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URA MAIL MAGAZINE vol.21

「研究者への第一歩を踏み出す若手の支援を考える-日本学術振興会特別研究員(DC)申請支援の事例から」

2015年6月 発行
今月号は、大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室が取り組んでいる、日本学術振興会特別研究員(DC)申請に関する支援をご紹介します。

■INDEX
  1. 研究者への第一歩を踏み出す若手の支援を考える

    -日本学術振興会特別研究員(DC)申請支援の事例から
  2. 【参加者募集】第1回学術政策セミナー-大学のこれからを考える-「研究経営人財育成にむけて」(2015年7月10日開催)
  3. URA関連イベント情報

    ●RA協議会第1回年次大会(9月1日・2日、信州大学)

    ●平成27年度大学質保証フォーラム「知の質とは ーアカデミック・インテグリティの視点からー」(7月27日、一橋講堂)
  4. 大阪大学ホットトピック

    ●平野俊夫総長最終講義(7月14日)

    ●未来トーク第20回(鈴木 章 北海道大学名誉教授/ノーベル化学賞受賞2010年)のご案内(7月21日)

    ●大阪大学箕面キャンパスの移転について

    ●司馬遼太郎記念学術講演会「幕末への道 -世界史のうねりと日本の知性-」を開催(7月11日)

    ●「環太平洋大学協会(APRU) 第19回年次学長会議」を開催(6月28日~30日)

    ○QS「2015年アジア大学ランキング」で、阪大は国内2位

    ○ロシア科学アカデミー総裁に大阪大学名誉学位を授与

    ○大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社が設立予定の投資ファンドが、事業計画の認定を受けました!

    ○大阪大学における公的研究費の不正使用について

    ○平成27年度大阪大学部局主催国際シンポジウム等開催支援事業を選定

    ○最新の研究の成果リリース
  5. 次号のお知らせ

【1】研究者への第一歩を踏み出す若手の支援を考える
-日本学術振興会特別研究員(DC)申請支援の事例から

大阪大学は、平成25年度より10年間の文部科学省の「研究大学強化促進事業」の支援対象機関に採択されており、この事業を通じて、研究力強化のために、更なる国際化および若手・女性・外国人研究者への支援を充実させています。大型教育研究プロジェクト支援室URAチームでは、若手研究者への支援の一環として、「日本学術振興会特別研究員(DC)」への申請支援に取り組んでいます。この特別研究員制度は、優れた若手研究者に研究に専念する機会を与えることにより、我が国の学術研究の将来を担う創造性に富んだ研究者の養成・確保に資することを目的として、大学院博士課程在学者等で優れた研究能力を有する者を「特別研究員」に採用し、研究奨励金を支給する制度です。

本稿では、本年3月~5月にかけてURAチームが実施した、平成28年度採用分の申請予定者(大学院生)対象の「ワークショップ」と「アドバイス」について紹介します。URAによる支援は、申請者がこれまで積み重ねてきた研究活動を、申請書の上でより良く・説得力のある形で見せるためのまとめ方と表現法向上にフォーカスしているのが特徴です。

日本学術振興会特別研究員(DC)申請予定者対象 申請書作成ワークショップ(2015年3月19日・20日開催)

本ワークショップは、いわゆる"研究費を獲得するための申請書を作成する"という作業には不慣れな大学院生向けに、日本学術振興会特別研究員(以下「学振特別研究員」)の申請書作成の基礎知識を提供するために、今年初めて開催しました。

昨年5月にURAチーム主催で開催した「デンマークAarhus大学Research Support セミナー~組織の中でURAを活用するには?URAとしてステップアップするには?~」における「研究者に申請書の書き方指南をするためのトレーニング」の内容を参考にして、このワークショップを企画しました。このワークショップでは、URAが講師となり、学振特別研究員応募に特化した対応だけではなく、一般的に(学会・論文発表とは異なる)申請書を作成する上での必要な視点や作成に当たっての留意点を伝えることを主な目的としました。また、他の参加者の研究内容をまとめたものを審査員側からの視点に立って、参加者同士でディスカッションを行う「エクササイズ」の時間を設けたという特色があります。

具体的には、まず講義形式でURAがプレゼンテーションを行い、学振特別研究員応募への対応に加えて「申請書作成と論文作成の相違点」、「審査員(評価する)側からの視点で考えることの重要性」、「申請書作成における失敗事例」、「過去の申請者の具体例を交えての申請書作成にあたっての留意点」等の内容を盛り込みました。一方、エクササイズでは参加者に5人前後のチームになってもらい、各自の研究内容をA4で1枚程度にまとめた資料にお互い目を通し、各チームに配置したURA(ファシリテータ)のもと、「審査員の視点で」資料の内容を確認しあいました。2日間で計70名の定員を設けましたが、登録締切日の1週間前には既に定員に達し、このような形式のワークショップのニーズの高さがうかがえました。

参加者からは、特にエクササイズについて「自分の研究分野と少し異なる分野の人達から客観的な意見をもらえたのが良かった」、「他の人の研究内容を審査員の目線で評価できたことはとても参考になった」、「ファシリテータがチーム全員に対して汎用性のあるアドバイスをして下さった」等の感想が寄せられました。次回開催に向けて、さらにブラッシュアップする予定です。

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(写真左から:申請書作成の基礎知識に関する講義、グループに分かれて審査員側の視点で研究内容資料を読みあうエクササイズ)

日本学術振興会特別研究員(DC)申請者対象 申請書作成に対するアドバイス

上記ワークショップは今年初めての試みでしたが、URAによる学振特別研究員(DC)申請者を対象とした申請書作成に対するアドバイスについては、数年前から実施してきました。特にここ最近は、SRA International「グラント・ライティングワークショップ」の受講等により、URA自身も申請書作成に対するスキルアップを図るように努めています。URAチームでは、研究内容に踏み込むのではなく、審査員側の視点に立った支援を心掛けており、それぞれの専門分野以外の研究分野の申請書作成支援が可能な体制を取っていることが特徴のひとつです。例えば、自然科学系の研究経験を有するURAも、人文社会系の申請書の支援を行います。

今年度の支援においては、100件近い申請書に対して8名のURAで対応しました。1つの申請書に対し専門分野の(なるべく)異なる2名のURAが担当し、申請書作成についてのアドバイスをまとめた後、個別面談を実施しました。面談は今年度初の試みでしたが、メール等のやりとりのみでは適切なコメントをすることが難しいケースでも、実際に申請者と会って話し合うことで、申請書の作成に対してより的確なアドバイスが可能となりました。また、英語で申請する留学生のために、英語・中国語を使用する相談も8件受け付けました。

今後に向けて

URAチームでは、上記に加えて、11月下旬~12月上旬に実施される面接の候補者に対する面接対応としての「模擬面接」等の一連の支援を行うことで、大阪大学における学振特別研究員の採用率向上への貢献を目指してきました。URAチームによる申請書の書き方に関する支援が、採用率向上につながっている可能性を示唆するデータも出ています。若手研究者としての学振特別研究員が増加することは、学内全体の研究活動の活発化および研究力強化に繋がると考えられます。また、特に人文社会系の学生にとっては個人ベースの研究活動が中心ということもあり、例えば、ワークショップに参加することで学生同志の交流がしやすくなるといった意見もありました。このような活動から生まれたつながりがきっかけとなり、例えば将来的に若手研究者同士の異分野交流を通して、研究の発展がもたらされることも期待しています。

もちろん、部局や研究室単位で学振特別研究員申請者に対する指導は以前から行われています。そうした指導を担当されている教員・研究支援者の方々と情報交換させていただきながら、URAチームによる申請書作成面での支援を更に進化させられればと考えています。


(大屋知子/大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室URAチーム)

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【2】(参加者募集)第1回学術政策セミナー-大学のこれからを考える-
「研究経営人財育成にむけて」(2015年7月10日開催)

国の予算が減る中で運営費交付金も減少し、平成25年に出された「国立大学改革プラン」以降、国立大学における資金配分の仕組みそのものを根本的に見直す動きが昨今出てきました。

特に、産業競争力会議等でも大学政策、学術政策、科学技術政策、イノベーション政策が一体となった総合的な政策について議論がなされており、大学は配分された資金をもとに、人財を含む知的資産をどのようにマネジメントしていくかが問われています。

研究経営を各大学で実行していくために、第3の職種と言われるURAや大学事務職員は、どのようなマインドで働き、また育成されていく必要があるのでしょうか。本セミナーは、参加されたみなさまが広く俯瞰的な視野で大学のこれからを考える場として企画するものです。

なお、本セミナーは大阪大学職員の研修の一環として開催をしておりますが、学内外を含めご関心を持つ方々にも参加いただけます。ご関心のある方々の幅広いご参加をお待ちしています。

■主催:大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室
■共催:公共圏における科学技術・教育研究拠点(STiPS)
■対象:事務職員・研究者・URA業務に関心のある方

【第1回 開催概要】

【テーマ:研究経営人財育成にむけて】
■日 時:2015年7月10日(金)14時30分-17時
■場 所:大阪大学吹田キャンパステクノアライアンス棟 1F アライアンスホール
■言 語:日本語
■備 考:要事前申込

■内容:
14:30 開会挨拶 相本 三郎(理事・副学長/大型教育研究プロジェクト支援室長)
14:35 講演:「法人化を迎えた時に考えたこと、今、大学の職員の皆さんに
        期待すること」
        藤吉尚之(文部科学省官房人事課人事企画官)
15:05
 事例紹介1:「大学の事務職員から第3の職種へ・・なぜ、そうしたのか」
        岡田朗裕(名古屋大学法務室学術主任専門職)
 事例紹介2:「文部科学省の研修生として学んだこと、考えたこと(研修報告)」
        小林加奈(大阪大学研究推進部産学連携課産業連携企画係)
 事例紹介3:「お二人の事例紹介の補足として...私が考えていたこと、考えていること」
        山下 洋(文部科学省科学技術・学術政策局産業連携・地域支援課
            大学技術移転推進室長)
15:55 休憩
16:05 全体討論
    進行 池田雅夫(副学長/大型教育研究プロジェクト支援室 統括マネージャー)
    登壇者
     藤吉尚之(文部科学省官房人事課人事企画官)
     岡田朗裕(名古屋大学法務室学術主任専門職)
     山下 洋(文部科学省科学技術・学術政策局産業連携・地域支援課
          大学技術移転推進室長)
     小林加奈(大阪大学研究推進部産学連携課産業連携企画係)
     花岡宏亮(大阪大学研究推進部研究推進課 専門職員(URA支援等事務担当)
16:55 閉会挨拶

【申込み方法・問合せ先】

要事前申込。
以下のメールアドレスまで、所属、役職、名前をお知らせください。
  大型教育研究プロジェクト支援室(担当:福島)
  メール:seminar@lserp.osaka-u.ac.jp / 電話:06-6879-4825

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【3】URA関連イベント情報

●RA協議会第1回年次大会

http://www.rman.jp/meetings2015/

2015年9月1日・2日
信州大学長野(工学)キャンパス
要事前申込、有料


●平成27年度大学質保証フォーラム「知の質とは ーアカデミック・インテグリティの視点からー」

http://www.niad.ac.jp/n_kenkyukai/uqaf2015.html

2015年7月27日 13時〜17時20分、終了後情報交換会(翌日に公開研究会あり)
東京都千代田区一ツ橋2-1-2 学術総合センター2階 一橋講堂
要事前申込、無料(情報交換会は会費制)
主催:独立行政法人大学評価・学位授与機構

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【4】大阪大学ホットトピック

平野俊夫総長最終講義(7月14日)

大阪大学箕面キャンパスの移転について

未来トーク第20回(鈴木 章 北海道大学名誉教授/ノーベル化学賞受賞2010年)のご案内(7月21日)

司馬遼太郎記念学術講演会「幕末への道 -世界史のうねりと日本の知性-」を開催(7月11日)

「環太平洋大学協会(APRU) 第19回年次学長会議」を開催(6月28日~30日)

QS「2015年アジア大学ランキング」で、阪大は国内2位

ロシア科学アカデミー総裁に大阪大学名誉学位を授与
大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社が設立予定の投資ファンドが、事業計画の認定を受けました!
大阪大学における公的研究費の不正使用について

平成27年度大阪大学部局主催国際シンポジウム等開催支援事業を選定

○最新の研究の成果リリース

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【5】次号のお知らせ(予告なく変更する可能性があります)

オープンサイエンス、オープンアクセス周辺の話題をお届けします。大阪大学文学研究科「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築クラスター」の取り組みについてもご紹介します。


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2020年10月30日(金) 更新
ページ担当者:川人