推進についての基本的取組方針」が科学技術政策担当大臣と総合科学技術会議有識者議員の連名で広く示された年でもあります。方針に示された「対話」という言葉の受け止め方は人により立場によりさまざまで、サイエンスカフェのような、対話の手段のひとつに関する基本的なノウハウであっても提供すれば歓迎されました。こうした時代背景もあってOJTは回を重ね、そのうちにノウハウの提供と新たなノウハウの蓄積というサイクルが回りはじめました。OJTとはいえその関係は一方的なものではなく、trainer と trainee が入れ替わりながら高めあっていくという視点については、以前にもこのメールマガジン上で述べさせていただきました

昨年度末には、こうして関わらせていただいたサイエンスカフェの数が50 件を超え、今年度は新たな仮説とそれを検証できる仕掛けと挑戦を交えた取り組みを始めています。継続して研究者が行うサイエンスカフェ(国民との科学・技術対話を軸とするアウトリーチ活動)にその最前線で関わらせていただいた結果、私たちには当時よりも進んだノウハウが蓄積されました。また予想外のこととして、サイエンスカフェに取り組む研究者には、いくつかの共通点があるらしいと感じるに至っています。本稿ではこの予想外の収穫について、現時点での印象を述べます。本来ならば熟考してから公表すべきことかもしれませんので、荒っぽさはご容赦ください。また私はここで自らが現場に関わった範囲のことだけを述べています。アウトリーチ活動支援、あるいはOJT実施のどちらにおいても、URA は研究を支える実務の人間であり、離れたところから研究者を眺めているのではありませんし、ことさらに話の一般化や普遍化を急ぐものでもありません。大阪大学でURA として「研究広報・アウトリーチ活動支援」に関わるならば、どのような点を改善すれば研究者、来場者、大学職員によりよい形になるのかをいつも考えています。ご一読のうえ、ご感想やこれからの考え方についての示唆をいただけると幸いです。

50件のリスト

以下のウェブページに、大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室が関わらせていただいた件の一覧を掲出しています。初期(平成22年~23年ごろ)には、かならずしもOJTとしての側面が意識されていたわけではありませんが載せています。平成24年度には大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室にURA チームが設置され、以降はそれまでの実践を踏まえOJTとしての企画提供を始めました。このウェブページには企画の概要、つまり誰について、どんなタイトルで何曜日の何時にどこで話したのかを列記しました。実務者の方なら同意していただけると思いますが、曜日と時刻と場所の設定は悩ましいところです。また、チラシや運営マニュアルのような制作を伴うリソースについては、学内外のどなたにも活用していただきたく、可能な範囲でソースファイルを提供しています。肝心のディティールについては盛り込み切れない部分もありますので、必要な情報などがありましたら、私どもにコンタクトをお願いいたします。

ウェブページ:https://www.ura.osaka-u.ac.jp/orsojt/
問い合わせ先:iwasaki@lserp.osaka-u.ac.jp

共通点~サイエンスカフェに取り組む研究者について~
1.効率に関して敏感で、しっかりした事前の情報を求める

対話とは、話の意味を慎重に扱いながら、自分と相手の間で話の意味がどれほど共有されているかを、相互に気遣いながら会話を続ける態度をいいます。正確に言えば正確に伝わるのだとして言い放つ態度、自分の内にある意味がそのまま相手に伝わらないのはすべて相手の責任であると考えるような態度の対極にあると言えます。こうした態度が求められる場で一般の方に向けて研究の話をするとなると、研究者はまず下準備をしっかりしなければと感じるようです。たとえば、話の内容を平易に噛み砕いてスライドにするというような類の準備です。

URAチームでは、「私たちが企画するアウトリーチ活動の場に来てくださる方たちはどんな人たちなのだろう?」という素朴な疑問に導かれて、ある手法(※1)に基づいた調査を5年前から続けています。今では、私たちの行う研究広報の場に足を運んでくださる来場者の7割以上が科学に対して高い関心を持っていることを(調査の手法と結果を添えて)研究者にお伝えしています。関心があって足を運んでいるという事実は、言い換えればモチベーションがあるということですし、アンケート用紙に残されたメッセージなどからは、ある程度の難解さを受け止める心の準備はできているとみています。こうしたことは(感覚的には当たり前すぎるほどで)容易に予想がつくのですが、過去の蓄積を地道に調査したデータをもとに、判断に至る筋道を明らかにしている私たちのやり方は、どの先生方も一目置いてくださるようですし、スライド等の準備に際して何を重視するかを考えるヒントにしていただけているものと感じています。

どのようなマテリアルをもって場に臨むかは研究者によって様々です。学会用のスライドに手直しをして情報量を減らし論点を絞って、質疑のやりとりに時間を割く先生もいれば、少なくはない枚数のスライドをよどみなく説明する先生もいらっしゃいます。こうした活動は研究費を一定額以上いただくことに伴う義務だから仕方ないとか、なるべく手軽に済ませたいというようなことを口にされる方は皆無で、どうせやるのならしっかりやろうと、限られた時間の中で的を絞って努力をしていらっしゃいます。

こうした態度は、何もアウトリーチ活動に限ったことではなく、先生方が個々身につけている、ものごとに臨む際の基本的な態度なのかもしれません。しかし実行支援に関わるスタッフとしては「アウトリーチ活動をする目的と期待する効果がご自身の中で整理されていて、そこに至る効率には敏感で、だから事前のしっかりした情報提供が求められる」という点は強く意識して臨む必要があると考えています。

※1に関連する情報:
URAチームの岩崎・川人が執筆に参加した論文
「サイエンスカフェ参加者のセグメンテーションとターゲティング : 「科学・技術への関与」という観点から」
http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/handle/2115/52850

2.仲間(パートナー)への説明を大事にしている

誰にアウトリーチ活動の場に来ていただくか。対話の場づくりでは、この点がもっとも重要であるといってよいでしょう。左手に「この先生のこの研究を聞きたい」というモチベーションをもっている人がいて、右手に「研究の話をする」モチベーションのある研究者がいて、双方のモチベーションのマッチングをとるのが実行支援に関わるスタッフ・場の設計に携わる者の仕事です。このような理屈っぽい話は普段はしないのですが、こうした思いをことさらに伝えなくても、自分の研究にとって大事なパートナーを会場に招く研究者が少なからずいらっしゃいます。

秘書の方、産学連携の関係者の方、研究室の学生などのほか、私が面白いなぁと思ったところでは、配偶者の方を連れて来られた先生がいらっしゃいます。また、部局の事務職員の方が4,5名いらして、カフェが終わるや先生を連れ去って夜の街に消えていった後姿を見送ったこともあります。そうした様子からうかがえる関係性は様々ですが、一般向けのアウトリーチ活動の場を仲間とたのしむ姿は印象的でした。

「先生が何を研究しているのか、やっとわかった」と笑う秘書の方の姿は、私にとっても印象深く記憶に残っていますが、アウトリーチの場を身近なスタッフへの説明の場として活用する例や、そうした身近な方の「やっとわかった」という反応は珍しくないのです。

ひとつ余計なことを言いますが、こういう対話を邪魔しないためには、むやみやたらと人数を追うような集客は、筋が良いとは言えません。とはいえ集まった人数が重要な意味を持つ場面もありますから、そういう場合は周到な集客計画に基づいてシンポジウムや講演会を考える方が良いでしょう。また小規模な対話型イベントを集めて全体を大きくする道もあります。リアルの場としては小さなサイエンスカフェでも、事前や事後の情報提供にインターネットを活用することや、チラシをしっかり作って関係筋に配布することで、研究広報を届ける相手の人数をふやし、その範囲を広げることができる点も見逃せません。大阪大学には、研究者がアウトリーチ活動を行う時に活用できるリソースが複数の部局から提供されており、それらの活用方法や考え方についてもOJTの中で取り扱っています。またこうしたリソースを持つ部局間での担当者同士の情報交換も緩やかに続けられています。

3.気配りの人?

どの研究者もたいていは翌日に、イベントの主催部局の長や準備の指揮を執る事務長クラスの方々に、お礼のメールを送っておられます。上席者だけではなく、名前が分かる範囲でスタッフにも宛てて送信されていますし、学外の協力者がいる場合は、学外に向けた用語で丁寧に接しておられます。ご自身のアウトリーチ活動について組織としてどこが、個人として誰が動いてくれたのかを把握して丁寧にフォローしていくところは、(私自身ができていない時もあるので、)頭が下がる思いで見ています。

研究者がこれほどきちんと気を配っているのだから、スタッフの側として現場でどう接するのが良いのかは、事前によく考えておく必要があります。また、現場で様子を見ていると、OJTのトレーニーである若い事務職員の方ほど「事務の ○○ です」と言ったきりすっと下がってしまうのは、たいへんにもったいないことだとも思っています。スタッフも研究者の話に耳を傾ける参加者のひとりです。研究者と来場者の邪魔をしないようにという気遣いが先に立つのはわかりますが、終演の後などに、思い切って先生に話しかけてみて、感想を伝えたり質問する方が、研究者にとってはプラスになるかもしれません。すべてはケースバイケースで一概に言えることではありませんが、研究者の気持ちに見合うスタッフの動き方というところに最近は注目しています。

まとめ

以上、話題としてはまだ素材の域を出ない3つの着眼について述べてきました。実はもう3項目あるのですが、今回の原稿からは除きました。これらの着眼点をピポットにしてアウトリーチ活動の支援やOJTを考えなおすと、少し手を入れた方がよさそうなことがいくつも思いつきます。こうした点について実務に携わる大学職員の方、URAの方とディスカッションしてみたいと思っていますので、紹介させていただいたウェブページをご覧になるなどして、コンタクトを取っていただければ幸いです。ご連絡をお待ちしております。


(岩崎琢哉/大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室URAチーム)

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【3】URA関連イベント情報

●地域特性を活用した「多能工型」研究支援人材養成拠点 シンポジウム「大学改革の中の研究支援」―研究マネジメント人材のあるべき姿を探る―

http://www.ccr.gunma-u.ac.jp/kenshien/html/program_05.html
2015年12月11日(金)13:30~17:00、終了後情報交換会
航空会館 (東京都港区新橋一丁目18-1)
共同実施大学/茨城大学 宇都宮大学 群馬大学、連携大学/埼玉大学
要事前申込

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【4】大阪大学ホットトピック

大阪大学シンポジウム2015「成熟する社会の生態系 クリエイティブアイランド中之島の共創に向けて」(12月20日開催)

「大阪大学未来トーク第21回・武内紀子((株)コングレ代表取締役社長)」を開催します(11月30日)

UC/UCEAP大阪オフィス開所1周年記念シンポジウム「キャリア形成とグローバル化」を開催します(12月11日)

国際シンポジウム「南部陽一郎の物理学」が開催されました

大阪大学タイ同窓会が開催されました

学術研究懇談会(RU11)提言:「自由な発想に基づく独創性豊かで 多様な研究を継続的に支援することの重要性について」

坂口志文特別教授が、ガードナー国際賞授賞式に出席

濱川圭弘 名誉教授(基礎工学部)が文化功労者に選ばれました

○最新の研究の成果リリース

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【5】次号のお知らせ(予告なく変更する可能性があります)

早くも年末。「研究と時間」をテーマに特集を組む予定です。


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2020年10月30日(金) 更新
ページ担当者:川人