vol.41「大阪大学URAシステム整備の『これまで』と『これから』、第2弾」(2017年2月発行)

3月末の本学における文部科学省URAシステム整備事業終了を受け、先月号に引き続き、大阪大学URAシステムの検証・展望をしていきます。

今月のトピックは、大学経営支援と、外部資金獲得支援・研究の国際展開支援です。いずれも執筆担当者の見解も含む内容ですが、それも含めて発信することにより、URAについて皆さんと考えるきっかけにしたいと思います。

 
■INDEX
┣【1】大阪大学URAシステム整備の「これまで」と「これから」
┃   〈その2〉大学経営に資する情報収集・分析業務
┣【2】〈その3〉研究活動の多様な発展のために−外部資金獲得と研究の国際展開への支援−
┣【3】イベント情報
┃   ●第5回四私大合同生命科学シンポジウム「数理・情報による生命科学の新たな潮流」(3月7日、関西学院大学西宮上ヶ原キャンパスにて)
┃   ●同志社大学 宇宙医科学研究センターLaunch Symposium『語ろう!宇宙への夢 月・火星への挑戦』(3月10日、同志社大学京田辺キャンパスにて)
┃   ●第21回 京都大学リサーチ・アドミニストレーション研究会「英国における研究評価制度REFを巡って:人文・社会科学系の研究力は可視化できるのか?」(3月13日、京都大学本部構内にて)
┃   ●大阪大学 二頁だけの読書会vol.8「考古学からひもとく日本食器文化」(3月28日、大阪市中央区にて)
┣【4】大阪大学ホットトピック
┃   ○大阪大学と大塚製薬が包括連携契約を締結
┃   ●退職教授による記念講義(最終講義等)のご案内
┃   ○大阪大学ASEANセンター開所10周年記念の会、タイ同窓会が開催されました
┃   ●新入出構ゲートシステム導入工事に伴う各入構門における車両通行規制について
┃   ○大阪大学シンポジウム「共創の好循環へ-女性が輝く関西をめざして-」を開催しました
┃   ○最新の研究の成果リリース
┗【5】次号のお知らせ








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【1】大阪大学URAシステム整備の「これまで」と「これから」
 〈その2〉大学経営に資する情報収集・分析業務
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前号の記事にもありましたように、2016年4月1日より大阪大学のURAチームは経営企画オフィスの一部門になりました。経営企画オフィスはその名称の通り大学経営に資する企画業務を担当する組織なので、その構成員であるURAは、従来から進めてきた研究支援の業務に加えて大学経営支援の業務を担うことも求められるようになったといえます。

その後の2016年9月5日に発表になった文部科学省の研究大学強化促進事業中間評価実施要領には、「研究大学強化促進事業の在り方は、URAの普及・定着を促進するという段階から、その配置を含みこんだインスティトゥーショナル・リサーチ(IR)*機能を飛躍的に充実させ、学長・研究担当理事が力強いリーダーシップを発揮できるよう、支援を焦点化していく段階へと移行していくべきであると考える(*大学の組織や教育研究等に関する情報を収集・分析することで、学内の意思決定や改善活動の支援や、外部に対する説明責任を果たす活動。ここでは、主として研究力強化に関する諸活動を念頭に置く)。」と記されており、本学のURA組織再編の方向性が文部科学省の方針を先取りしていたことが分かりました。

今後URAは大学経営支援の業務にかけるウェイトを増やしながら、従来から実施している研究支援業務の継続・拡大を図るという2本柱で活動を進めていくことになります。

そこで本稿では、これまでURAが実施してきた研究データ等の情報収集・分析業務について紹介するとともに、これからの大学経営支援に必要な課題について考えてみます。


情報収集と分析業務

これまでURAは研究戦略の立案に資するために関連する情報の収集と分析を行ってきました。これは、東京大学「スキル標準の作成」成果報告書(2015年3月)のURAの業務分類でいえば研究戦略推進支援業務に該当するものです。同業務の細目についても、報告書の表現とは少し違いますが、内容についてはほぼ同様の業務を実施しています。

具体的な情報収集・分析業務は、①組織の現状に関する情報収集と分析、②科学技術・学術政策動向等に関する情報収集、③他機関の研究支援等に関する情報収集などです。これらの情報収集や分析によって得られた内部環境の現状把握と外部環境の理解に基づいて、大学執行部や部局に対しては研究戦略の立案に必要な情報提供を、また、研究者に対しては外部資金獲得のために必要な情報提供を行っています。

①から③についてもう少し詳しく以下に説明します。

①組織の現状に関する情報収集と分析

組織の現状に関する情報収集と分析を行うのは、現状を把握して組織の研究力強化に向けた戦略や対策を検討するために必要なデータを意思決定者に提供するためです。現状把握によって次のアクションを促すことを、つまりPDCAサイクルのCの役割を果たすことを狙っています。

収集した情報の分析方法はいろいろありますが、主にはベストプラクティスやグッドプラクティスと比較することによって自組織の強みや弱みを理解するベンチマーク分析と時系列データによる傾向分析を用い、両者を組み合わせてレポートします。

分析に利用する情報源は、各種統計データ(科学研究費助成事業の採択状況などの省庁の公表データ、学校基本調査などの公的統計データ、年報などの研究機関のファクトブックなど)、データベース(学内、商用、KAKEN DBなど公的機関のデータベース、大学ポートレートなど)、大学ランキング(Times Higher Education World University Rankings, QS World University Rankings, Academic Ranking of World Universities (Shanghai Ranking)など)、独自調査結果(定性的、定量的)などです。

これらの情報源のほかに新たな分析指標として、Altmetrics(Web上での論文の閲覧数やダウンロード数、ソーシャルメディアの反応数などを使って影響度を測定する方法)やScience Linkage(特許に引用される論文の数)の活用の可能性についての検討も行っています。

②科学技術・学術政策動向等に関する情報収集

科学技術・学術政策動向については、定期的なWeb巡回と重要な会議は直接傍聴することによって文部科学省等の審議会情報を収集しています。ウォッチすべき審議会は本部企画部門や研究推進部門と協議して決定し、URAがそれぞれの担当として情報収集に当たっています。審議のとりまとめの情報や新しい政策の情報は、レポートを作成し報告することによって関連部門との情報共有に努めています。

また、政府の科学技術・学術政策関連予算に関しては、概算要求や予算案から新たな施策や重点施策についての分析を行い、必要に応じて関係者に情報提供を行っています。

政策や予算とも関連する外部資金の動向については、書類だけでは分からないニュアンスや強調点を調査するためにURAが公募説明会に参加して情報を収集しています。特に応募者の多い外部資金については、収集した情報をもとに学内で説明会を開催し研究者に直接情報を伝えています。

さらに、ファンディングエージェンシーの担当者を訪問して、助成の将来動向などについて情報を収集することも行っています。

③他機関の研究支援等に関する情報収集

国内外の大学や研究機関、ファンディングエージェンシー等を対象に研究力強化のための支援の方法について調査を行い情報の収集をしています。また各種セミナーや学会への参加を通じて、他機関の研究支援の取り組み事例等について情報収集しています。

情報収集の内容は、URAシステムのあり方、研究評価の方法、研究支援体制、論文データベースの分析事例、人文・社会科学系の研究支援方策など多岐にわたります。入手した情報は部門内で共有・検討して、活用できるものは実務に活かし、その時点で実務に対応できないものは知識としてストックしています。また必要に応じて、関連する部門に情報提供を行っています。


大学経営支援のための課題

これまでもURAは執行部からの要請により情報分析の報告をしてきました。また研究戦略立案に必要と考えられるデータについての情報提供も行ってきました。ただし、これらの報告や情報提供には本学の研究力を強化するという視点はありましたが、大学経営のための意思決定を支援するという視点はあまりなかったと思います。今後は、研究力強化のための方策の提案が大学経営の安定化とどう関係するのか、大学経営の安定化にどう貢献できるのかということを含めて総合的に分析することが必要になると考えます。

また、具体的な業務の高度化や充実については以下の点を検討する必要があると思います。

○マクロ分析からミクロ分析へ

これまで研究力の現状把握やベンチマーク分析では、大学間の比較や研究分野間の比較などで大くくりのデータを扱うことが多くありました。これは、積み上げた実績をマクロにとらえることで大阪大学の研究力の全体像を把握しようとする意図があったからでした。しかし、今後、大学経営支援という視点で情報分析を行う場合には、戦略的に特定の研究分野や研究グループの動向に注目していく必要が多くなると考えられます。

このような分析を可能にするには、精度の高いデータ収集が必要になります。これまで以上に情報収集の精度を高めるとともに、取得した情報を分析可能な状態にするためのデータクリーニングに注力することが重要になります。データ精度については、商用データベースのプロバイダーに対しても今まで以上に強く求めていこうと思います。

○新たな指標の開発

論文数や被引用数をベースにした情報分析は、商用データベースやツールの導入により手軽に実施できるようになり、現状では研究力分析の大きな部分を占めるようになっています。しかしながら、データベースに収録されている論文情報は、研究活動による成果のごく一部にしか過ぎません。例えば英語論文の形態をとらない研究成果の多くは、そうしたデータベースに収録されていないため分析の対象になっていません。また現状では、それらの研究成果についての情報そのものが蓄積されデータ化されることがあまりないので、分析するのが困難な状況にあります。

このように研究活動や研究力の全体像を可視化することは非常に難しいのですが、できるだけ適切な把握ができるように、人文社会系分野を含めて研究成果を測る指標について改めて検討する必要があると思います。論文やその被引用数などのメトリックスデータだけに頼ることのない調査・分析体制の構築を目指します。

○データベースの整備

各種データベースを連結して研究力分析のための情報を一元的に利用できる仕組みについては、経営企画オフィスですでに取り組みが始まっています。これらの情報を駆使して、できるだけ多面的な分析を行うことを心がけます。

(菊田 隆/大阪大学 経営企画オフィスURA部門)



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【2】大阪大学URAシステム整備の「これまで」と「これから」
 〈その3〉研究活動の多様な発展のために−外部資金獲得と研究の国際展開への支援−
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本学では、人文社会系から医歯薬・理工系分野までの基礎から応用に至る研究が、個人研究から大型研究までの様々な規模で数多く展開されています。これまで大阪大学URA部門では、こういった研究活動の多様性に沿った支援の全学的な活動を行ってきました。

研究者が個人で始める研究(研究者が掲げるquestionやinterestに基づく)は、目的により多様に展開していきます。共同研究となりネットワークが広がり大型研究へと発展したり、新たな方向性を見据えた学際融合や国際連携へも発展します。アカデミアで真理を追究し続ける研究もあれば、社会のステークホルダーとの連携へと進む研究もあったりと発展の方向は多岐に渡ります。どのような発展の方向であれ、研究を次のステージに進めるタイミングでは、構想を練り、目的に向かってネットワーク形成、外部資金獲得、国際連携の開始、成果発表等をする必要があります。

私たちURAはこのような各場面で 研究者に活用してもらえるような支援を設計し提供しています。それによって研究の進むべき方向への発展、加速の可能性が高まると考えています。本稿では、 研究活動のステージに応じた多様な支援業務の中から、「外部資金獲得支援」と「研究の国際展開支援」について大阪大学URAシステム整備の「これまで」をふりかえり、「これから」 について考えたいと思います。


外部資金獲得支援のシステマティックな展開

外部資金獲得支援は、文部科学省の「リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備」(リサーチ・アドミニストレーションシステムの整備)事業の開始時点で示されたURA像*1から、もっともイメージしやすいURAの業務 です。実際に外部資金獲得はあらゆる研究活動のステップアップのための重要な鍵であり、よって本学も含めた多くの大学のURAの 主要な支援業務となっています。

大阪大学には現在3000名以上の常勤の研究者がいます。私たち大阪大学URAチームは本学全体にリーチできるような支援を展開するために、 既存の支援業務との連携やノウハウの集約により、システマティックな支援体制を整備してきました 。

URAシステム整備事業がスタートした頃はURAの数も少なく、支援をする外部資金も限られた状態でしたが、研究大学強化促進事業の開始によるURAの増員や研究推進・産学連携部等との学内連携の強化に伴い、システマティックな支援の整備がスムーズにできるようになりました。また、外部資金の種類や研究者の要望、それまでの支援の成果を参考に支援内容の再設計を行い、現在ではHPにあげたように支援可能な資金の種類も支援内容も拡大し発展しました。(http://www.ura.osaka-u.ac.jp/grantwriting/) 支援可能な資金に関しては、 URAから多くの研究者に対して提供するもの(日本学術振興会特別研究員、科研費、科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業(さきがけ、CREST)等)と、研究者の求めに応じて支援するものとの2つに分けて実施しています。

実際の支援は、以下のような内容にしています。なお、日英の言語を問わない提供に努めています。
 1)公募説明会参加等の公募情報収集
 2)申請予定者に向けた公募説明、申請書作成要点解説、採択経験者の経験知の提供
 3)申請書へのコメント、面談による申請相談の実施
 4)模擬面接の実施
 5)大型研究においては、構想段階からの相談対応

URAによる支援実績のある資金についてはこちらをご覧ください(http://www.ura.osaka-u.ac.jp/grantwriting/menu.html)。今年度は約180件の支援を実施してきました。支援した申請が採択されたり、研究者から支援を受けてよかったとの声が届いたり、採択された研究者が活躍する姿を見ることは、私たちの励みになり、よりよい支援を目指す原動力になっています。

支援範囲を拡大する一方で、支援側のURAのスキルの向上にも積極的に努めています。例えば学外からの講師を招いたトレーニングでロジックモデルを導入した支援技法を学んだり、内部で独自のトレーニングを実施しています。また外部資金の豊富な知識の取得にも努めています。


研究の国際展開に向けた幅広い支援

研究の国際展開に関しては、1)大学の基盤的な研究環境の整備、2)国際共同研究のような国際展開につながる支援の2方向への支援を行ってきました。手広く国際関連の支援を展開しているのが本学の特徴です。

1)大学の基盤的な研究環境の整備としては、学内で研究する外国人研究者の研究環境の改善に努めています。大阪大学は研究に関してさらなる国際連携を目指すとともに、外国人研究者の本学での活躍のバックアップを図っています。外国人研究者が活躍するためには、研究活動が問題なく遂行できる研究環境が前提として存在していなければなりません。 外国人研究者を身近でサポートする関係者や事務系職員に支えがあっても、大学全体としての研究環境はまだ十分に整備できているとはいえません 。外国人研究者も力を発揮した活躍ができるように、状況を分析し、各支援の設計に努めています。例えば、上記で紹介したような外部資金獲得の英語による支援では、助成金の基本情報等について丁寧にポイントをおさえて提供するようにしています。

2)研究の国際展開につながる支援については、国際共同研究や海外との人材交流等を目的にした国内外の助成機関による外部資金に関する情報提供、コンサルテーション、および申請書作成支援や、研究成果の国際的発信支援として海外の学術誌への英語論文の投稿支援等を展開しています。今年度は、新たに海外の助成機関への申請と採択後手続の支援を開始しました。支援自体も整備段階にあるため、部局、本部、URAが連携して案件に取り組みながら、改善に努めています。


「これから」の支援とさらなる発展に必要なこと 私見

外部資金獲得支援の今後

例えば若手研究者から、申請書作成の作業は、研究のアイデアを膨らませ、新たな研究の創出をより具体的に形作る作業につながるという声を聞くことがあります。 筆者は今後も採択の増加を目指すだけではなく、研究の多様な発展を支援するために外部資金獲得支援に関わって行きたいと思います。そして、将来は、外部資金獲得支援を更に発展させ、研究者の新たな研究の創出への支援にもつなげていけたらと思います。

研究の国際展開に向けた幅広い支援の今後

筆者は本学着任以前、欧州のトップ大学で大型国際融合研究プロジェクトの マネジメント業務等に携わってきました。世界トップ大学と本学を比較すると、前者に当たり前にある国際的な研究環境が本学にはまだまだ十分ではありません。また、戦略的に研究を国際展開することも発達段階にあると思います。これまで国際展開に向けて URAが関わってきた支援は、 大学全体として浸透していない研究環境の補完的役割の側面をもつことも多くありました。また、助成側からの公募要領等の英語情報が乏しいことも多く、その課題を補う役割も多くありました。こういった課題にたいして、学内のみならず、他大学や助成機関とも状況を共有して改善に向けて共に動いていけることを心から願っています。

さらに今後は、URAも積極的に研究の国際展開への支援に関わっていくべきだと考えています。例えば私たちが最近開始した海外大学のURAとの連携による共同研究の立ち上げのように、更なる国際連携の仕掛けも展開していけることが望ましいと考えます。

支援のさらなる発展のために

大学が変革するにつれ、URAの研究支援も、各研究活動に向けて展開するだけではなく、大学の目標に向けた支援としても調整していく必要がありそうです。今後の支援のさらなる発展のために以下の2つのバランスが必要なのではないかと考えています。

1.広さと深さ。全学整備と深化のバランス --支援の設計--

学内に広く浅くでも行き渡る支援を展開する一方で、支援の質を高め、深化した支援の提供も目指していきたいところです。私たちのように少数で多くの方に支援を届ける場合には、その守備範囲の広さと支援内容の深さとのバランスを図りながら展開する必要があります。一つの業務内容を追究すれば、確かに支援の精度はある程度上がります。しかし、それによって必要以上に高度なスキルや時間を費やしていないか、組織としての意識的な見極めが必要です。広げるという部分では例えば他部署とのさらなる連携の拡充を、深めるという部分ではURAのスキル投入のさじ加減の調整を、それぞれしていく必要があると考えています。

支援の整備を進めた事で、支援業務はこのようなマネジメントの視点での業務改善ができる段階に入ってきたと思います 。今後、学内外で意見交換をしながら検討していけたらよいのではないかと思います。

2.大学マネジメント層と現場のバランス、様々な要因の中で --すべきことはなにか--

大学はこれまで以上に独自の経営判断、方向性の提示が求められ、目指す姿に向かうための取り組みの実施が求められはじめています。URAによる支援も、今後はさらに大学の戦略・弱み・強み・伸ばしたい分野等、大学マネジメント層の要望にも沿って積極的に展開されていくようになるでしょう。もちろん一方で、大学の研究力の原動力である研究者のモチベーションやニーズを尊重する必要もあります。研究者のニーズと、経営側のニーズの双方に応えるバランスをはかったURA業務の設計や取捨選択が求められていくでしょう。

筆者は以前から、URAがマネジメント層と研究者等の状況をくみとり、先を考えながら調整して業務へ反映させていくべきだと考え、企画、支援業務に携わってきました。しかし、「これから」は行間を読む感覚で大学の状況をくみとって業務に反映するだけでは不十分で、より明確な根拠を基に判断し戦略的に動く必要があるように思います。つまり、研究分析や大学の戦略、様々な関係者や組織等との対話などから情報やエビデンスを根拠にURA組織として状況を把握し、URAとしてすべきことの判断をして業務内容や方向の確認をしていくことが求められていくのではないかと思います。

本学におけるURA整備事業が始まって5年、外部資金獲得支援も国際展開に向けた支援もある程度確立し、システム化や高度化を実施してきました。今後は、さらなる進化・深化へむけて、上記のようなことを学内外のURA、URA類似職、事務職員、研究者、他機関 等とも議論をしていきながらともに活動を展開させていきたいと考えています。

(望月麻友美/大阪大学 経営企画オフィスURA部門)



*1:URAは、University Research Administrator の略です。本事業におけるURAは、大学等において、研究者とともに(専ら研究を行う職とは別の位置づけとして)研究活動の企画・マネジメント、研究成果活用促進を行う(単に研究に係る行政手続きを行うという意味ではない。)ことにより、研究者の研究活動の活性化や研究開発マネジメントの強化等を支える業務に従事する人材を指します。(文部科学省 URA公募情報ページより一部抜粋)


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【3】イベント情報
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●第5回四私大合同生命科学シンポジウム「数理・情報による生命科学の新たな潮流」
http://sci-tech.ksc.kwansei.ac.jp/d_biosci/four/

数理科学あるいは情報科学に基づくアプローチは医療、創薬などの応用から基礎までを含む様々な生命科学の駆動力として注目されています。
今回、関西四私大 同立関関で行われる最前線の研究を一般の方に向けて紹介します。
聴衆としては高校生以上を想定していますが、生命科学に興味のある方であれば お気軽にご参加ください。

  • 日 時:2017年3月7日(火)13:00〜18:00
  • 場 所:関西学院会館 光の間(関西学院大学西宮上ヶ原キャンパス)
  • 備 考:参加費無料、事前申込不要
  • **四私大合同生命科学シンポジウムとは**
    関西を起点とした日本の生命科学分野の活性化をはかることを目的とし、関西の私立四大学(同志社大学・立命館大学・関西学院大学・関西大学)の生命科学系学部・研究科が合同で開催するシンポジウムです。



●同志社大学 宇宙医科学研究センターLaunch Symposium『語ろう!宇宙への夢 月・火星への挑戦』
http://www.doshisha.ac.jp/event/2017/0223/event-detail-2188.html

同志社大学宇宙医科学研究センターは このたび、NASA Johnson Space Center,Exercise, Physiology & Countermeasures Labとの宇宙環境における人体の筋肉・骨の退化メカニズムの解明と予防等についての共同研究を開始を記念して、Launch Symposiumを開催いたします。 Johnson Spece Center のDr. Andrea Hanson氏による最新の火星研究の現状と同志社大学の宇宙医科学研究を紹介し、宇宙取材の経験豊富なジャーナリストと会場の皆様と宇宙への夢について考えたいとおもいます。 中・高校生の参加も可能です。



●第21回 京都大学リサーチ・アドミニストレーション研究会「英国における研究評価制度REFを巡って:人文・社会科学系の研究力は可視化できるのか?」
https://www.kura.kyoto-u.ac.jp/event/83

学術研究を巡る世界的競争の激化と財政難等を背景に、研究評価に基づく公的研究資金の配分方法が各国で見直されています。日本では、人社系の研究力をどのように可視化するかという課題の解決策が 模索される一方、既に研究評価制度が確立された国では、制度が学術研究に与える影響を懸念する議論も出てきています。本研究会では、先進的な事例である英国の制度−REFを紹介し、研究評価制度が学術研究と大学経営にもたらす影響に関して考察します。

  • 日 時:2017年3月13日(月)15:00〜18:00
  • 場 所:京都大学 学術研究支援棟 地下会議室
  • 対 象:京都大学の教職員、研究員等

  • ※ 本研究会は京都大学の教職員を対象として企画しておりますが、他機関の皆様にもご参加いただけます。
  • 申込み:事前申込みが必要です。こちらのフォームからお申込みください。

(問い合わせ先)
京都大学学術研究支援室 稲石
電話 098-895-8486(直通)
TEL.075-753-5161(内線 16-5161)
bunkei[at]kura.kyoto-u.ac.jp([at]を@に変えてください)



大阪大学 二頁だけの読書会vol.8「考古学からひもとく日本食器文化」
http://www.ura.osaka-u.ac.jp/ssh/2pages08.html

本のとある見開き二頁をきっかけに、大阪大学の研究成果を参加者のみなさんと分かち合い、学び合うプログラムです。

  • 日 時:2017年3月28日(火)18時30分〜20時30分(開場18時)
  • 場 所:ビジネスプラザおおさか
  • ゲスト:中久保辰夫(大阪大学埋蔵文化財調査室 助教)
  • 取り上げる本:中久保辰夫『日本古代国家の形成過程と対外交流』 大阪大学出版会 2017年 B5判上製(函入)
  • 定員・申込方法:先着順30名(要事前申込。3/6(月)21時よりこちらから申込受付開始、定員になり次第受付〆切)
  • 参加費:無料
  • 主 催:大阪大学経営企画オフィス URAプロジェクト
  • 共 催:大阪大学出版会、株式会社りそな銀行
  • 協 力:大阪大学クリエイティブユニット、大阪大学21世紀懐徳堂

内容
発掘調査で必ずといっていいほど出土する土器は、考古学の研究にとって欠かせない資料の1つです。土器の形状や文様、作り方は、時代や地域、工房や作者によって変化するため、考古学者はその違いを見極め、遺跡の年代を知り、歴史や生活を復元します。今回取り上げる本は、土器研究を基礎として、日本列島の広い地域で大規模な古墳が築造された古墳時代を対象に、東アジア社会との交流、政治や社会の変化、文化変容を論じる考古学の専門書ですが、今回はそのなかでも土器の時代的特質に着目します。はるか1750年〜1400年前の時代に用いられた土器を手がかりに、現在の食器につながる日本食器文化を紐解いていく楽しみを、実際の遺跡から出土した土器を手に取りながら、お話ししたいと思います。




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【4】大阪大学ホットトピック
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大阪大学と大塚製薬が包括連携契約を締結

退職教授による記念講義(最終講義等)のご案内

大阪大学ASEANセンター開所10周年記念の会、タイ同窓会が開催されました

新入出構ゲートシステム導入工事に伴う各入構門における車両通行規制について

大阪大学シンポジウム「共創の好循環へ-女性が輝く関西をめざして-」を開催しました)


○最新の研究の成果リリース

バックナンバー一覧 vol.41「大阪大学URAシステム整備の『これまで』と『これから』、第2弾」(2017年2月発行) vol.40「大阪大学URAシステム整備の『これまで』と『これから』、第1弾」(2017年1月発行) vol.39「人事交流制度を考える-大阪大学工学研究科におけるクロス・アポイントメントや出向の事例から」(2016年12月発行) vol.38「大学経営における URA の役割」(2016年11月発行) vol.37「海の向こうで阪大を伝える」特集(2016年10月発行) vol.36「国際共同研究のための資金をひも解く/欧州編」(2016年9月発行) vol.35「今年も来ました!科研費の季節」特集(2016年8月発行) vol.34「Dean's Night 始めました」(2016年7月発行) vol.33「"これからを考える"は終わらない」特集(2016年6月発行) vol.32「お金のプロが挑む、官民ファンドによる研究成果の事業化支援」(2016年5月発行) vol.31「変わるもの・変わらないもの」(2016年4月発行) vol.30 "Voices from OU's International Partners"(2016年3月発行) vol.29【おすすめイベント情報】(2016年2月発行) vol.28「ASEAN方面で仕掛けてます」特集(2016年1月発行) vol.27「国と大学の事業・経営サイクル―URAの体内時計―」(2015年12月発行) vol.26「誰かと一緒だからできること」特集(2015年11月発行) vol.25「備えの秋。科学技術政策/英語論文執筆/人社系研究倫理」特集(2015年10月発行) vol.24「永遠のホットイシュー?!スキルアップとキャリアパス」特集(2015年9月発行) vol.23「今年は1ヵ月早く。科研費の季節ですね」特集(2015年8月発行) vol.22「新しいリテラシーで変わる、学術研究や大学のあり方」特集(2015年7月発行) vol.21「研究者への第一歩を踏み出す若手の支援を考える-日本学術振興会特別研究員(DC)申請支援の事例から」(2015年6月発行) vol.20「阪大の国際ネットワーク構築の舞台裏をちら見せ」特集(2015年5月発行) vol.19「よく集い、よく始む」特集(2015年4月発行) vol.18「春にして"これからの研究"を想う」特集(2015年3月発行) vol.17「第1回人社系研究推進フォーラム〜人文・社会科学系研究推進に必要な共通基盤整備を考えよう」開催報告(2015年2月発行) vol.16「阪大総長になるずっと前。免疫学者・平野俊夫の選択」(2015年1月発行) vol.15「あの人の、2014年重大ニュース!」特集(2014年12月発行) vol.14「国際展開、それぞれの一歩」特集(2014年11月発行) vol.13「創刊1周年記念特大号/種をまく人」特集(2014年10月発行) vol.12「科研費の季節ですね」特集(2014年9月発行) vol.11「知っておくとお得?最近の目玉施策解説」特集(2014年8月発行) vol.10「"目利き"を考える」特集(2014年7月発行) vol.9「"デンマークの阪大"?!オーフス大学の極意に学ぶ」特集(2014年6月発行) vol.8「阪大の点と線」特集(2014年5月発行) vol.7「しくみにココロあり/アメリカ編」特集(2014年4月発行) vol.6「あの話の、その後。」特集(2014年3月発行) vol.5「ほぼオールアバウト阪大URAチーム」特集(2014年2月発行) vol.4「若手育成の試み。その先に見えるもの」特集(2014年1月発行) vol.3「文系研究で。若手職員で。研究の責任をめぐって。~"国際"な出来事」特集(2013年12月発行) vol.2「異分野融合?!」特集(2013年11月発行) vol.1創刊号(2013年10月発行) 大阪大学URAメールマガジンを創刊します。
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